桜の同期の活躍も大きなエネルギーに!明治大のポリバレントプレイヤー・川合陽が3年目で掴んだ関東大学リーグ初ゴール!
[7.5 関東大学L1部第9節延期分 東京国際大 0-3 明治大 東京国際大学第1グラウンド]
3年目でようやく掴み始めたリーグ戦の出場機会。まだまだ不安定な立場であることは、自分が一番よくわかっている。でも、もっと試合に出たい。もっと活躍したい。応援してくれる人たちのために。地道に努力を続けてきた自分のために。そして、この大学で厳しい日常をともに積み重ねている仲間のために。
「今はケガ人の代わりに出ているという悔しい立ち位置ではあるんですけど、彼らが帰ってきてもポジションを取られないように、ここでもっと良いプレーを見せたいですし、まだまだチームを勝たせるセンターバックのプレーとしては不十分なので、もっとチームの中心となれるように頑張らないといけないと思います」。
穏やかな風貌の中に燃え滾る闘志を燃やす、明治大のポリバレントプレーヤー。DF川合陽(3年=C大阪U-18)がチームの無失点に、自らの関東大学リーグ初ゴールも添えて、勝利の一翼を力強く担ってみせた。
「本来は真ん中で使うことはあまりイメージしていなかったんですけど、多久島と小澤というレギュラーのメンバーがケガをした中で、陽は凄くクレバーで、ディフェンスのところも凄く強く行けますし、後ろのカバーリングも上手なので、今の明治の中では森田と陽がセンターバックの中では適任かなという形です」。
今季からチームを率いている池上寿之監督は、その起用の理由をこう明かす。天皇杯の影響による延期分として行われた第9節・東京国際大戦。DF多久島良紀(3年)とDF小澤晴樹(3年)の欠場もあって、明治大のセンターバックコンビにはアミノバイタルカップから引き続いて川合とDF森田翔(4年)が指名される。
立ち上がりはやや東京国際大ペース。「ここ最近の試合で出ていたラインの上げ下げの課題が出てしまって、ちょっと押し込まれる時間帯が増えてしまったのは反省点です」と川合も言及したように、相手の勢いに全体のラインが下がってしまい、明治大はなかなか攻撃の時間を作れない。
だが、徐々にボールを動かしながらゲームリズムを引き寄せると、37分にはDF稲垣篤志(3年)がPKを獲得し、キャプテンのMF島野怜(4年/柏内定)が確実に沈めて先制点をゲット。まずは明治大が1点のリードを奪う。
42分。左サイドで明治大が獲得したCK。キッカーのMF宇水聖凌(3年)が正確に蹴り込んだボールへ、背番号15が勢い良く突っ込んでいく。「全員が入る意識を持って想定通り入れて、ボールも良いところに飛んできて、あとは自分は目の前の相手に勝つだけだったので、練習通りのセットプレーだったかなと思います」。
マーカーに競り勝ちながら、ヘディングで合わせたボールはゴールネットへ弾み込み、噛み締めるようなガッツポーズを繰り出すと、チームメイトも笑顔で駆け寄ってくる。「久々に公式戦で点を獲れたので嬉しかったです」と笑った川合にとっては、入学3年目にして初となる関東大学リーグでの得点。2-0。点差が開く。




後半は相手も前線の顔ぶれを変えて、反撃の態勢を整えるも、明治ディフェンスの安定感は揺るがない。「失点も多いですし、ディフェンスラインが不安定なところはあったんですけど、今日はまとまっていたというか、後半は凄く落ち着いてきたと思います」とは池上監督。後半20分に稲垣が追加点を奪うと、試合はそのまま3-0で終了する。
総理大臣杯の出場を逃した、悔しいアミノバイタルカップを含めて、公式戦では実に7試合ぶりのクリーンシートを達成。勝利の歓喜を引き寄せた90分の中でも、得点も含めて攻守に奮闘した川合の貢献度がキラリと光った。
セレッソ大阪U-18でプレーしていた高校3年時にはチームのキャプテンを任され、日本一に輝いた夏のクラブユース選手権では決勝で2得点を記録し、大会MVPも受賞。周囲からも小さくない期待を寄せられながら明治大の門を叩いたが、昨年までの2年間は決して思い描いていたような時間は過ごせなかった。
「入学当初は『やってやろう』という気持ちが強かったんですけど、明治の強度についていくのがやっとという感じで、あまり自分の特徴の技術の部分を出せなかったですね。Iリーグでは結構出場機会をいただいて、新人戦でもほとんどフル出場はできたんですけど、強度や統率力が足りなくて、トップチームでは出れないという結果になったと思っています」。
1年時は関東大学リーグの2試合でベンチに入ったものの、2年生に進級すると1度もメンバー入りを果たせず。入学時はセンターバックだったポジションも、昨シーズンは1年間を通じてボランチにトライすることになったが、そのコンバートは自身のプレーの幅を広げる意味でも、多分に今に生きているという。「去年はボランチで結構試合にたくさん出させていただいたので、2年の最初と終わりではやれることも変わったかなと思います」。
さらに今シーズンは監督交代を経て、チームのスタイルが少し変化した中で、ビルドアップ能力を評価され、サイドバックも務めることに。第2節の桐蔭横浜大戦で途中出場からリーグデビューを飾ると、その後の2試合はスタメン出場。以降は体調不良もあって欠場を余儀なくされた時期もあったが、第10節の東洋大戦以降はセンターバックでの先発出場が続いており、そのポリバレントさも相まって、確実に存在感を高めていることは間違いない。


