[MOM1054]関東選抜A MF山市秀翔(早稲田大)_デンチャレ4大会連続出場の快挙、そして個人連覇…決勝は親友とのキャプテン頂上決戦
MVP受賞で喜びを爆発させる
[3.2 デンチャレ決勝 関東A 2-0 関西 裾野C]
MVPを引き寄せるPK弾になった。関東選抜Aは1-0で迎えた後半40分、エリア内に侵入したMF松永颯汰(流通経済大3年=静岡学園高)が倒されてPKを獲得する。これをMF山市秀翔(早稲田大3年=桐光学園高)が決めて、優勝を決定的にした。
キッカーが決まっていたわけではないという。ただ松永がファウルを受けた際にスパイクの紐を切っていた。「颯太が蹴らなかったら俺が蹴ろうと思った。絶対に勝たせたいという気持ちが強かった」。左足にはチーム全員の思いを乗せていた。
決勝は個人的にも特別な一戦だった。関西選抜でキャプテンマークを巻いたFW鹿取勇斗(同志社大3年)は同じ桐光学園高出身。小中のチームは違ったが同じ横浜F・マリノスの下部組織出身で、一緒にプレーしたのは高校3年間だけだったが、お互いに「一番の親友」と信頼し合う関係性を築いていた。
山市は「めちゃくちゃ面白かったっすよ!」と声を弾ませると、「お互いにサッカーに対する熱量で近しいものを持っている。あいつには負けないと思って大学も過ごしてきたし、勇斗と決勝で、お互いにキャプテンマークを巻いてやれたことは、嬉しかったし、楽しい経験になったなと思います」と頬を緩ませた。


また大学の選抜大会であるデンソーカップチャレンジだが、山市は4年連続出場の皆勤賞となっていた。最初は日本高校選抜で出場した22年度大会。23年度はU-20全日本選抜、24年度は関東選抜B、そして今大会の関東選抜Aと、いずれも異なるチームで出場する“快挙”にもなっていた。
さらには昨年度に続く“個人連覇”にもなった。ただ昨年は決勝に先発した選手で唯一、優秀選手から外れる“屈辱”も味わっていた。「正直、去年は何もしていなかった。スタメン11人で自分だけ優秀選手を外れた悔しい思いを持って今大会を迎えていた。それで優秀選手に入れて、MVPも獲れた。決勝のプレーには納得できていないけど、チームメイトに助けられて獲れた賞だと思っています」と頷いた。


「1年1年、この大会で成長を試すいい機会だと思っていた。高校選抜の時は何もできずに終わって、U-20で持ち味を出せるようになって、関東Bでチームを作っていく難しさだったり、自分の武器を尖らせないといけないと感じさせてもらって、今大会に挑んでいた。デンソーがなければここまで成長できなかったなと思っています」
デンチャレMVPの称号を得るまでもなく、山市は今季の注目選手の一人。今後は進路も含めて、より注目されていくことになりそうだ。直近では早稲田大で天皇杯出場を目指す戦いがあり、3月20日に開催が発表になった大学日韓定期戦の全日本大学選抜入りも有力視される。「1年間でしっかりと鍛錬を積んで、プロの舞台に向かいたい」。大学最終学年を前に最高のスタートを切った。


(取材・文 児玉幸洋)
●第39回デンソーカップチャレンジ特集
MVPを引き寄せるPK弾になった。関東選抜Aは1-0で迎えた後半40分、エリア内に侵入したMF松永颯汰(流通経済大3年=静岡学園高)が倒されてPKを獲得する。これをMF山市秀翔(早稲田大3年=桐光学園高)が決めて、優勝を決定的にした。
キッカーが決まっていたわけではないという。ただ松永がファウルを受けた際にスパイクの紐を切っていた。「颯太が蹴らなかったら俺が蹴ろうと思った。絶対に勝たせたいという気持ちが強かった」。左足にはチーム全員の思いを乗せていた。
決勝は個人的にも特別な一戦だった。関西選抜でキャプテンマークを巻いたFW鹿取勇斗(同志社大3年)は同じ桐光学園高出身。小中のチームは違ったが同じ横浜F・マリノスの下部組織出身で、一緒にプレーしたのは高校3年間だけだったが、お互いに「一番の親友」と信頼し合う関係性を築いていた。
山市は「めちゃくちゃ面白かったっすよ!」と声を弾ませると、「お互いにサッカーに対する熱量で近しいものを持っている。あいつには負けないと思って大学も過ごしてきたし、勇斗と決勝で、お互いにキャプテンマークを巻いてやれたことは、嬉しかったし、楽しい経験になったなと思います」と頬を緩ませた。


鹿取勇斗(左)と山市秀翔
また大学の選抜大会であるデンソーカップチャレンジだが、山市は4年連続出場の皆勤賞となっていた。最初は日本高校選抜で出場した22年度大会。23年度はU-20全日本選抜、24年度は関東選抜B、そして今大会の関東選抜Aと、いずれも異なるチームで出場する“快挙”にもなっていた。
さらには昨年度に続く“個人連覇”にもなった。ただ昨年は決勝に先発した選手で唯一、優秀選手から外れる“屈辱”も味わっていた。「正直、去年は何もしていなかった。スタメン11人で自分だけ優秀選手を外れた悔しい思いを持って今大会を迎えていた。それで優秀選手に入れて、MVPも獲れた。決勝のプレーには納得できていないけど、チームメイトに助けられて獲れた賞だと思っています」と頷いた。


個人連覇の3選手
「1年1年、この大会で成長を試すいい機会だと思っていた。高校選抜の時は何もできずに終わって、U-20で持ち味を出せるようになって、関東Bでチームを作っていく難しさだったり、自分の武器を尖らせないといけないと感じさせてもらって、今大会に挑んでいた。デンソーがなければここまで成長できなかったなと思っています」
デンチャレMVPの称号を得るまでもなく、山市は今季の注目選手の一人。今後は進路も含めて、より注目されていくことになりそうだ。直近では早稲田大で天皇杯出場を目指す戦いがあり、3月20日に開催が発表になった大学日韓定期戦の全日本大学選抜入りも有力視される。「1年間でしっかりと鍛錬を積んで、プロの舞台に向かいたい」。大学最終学年を前に最高のスタートを切った。


(取材・文 児玉幸洋)
●第39回デンソーカップチャレンジ特集


