[関東2部]DF入江羚介、順天堂大で“足の遅さ”などを改善して掴んだ神戸内定、決め手は「ヒリヒリ伝わってくるあの雰囲気」
[9.21 関東大学L2部第12節 神奈川大2-2順天堂大 神奈川大学中山キャンパストラック内フィールド]
まさかの退場劇となった。後半アディショナルタイム、カウンターを防ぐためにボールをクリアしようとしたDF入江羚介(3年=帝京高/神戸内定)が振り抜いた左足が、勢いよく走り込んだMF高村桜輝(3年=川崎市立橘高)に入ってしまう。後半39分にも遅延行為でイエローカードを貰っていた入江は、警告2回で退場となった。
試合も2度のリードを守り切れずに2-2で引き分け。巻き返しに向け勢いをつけたかった後期開幕戦だったが、勝ち点1を積み上げるにとどまった。この日はチーム事情もあって本職の左SBではなく、CBで出場。本人もラインコントロールやビルドアップに一定の手ごたえを持つ試合になったが、「あそこ(退場の場面)はちょっと…そこはしっかりと修正したい」と口元を引き締めた。


充実の夏になった。順天堂大学3年生の入江だが、7月25日に27シーズンのヴィッセル神戸加入内定が発表になった。特別指定選手の承認も受けると、8月30日のJ1第28節・横浜FM戦で初のベンチ入り。出場は叶わなかったが、9月3日と7日のルヴァンカップ準々決勝の横浜FC戦に先発出場。チームは勝ち上がることはできなかったが、貴重な経験を積んだ。
「1試合目のアウェーは初戦ということで自分も固かったし、判断ミス、周りとの連携も自分の未熟なところが出た悔しい一戦だった。ただそのあとのホームまでの期間で、やるべきことや求められていることを整理できた。初戦に比べたらいいゲームができたと思うし、自分の良さは攻撃なので数字を残したかったですが、練習したことを少しは出せたのかなと思います」
中学時代はFC東京U-15むさしに所属。FWから左サイドバックに転向したのも中学時代だったが、守備が苦手で、足も遅かったことからユース昇格の声がかかることはなかった。ただ高校で名門・帝京高に進学すると、1年生から主力に抜擢。現在も大学で指導を受ける日比威監督と“二人三脚”で力をつけてきた。
高校卒業時もU-18日本代表に選ばれる実績を持っていた入江には、当然Jクラブも注目していたが、春先に足首の脱臼骨折と三角靭帯断裂に伴う腓骨骨折で長期離脱を余儀なくされたこと、また中学時代から感じていた「足の遅さ」を改善するために、大学進学を選択したという。
そして今夏の世界陸上にも出身選手5人が出場した順大のメソッドが入江を鍛え上げ、数値が大幅に改善した。「実際に数値は大学に来て伸びたし、それも神戸の練習参加で評価されたポイントになりました」。何より「やってきたことが間違いじゃなかった」と自信を掴むことができた。


同世代の選手たちがJリーグで活躍し出していることで、自身も「できるだけ早くレベルの高い環境に身を置いた方がいいのでは」と考えるようになった。特に中学時代のチームメイトだったMF俵積田晃太、DF土肥幹太(いずれもFC東京)、FW熊田直紀(いわき)の動向は逐一チェック。いつも刺激をもらってきたという。
そんな折、いち早く声をかけてくれたのが神戸だった。まさかJ1王者から一番最初に声が掛かるとは思っていなかったが、最終に参加すると想像以上の環境に“ここしかない”という思いを強めたという。「練習参加した時のヒリヒリ伝わってくるあの雰囲気が自分を高めてくれると感じた。自分はまだまだですけど、必死について行くことで自分を高めて、同期を追い越すくらいにやっていきたい」。
思い描く未来像は「左SBのスペシャル」だ。神戸にはDF酒井高徳らこれ以上ないお手本がたくさんいる。「(神戸には)本当に世界を経験した選手がいっぱいいる。でも学ぶことはあるけど、聞くだけじゃなくて自分も経験してみたい思いもある。目標は世界というか、高いところを目指していきたい。自分の根本は負けず嫌い。誰にも負けたくない気持ちがあります」。
今後はしばらく大学リーグに集中。現在2部で9位と苦しい順位にいるが、最終学年の来季を1部で戦うための努力を続けていくつもりだ。ただ可能性として、来年から神戸をメインに活動する選択肢も考えていきたいという。「日比先生も軽くですが4年生の時は行ってこいと言ってくれている。だから少しでも後輩に(レベルの高い環境を)残してあげたいなと思います」。母校への感謝を形に残すことで、自らの可能性も広げる。
(取材・文 児玉幸洋)
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まさかの退場劇となった。後半アディショナルタイム、カウンターを防ぐためにボールをクリアしようとしたDF入江羚介(3年=帝京高/神戸内定)が振り抜いた左足が、勢いよく走り込んだMF高村桜輝(3年=川崎市立橘高)に入ってしまう。後半39分にも遅延行為でイエローカードを貰っていた入江は、警告2回で退場となった。
試合も2度のリードを守り切れずに2-2で引き分け。巻き返しに向け勢いをつけたかった後期開幕戦だったが、勝ち点1を積み上げるにとどまった。この日はチーム事情もあって本職の左SBではなく、CBで出場。本人もラインコントロールやビルドアップに一定の手ごたえを持つ試合になったが、「あそこ(退場の場面)はちょっと…そこはしっかりと修正したい」と口元を引き締めた。