C大阪アカデミーで切磋琢磨した“同期”の活躍も大きな刺激になっている。阪南大のFW金本毅騎は昨年の関西学生リーグMVPに輝くと、2026シーズンからのC大阪加入が内定。京都産業大の伊藤翼や末谷誓梧は各種選抜にも選出され、プロの道に進んだ木下慎之輔や春名竜聖も含めて、それぞれがそれぞれの場所でさらなるステップアップを目指している。
「毅騎がセレッソに決まった時は、嬉しいのと同時に悔しい気持ちもありましたし、自分も同じ立ち位置まで行かないといけないなって。みんなが頑張っていることは嬉しいですけど、あの代のキャプテンとしても、同期の中でも先頭に立つような活躍をしたいとは思っています」。
ようやく築きつつある、今いる場所での立ち位置。ただ、決して安心していいような立場ではないことも、十分に理解している。だからこそ、目指すのは圧倒的な存在。チームを代表するような存在だ。抱えている決意が力強く響く。
「多久島と小澤が戻ってきても、ポジションを渡さないことが大事ですし、右サイドバックやボランチも含めて、いろいろなところができるのは自分の武器でもあるので、どのポジションでも自分が一番になって、明治というチームに欠かせない存在になりたいなと思います」。
寡黙にして、大胆。冷静にして、情熱家。心の内に秘めているエネルギーは、想像以上に、熱くて、強い。大学生活3年目にして台頭してきた、桜育ちのハードワーカー。川合陽のさらなる成長は、明治大の後期復権に向けて必要不可欠だ。


(取材・文 土屋雅史)
●第99回関東大学リーグ特集
▶お笑いコンビ・ヤーレンズのサッカー番組がスタート!
3年目でようやく掴み始めたリーグ戦の出場機会。まだまだ不安定な立場であることは、自分が一番よくわかっている。でも、もっと試合に出たい。もっと活躍したい。応援してくれる人たちのために。地道に努力を続けてきた自分のために。そして、この大学で厳しい日常をともに積み重ねている仲間のために。
「今はケガ人の代わりに出ているという悔しい立ち位置ではあるんですけど、彼らが帰ってきてもポジションを取られないように、ここでもっと良いプレーを見せたいですし、まだまだチームを勝たせるセンターバックのプレーとしては不十分なので、もっとチームの中心となれるように頑張らないといけないと思います」。
穏やかな風貌の中に燃え滾る闘志を燃やす、明治大のポリバレントプレーヤー。DF川合陽(3年=C大阪U-18)がチームの無失点に、自らの関東大学リーグ初ゴールも添えて、勝利の一翼を力強く担ってみせた。
「本来は真ん中で使うことはあまりイメージしていなかったんですけど、多久島と小澤というレギュラーのメンバーがケガをした中で、陽は凄くクレバーで、ディフェンスのところも凄く強く行けますし、後ろのカバーリングも上手なので、今の明治の中では森田と陽がセンターバックの中では適任かなという形です」。
今季からチームを率いている池上寿之監督は、その起用の理由をこう明かす。天皇杯の影響による延期分として行われた第9節・東京国際大戦。DF多久島良紀(3年)とDF小澤晴樹(3年)の欠場もあって、明治大のセンターバックコンビにはアミノバイタルカップから引き続いて川合とDF森田翔(4年)が指名される。
立ち上がりはやや東京国際大ペース。「ここ最近の試合で出ていたラインの上げ下げの課題が出てしまって、ちょっと押し込まれる時間帯が増えてしまったのは反省点です」と川合も言及したように、相手の勢いに全体のラインが下がってしまい、明治大はなかなか攻撃の時間を作れない。
だが、徐々にボールを動かしながらゲームリズムを引き寄せると、37分にはDF稲垣篤志(3年)がPKを獲得し、キャプテンのMF島野怜(4年/柏内定)が確実に沈めて先制点をゲット。まずは明治大が1点のリードを奪う。
42分。左サイドで明治大が獲得したCK。キッカーのMF宇水聖凌(3年)が正確に蹴り込んだボールへ、背番号15が勢い良く突っ込んでいく。「全員が入る意識を持って想定通り入れて、ボールも良いところに飛んできて、あとは自分は目の前の相手に勝つだけだったので、練習通りのセットプレーだったかなと思います」。
マーカーに競り勝ちながら、ヘディングで合わせたボールはゴールネットへ弾み込み、噛み締めるようなガッツポーズを繰り出すと、チームメイトも笑顔で駆け寄ってくる。「久々に公式戦で点を獲れたので嬉しかったです」と笑った川合にとっては、入学3年目にして初となる関東大学リーグでの得点。2-0。点差が開く。




