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ソシエダ46歳新監督はX・アロンソに続く「サンセ」2部再昇格の立役者…久保建英のW杯イヤー初陣は若き力の躍動にも注目

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セルジオ・フランシスコ新監督

 MF久保建英所属のソシエダは21日、日本ツアーの初戦でV・ファーレン長崎と対戦する。2019-20年のコパ・デル・レイ制覇や23-24年の10年ぶり欧州CL出場など一時代を築いたイマノル・アルグアシル前監督が昨季限りで退任し、46歳のセルヒオ・フランシスコ新監督が率いる約1週間の短期キャンプ。久保のW杯イヤー初陣に注目が集まるなか、日本ツアーには新指揮官が昨季まで率いた「サンセ」(Bチーム)出身選手が多数招集されており、若き力の躍動も楽しみな一戦となりそうだ。

 ソシエダは今月7日にスペインで2025-26シーズンのチーム活動をスタートし、現在は8月中旬のラ・リーガ開幕に向けてプレシーズンの折り返しに差し掛かろうとしているタイミング。6月の日本代表活動に参加した久保は負荷を考慮され、スペインで活動するチームには帯同していなかったが、20日の日本ツアー初日から合流し、21日の長崎戦、25日の横浜FC戦に向けた準備をスタートした。

 久保は日本でのオフ中も個人トレーニングや古巣・FC東京での練習参加を繰り返していたようで、合流初日から6対6+フリーマン1人のミニゲームを含めたフルメニューに参加するなど、すでに一定水準のコンディションが整っている様子。フランシスコ監督は20日の練習前、久保の起用プランについて「まだ状態もわからないのでこれから状態を知っていければ」とコンディションに配慮する姿勢は見せながらも、「もし彼がプレーできるようだったらしっかりと起用していきたい」と前向きに話しており、長崎戦は合流2日目ながらピッチに立つ可能性が高そうだ。

日本ツアーで新たに合流したMF久保建英

久々の再会とあり、多くのチームメート(写真はFWシェラルド・ベッカー)と積極的にコミュニケーションを取っていた

 一方、今回の日本ツアーは久保と同じく6月の代表活動に参加していた10番キャプテンのFWミケル・オヤルサバル、守護神のGKアレックス・レミロ、クロアチア代表MFルカ・スチッチ、ベネズエラ代表DFジョン・アランブルがコンディション調整のため参加を回避。加えて昨季の大黒柱を担ったMFマルティン・スビメンディがアーセナル移籍で故郷を離れ、期限付き移籍で守備の要を担ったDFナイフ・アゲルドも契約延長には至らず、昨季の中心メンバーの半分を欠く状況となっている。

 もちろん久保の他、MFブライス・メンデス、MFセルヒオ・ゴメス、FWアンデル・バレネチェア、DFイゴール・スベルディア、DFハビ・ロペスといった昨季の主力選手はは健在。長期離脱明けで復活が期待されるDFアマリ・トラオレも来日している。だが、ここまでは目立った補強もないなか、新シーズンに向けて戦力低下が叫ばれているのが現状だ。


 もっともそのなかで楽しみなのが、クラブの未来を担っていく若手選手たちの台頭である。

 フランシスコ監督は2017年夏から22年夏にソシエダCを率い、22年夏からはシャビ・アロンソ氏(現R・マドリー監督)に代わってソシエダBを率いた育成畑の指導者。昨季はソシエダBで昇格プレーオフを制し、X・アロンソ体制下以来4シーズンぶりのラ・リーガ2部再昇格に導く偉業を成し遂げるなど、選手を成長させながら結果を出す手腕に評価が高まっている。この日本ツアーでもその一端が見られそうだ。

セルジオ・フランシスコ新監督。練習中に熱い指示を出していた

 今回の招集メンバーでは19歳のDFジョン・マルティン、23歳のMFベニャト・トゥリエンテス、22歳のMFパブロ・マリン、20歳のFWオーリ・オスカールソンが昨季のトップチームでも一定の出場機会を得ており、今季の有力な主力台頭候補だ。


 なかでも2023年のU-17W杯スペイン代表優勝メンバーのJ・マルティンは配球力、対人守備力、広いカバーエリアを兼ね備えるCB。今夏のU-19欧州選手権でもバルセロナのDFアンドレス・クエンカとともにU-19スペイン代表の主力CBを任されており、U-17W杯でCBコンビを組んだDFパウ・クバルシ(バルセロナ)の後を追う形で今後数年での世界的プレーヤーへの仲間入りが期待されている。

