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[MOM1042]北海道選抜GK岡本歩夢(札幌大2年)_「自分が止めるから」味方が失敗直後のPKストップ

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北海道選抜のGKコンビ、GK松家大知(左)とGK岡本歩夢

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.23 デンチャレプレーオフ決勝 九州1-1(PK2-4)北海道 うさぎ島5]

 味方のPKが止められた直後だった。PK戦でリードしていた先攻の北海道選抜だが、4人目で蹴ったMF石山風吹(北海道教育大岩見沢校3年=長崎総合科学大附高)が失敗。同点に追いつかれてしまう。

 だが守護神は冷静だった。GK岡本歩夢(札幌大2年=JFAアカデミー福島U-18)はすぐに失敗した石山に駆け寄って声を掛ける。「下を向かないで。自分が止めるから」。石山の耳元でささやいた岡本は、自らの仕事に集中した。

 そして九州選抜の4人目で蹴ったMF平古智也(九州産業大2年=興國高)のPKを右に飛んでストップ。再びリードに持ち込むと、5人目で蹴ったFW黒崎皓嗣(北海道教育大岩見沢校3年=栃木U-18)がゴールネットを揺らした瞬間に、北海道選抜の単独チームでは初となる本大会出場が決まった。

「PKになった瞬間に自分がやるしかないという気持ちだった。メンタルの部分は今までで一番というか、楽しむぞというのもあった。PK戦は今まで北海道の大会でも止められなくて悔しい思いをしていた。今日こそはという思いで入っていました」

 抽選で進出を決めていた決勝戦。北海道が戦ったグループ2は、3チーム総当たりのグループステージを終えて、勝ち点、得失点差で同じ。さらに反則ポイントや当該対戦成績でも違いが出なかったことで、抽選によってグループ内の順位を決めることになった。

 抽選は各チームの代表者が抽選箱からくじを引く形で実施した。北海道からは主将MF美濃又叶翔(北海道教育大岩見沢校3年=いわきU-18)が出席。見事に1位通過を引き当て、メンバーが待つ宿舎に吉報を届けた。「報告を聞いてみんな大盛り上がりでした」(岡本)。そして勢いのまま、プレーオフの優勝を勝ち取った。

 かつては北海道は東北地区との混成チームで出場していたが、22年度よりプレーオフが導入されたことでそれぞれが単独チームを編成。しかし22年度こそ2勝して決勝に進んでいたが、その後2大会は1勝もできずに敗退していた。昨年度大会もメンバー入りしていた岡本も「歴史を変えるぞという共通認識を持っていた」と2年分の思いを抱いていたことを明かす。

 しかし本番はこれからで、本大会に出場するチームのうち、U-20全日本大学選抜、日本高校選抜、プレーオフ選抜を除く5チームで最下位になると、次年度大会はプレーオフを戦うことになる。本大会のグループステージでは関東選抜Bや関西選抜、日本高校選抜と対戦することになるが、一戦必勝、プレーオフでみせた粘り強さをみせて戦い抜きたいところだ。

 そして岡本も「プレーオフ大会で優勝したということは、北海道だけじゃなく、プレーオフを戦った全員の思いを背負って戦わないといけない」と気合を十分にすると、「最下位という結果でもう一回戻ってくるんじゃなくて、しっかりと本戦に残って、来年の自分たちのためにも繋げられる大会にしたい」と意気込んだ。

(取材・文 児玉幸洋)

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児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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