後半は相手も前線の顔ぶれを変えて、反撃の態勢を整えるも、明治ディフェンスの安定感は揺るがない。「失点も多いですし、ディフェンスラインが不安定なところはあったんですけど、今日はまとまっていたというか、後半は凄く落ち着いてきたと思います」とは池上監督。後半20分に稲垣が追加点を奪うと、試合はそのまま3-0で終了する。
総理大臣杯の出場を逃した、悔しいアミノバイタルカップを含めて、公式戦では実に7試合ぶりのクリーンシートを達成。勝利の歓喜を引き寄せた90分の中でも、得点も含めて攻守に奮闘した川合の貢献度がキラリと光った。
セレッソ大阪U-18でプレーしていた高校3年時にはチームのキャプテンを任され、日本一に輝いた夏のクラブユース選手権では決勝で2得点を記録し、大会MVPも受賞。周囲からも小さくない期待を寄せられながら明治大の門を叩いたが、昨年までの2年間は決して思い描いていたような時間は過ごせなかった。
「入学当初は『やってやろう』という気持ちが強かったんですけど、明治の強度についていくのがやっとという感じで、あまり自分の特徴の技術の部分を出せなかったですね。Iリーグでは結構出場機会をいただいて、新人戦でもほとんどフル出場はできたんですけど、強度や統率力が足りなくて、トップチームでは出れないという結果になったと思っています」。
1年時は関東大学リーグの2試合でベンチに入ったものの、2年生に進級すると1度もメンバー入りを果たせず。入学時はセンターバックだったポジションも、昨シーズンは1年間を通じてボランチにトライすることになったが、そのコンバートは自身のプレーの幅を広げる意味でも、多分に今に生きているという。「去年はボランチで結構試合にたくさん出させていただいたので、2年の最初と終わりではやれることも変わったかなと思います」。
さらに今シーズンは監督交代を経て、チームのスタイルが少し変化した中で、ビルドアップ能力を評価され、サイドバックも務めることに。第2節の桐蔭横浜大戦で途中出場からリーグデビューを飾ると、その後の2試合はスタメン出場。以降は体調不良もあって欠場を余儀なくされた時期もあったが、第10節の東洋大戦以降はセンターバックでの先発出場が続いており、そのポリバレントさも相まって、確実に存在感を高めていることは間違いない。


C大阪アカデミーで切磋琢磨した“同期”の活躍も大きな刺激になっている。阪南大のFW金本毅騎は昨年の関西学生リーグMVPに輝くと、2026シーズンからのC大阪加入が内定。京都産業大の伊藤翼や末谷誓梧は各種選抜にも選出され、プロの道に進んだ木下慎之輔や春名竜聖も含めて、それぞれがそれぞれの場所でさらなるステップアップを目指している。
「毅騎がセレッソに決まった時は、嬉しいのと同時に悔しい気持ちもありましたし、自分も同じ立ち位置まで行かないといけないなって。みんなが頑張っていることは嬉しいですけど、あの代のキャプテンとしても、同期の中でも先頭に立つような活躍をしたいとは思っています」。
ようやく築きつつある、今いる場所での立ち位置。ただ、決して安心していいような立場ではないことも、十分に理解している。だからこそ、目指すのは圧倒的な存在。チームを代表するような存在だ。抱えている決意が力強く響く。
「多久島と小澤が戻ってきても、ポジションを渡さないことが大事ですし、右サイドバックやボランチも含めて、いろいろなところができるのは自分の武器でもあるので、どのポジションでも自分が一番になって、明治というチームに欠かせない存在になりたいなと思います」。
寡黙にして、大胆。冷静にして、情熱家。心の内に秘めているエネルギーは、想像以上に、熱くて、強い。大学生活3年目にして台頭してきた、桜育ちのハードワーカー。川合陽のさらなる成長は、明治大の後期復権に向けて必要不可欠だ。


(取材・文 土屋雅史)
●第99回関東大学リーグ特集
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