DFジョン・マルティンは昨季の日本ツアーに比べ、上半身が一回り大きくなった印象だ

 またアイスランド出身のオスカールソン以外の3人はいずれも「サンセ」出身の選手である点も注目だ。15年間にわたって所属した地元出身のスビメンディが昨季限りでクラブを離れたなか、28歳にしてすでにレジェンド級の存在となったオヤルサバルや、堂々の主力に定着したバレネチェアに続く地元産のスター選手が出てくることに大きな期待がされている。

 その候補の一人がスビメンディと同じ中盤の底を主戦場とする24歳のMFウルコ・ゴンサレス・デ・サラテだ。昨夏の日本ツアーでは久保が「特に注目してもらいたい」と話したことで注目を浴び、実際に東京V相手にゴールも決めた189cmの長身選手。昨季はスビメンディが年間通して鬼気迫るフル稼働を見せたためトップチームでの出場機会は限られたが、後半戦はエスパニョールへの期限付き移籍でラ・リーガ17試合に出場し、一回りたくましくなった姿でソシエダに帰ってきており、さらなる成長の跡が見られそうだ。


 さらに昨季の期限付き移籍組では、1部昇格プレーオフ決勝に進出した2部のミランデスで驚異のリーグ戦全42試合、プレーオフ全4試合出場を果たした23歳のMFジョン・ゴロチャテギも今季から復帰。同じくプレーオフ進出を果たしたラシンで主にジョーカー起用を担い、8ゴール4アシストを残した22歳のFWジョン・カリカブルも来日しており、アピールに燃える姿を目の当たりにできるはずだ。



 昨季のサンセ在籍組ではトップチーム経験者も複数いる。左利きウインガーの20歳FWアルカイツ・マリエスクレーナは昨季ラ・リーガ終盤戦で立て続けに出場機会を獲得し、9試合2得点を挙げた覚醒間近の新星。また推進力溢れる左利きドリブラーの19歳のFWダニ・ディアスは昨季のラ・リーガデビューを経て、今夏はU-19スペイン代表としてU-19欧州選手権決勝進出に貢献しており、勢いに乗った状態で日本ツアーに乗り込んできた。



 21歳のCBルケン・ベイティアも昨季ラ・リーガデビューを果たした期待のCB。さらにラ・リーガ経験がない選手にも昨季のソシエダBで10番を託され、13得点6アシストの結果を残した185cm長身アタッカーの23歳MFミケル・ゴティを始め、ボランチの23歳MFミケル・ロドリゲス、22歳のGKアイトール・フラガらフランシスコ監督の“秘蔵っ子”が数多く来日しており、躍動する姿に期待が集まる。


MFミケル・ゴティ

MFミケル・ロドリゲス


 こうした若手選手の存在は、育成力を売りにするクラブの欠かせない財産。フランシスコ監督も前日練習前の取材対応で、サンセの躍進について「昨季は優勝には及ばなかったが、しっかりと昇格を果たすことができ、そのメンバーにも今回のジャパンツアーに帯同してもらった。彼らが今季、来季のところでしっかり戦力になってくれる選手だと期待してジャパンツアーに来てもらった。サンセの選手にも期待している」と太鼓判を押す。

 また11歳の頃からソシエダ一筋の28歳スベルディアもこの日の取材で「セカンドチームからトップチームにたくさんの選手が上がってくるのは本当にいいことだし、その一人が私でもある。こういった選手がこれからも増えていければと思う。それほどの育成力を持つのがレアル・ソシエダだと思う」とクラブ理念を強調。自身としても「昨季はケガにも苦しんだが、また引き続き頑張りたい」と奮起に燃えており、クラブの歴史を結集して難しい1年に向き合っていく構えだ。

久保について「後ろから見ていて、シンプルにとても活躍してくれている」とも語ったスベルディア

 そうして迎える日本ツアー初陣。20日は試合前日にもかかわらず、なおかつ蒸し暑い気候のなかで約1時間にもわたる濃密なトレーニングを行い、自らもコーチに任せず積極的に熱く指示を出していたフランシスコ監督は「約30人の選手でチームの編成をしているなか、みんなで共通理解を持ってしっかりとプレーできれば」と幅広い選手を起用することを示唆しながら力強く意気込んだ。


(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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