退場処分となった入江
充実の夏になった。順天堂大学3年生の入江だが、7月25日に27シーズンのヴィッセル神戸加入内定が発表になった。特別指定選手の承認も受けると、8月30日のJ1第28節・横浜FM戦で初のベンチ入り。出場は叶わなかったが、9月3日と7日のルヴァンカップ準々決勝の横浜FC戦に先発出場。チームは勝ち上がることはできなかったが、貴重な経験を積んだ。
「1試合目のアウェーは初戦ということで自分も固かったし、判断ミス、周りとの連携も自分の未熟なところが出た悔しい一戦だった。ただそのあとのホームまでの期間で、やるべきことや求められていることを整理できた。初戦に比べたらいいゲームができたと思うし、自分の良さは攻撃なので数字を残したかったですが、練習したことを少しは出せたのかなと思います」
中学時代はFC東京U-15むさしに所属。FWから左サイドバックに転向したのも中学時代だったが、守備が苦手で、足も遅かったことからユース昇格の声がかかることはなかった。ただ高校で名門・帝京高に進学すると、1年生から主力に抜擢。現在も大学で指導を受ける日比威監督と“二人三脚”で力をつけてきた。
高校卒業時もU-18日本代表に選ばれる実績を持っていた入江には、当然Jクラブも注目していたが、春先に足首の脱臼骨折と三角靭帯断裂に伴う腓骨骨折で長期離脱を余儀なくされたこと、また中学時代から感じていた「足の遅さ」を改善するために、大学進学を選択したという。
そして今夏の世界陸上にも出身選手5人が出場した順大のメソッドが入江を鍛え上げ、数値が大幅に改善した。「実際に数値は大学に来て伸びたし、それも神戸の練習参加で評価されたポイントになりました」。何より「やってきたことが間違いじゃなかった」と自信を掴むことができた。


同世代の選手たちがJリーグで活躍し出していることで、自身も「できるだけ早くレベルの高い環境に身を置いた方がいいのでは」と考えるようになった。特に中学時代のチームメイトだったMF俵積田晃太、DF土肥幹太(いずれもFC東京)、FW熊田直紀(いわき)の動向は逐一チェック。いつも刺激をもらってきたという。
そんな折、いち早く声をかけてくれたのが神戸だった。まさかJ1王者から一番最初に声が掛かるとは思っていなかったが、最終に参加すると想像以上の環境に“ここしかない”という思いを強めたという。「練習参加した時のヒリヒリ伝わってくるあの雰囲気が自分を高めてくれると感じた。自分はまだまだですけど、必死について行くことで自分を高めて、同期を追い越すくらいにやっていきたい」。
思い描く未来像は「左SBのスペシャル」だ。神戸にはDF酒井高徳らこれ以上ないお手本がたくさんいる。「(神戸には)本当に世界を経験した選手がいっぱいいる。でも学ぶことはあるけど、聞くだけじゃなくて自分も経験してみたい思いもある。目標は世界というか、高いところを目指していきたい。自分の根本は負けず嫌い。誰にも負けたくない気持ちがあります」。
今後はしばらく大学リーグに集中。現在2部で9位と苦しい順位にいるが、最終学年の来季を1部で戦うための努力を続けていくつもりだ。ただ可能性として、来年から神戸をメインに活動する選択肢も考えていきたいという。「日比先生も軽くですが4年生の時は行ってこいと言ってくれている。だから少しでも後輩に(レベルの高い環境を)残してあげたいなと思います」。母校への感謝を形に残すことで、自らの可能性も広げる。
(取材・文 児玉幸洋)
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