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久保建英は48分間プレー! ミドル2発で国立沸かせたソシエダ、若手奮闘の東京Vに勝利

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ドリブルで仕掛けるMF久保建英

[5.29 国際親善試合 ソシエダ 2-0 東京V 国立]

 日本ツアーで来日中のソシエダが29日、国立競技場で東京ヴェルディと対戦し、2-0で勝利した。初めて国立のピッチに立ったMF久保建英は右ウイングで後半3分までプレー。東京VはJ1リーグ戦主力の大半が欠場する中、普段は出場機会の少ない若手選手たちがスペインの強豪相手に奮闘を見せた。

 ソシエダは4-3-3のシステム。GKはウナイ・マレーロが務め、4バックは左からDFジョン・アランブル、DFジョン・パチェコ、DFアリツ・エルストンド、DFアルバロ・オドリオソラが並んだ。アンカーは育成組織出身のMFウルコ・ゴンサレス・デ・サラテが入り、インサイドハーフは左にMFジョン・アンデル・オラサガスティ、右にMFブライス・メンデス。ウイングは左がFWジョン・バルダ、右が久保で、1トップはFWブライアン・フィアベマが務めた。

 一方の東京Vは3-4-2-1のシステム。GKは長沢祐弥が起用され、3バックは左からDF平智広、DF山田裕翔、DF山越康平が並ぶ。ウイングバックは左が東洋大在学中のMF新井悠太で、右がDF深澤大輝。ダブルボランチはMF山本丈偉とMF食野壮磨が組み、シャドーは左がFW永井颯太で右がFW山見大登、1トップはFW山田剛綺が入った。

 試合は久保が「自分たちのスタイルを見てほしい」と話していたとおり、ソシエダが徹底的にビルドアップを試み、マンツーマン気味にプレッシングをかける東京Vをいなす。前半8分には右サイドからチャンスメーク。久保がオドリオソラに絶妙なワンツーのスルーパスを送ったが、攻撃が完結するには至らなかった。

 なおも攻めるソシエダは前半15分、久保がデ・サラテとのパス交換から再び攻撃を前に進め、オドリオソラのフィニッシュがGK長沢の正面。同18分には東京Vがカウンターを仕掛けたが、急いで戻ったデ・サラテに難なく対応された。直後には久保が鋭いカットインから横パスを送り、オラサガスティがシュートを放ったが、長沢の好セーブに阻まれ、エルストンドのミドルシュートも右ポストに弾かれた。

 その後はやや落ち着いた展開となった中、前半30分に久保がB・メンデスとのパス交換からペナルティエリア内に侵入。シュートの選択肢もあった中、折り返しのパスを選択したが、フィアベマには通らなかった。同33分、東京Vは17歳の山本が相手のビルドアップを奪い、永井につなぐと、最後は新井がカットインシュートを狙ったが、枠を外れた。

 徐々に勢いを見せる東京Vは前半37分、山見がドリブルで敵陣を襲うも、パチェコにファウルで止められると、38分には山越のロングフィードに山見が抜け出したが、飛び出したGKマレーロに阻まれた。同41分、久保が右サイドでパスを受け、対面の相手を股抜きでかわしたが、シュートは正面に飛んだ。

 そうして迎えた前半45分、ソシエダが試合を動かした。落ち着いたビルドアップからアランブルが内側を取り、外に抜けたバルダがゴール前にクロスを送ると、山越のクリアがデ・サラテの足元へ。ミドルレンジから右足を振り抜くと、鋭く飛んだシュートがGK長沢の手を弾いてゴールに入った。

 デ・サラテは久保が現地メディアで日本ツアーの注目選手に挙げ、前日28日の日本メディア向け取材対応でも「特に真ん中の選手に注目してほしい」と話していた育成組織出身の選手。そのまま前半終了を迎えると、久保はハーフタイムインタビューでも「僕イチオシのウルコ選手のゴールが決まってよかった」と喜びを口にしていた。

 ハーフタイム明け、ソシエダは選手交代を行わなかったが、東京Vは2人を交代。山田と永井に代わってMF古川真人とMF熊取谷一星が入った。熊取谷は明治大在学中の特別指定選手で、これが東京Vでの実戦デビュー。開始1分、熊取谷は高い位置で早速チャンスメーク。新井がエリア内に潜り込むと、折り返しのパスから食野がシュートをはなったが、これはGK長沢の正面に飛んだ。

 ソシエダは後半3分、久保がFWミケル・ゴティ・ロペスに代わって途中交代。注目選手の交代に場内ではまばらな拍手の中、絶妙なムードが漂っていた。その後は東京Vが次々にチャンスを創出。同11分、熊取谷がデ・サラテをかわして左サイドをドリブルで駆け上がり、折り返しのパスから古川が右足で狙ったが、惜しくも左に外れる。同12分にも美しいパス交換から山見が裏に抜けるも、わずかにオフサイドとなった。

 ソシエダは後半15分、エルストンドとデ・サラテに代わって18歳のDFジョン・マルティンと20歳のMFパブロ・マリンを投入。オラサガスティがアンカーに下がり、マリンはインサイドハーフに入った。一方の東京Vも新井に代わってDF袴田裕太郎を投入。同20分には山本と山見に代わってFW木村勇大とFW河村慶人が入った。

 東京Vは直後、木村がハイプレスでボールを奪い、河村がエリア内で拾ったが、シュートにはつなげられない。一方のソシエダは同24分、オドリオソラ、B・メンデス、フィアベマ、オラサガスティが下がり、DFアマリ・トラオレ、MFアルセン・ザハリャン、MFベニャト・トゥリエンテス、FWシェラルド・ベッカーが入った。

 それでも東京Vの勢いは止まらず、木村がフィジカルを活かして起点を作ると、後半30分には河村のクロスに山田裕が合わせたが、GKマレーロに阻まれる。同33分にはソシエダが再び選手交代を行い、GKマレーロとバルダに代わってGKアイトール・フラガとMFアンデル・バレネチェアを投入。これで来日した20人全員がピッチに立った。

 東京Vは後半37分、高い位置でのボール奪取から河村がシュートを狙うも、右ポストに弾かれる。同38分にはDF河村匠に加え、東京Vユース在籍中のFW川村楽人とFW仲山獅恩、同41分にはGK佐藤久弥が起用され、東京Vもベンチ入り全員がピッチに立った。そうして迎えた後半アディショナルタイム1分、ソシエダはザハリャンがベッカーとのワンツーからミドルシュートを突き刺し、勝負あり。2-0で勝利した。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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