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FW塩貝健人が「ロールモデル」。高校選抜選考合宿で3戦2発のFWオノノジュ慶吏(前橋育英)は慶大の“先輩”のような道を歩む

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日本高校選抜候補FWオノノジュ慶吏(前橋育英高/3年=FC東京U-15むさし出身)は交代出場で1ゴール

[1.28 練習試合 日本高校選抜候補 4-0 U-17日本高校選抜候補]

 FWオノノジュ慶吏(前橋育英高/3年=FC東京U-15むさし出身)が、26日の駒澤大戦に続くゴール。2本目8分に右SHとして途中出場すると19分、敵陣での奪い返しから左中間のFW佐藤耕太(前橋育英高/3年)のパスが逆サイドのオノノジュへ通る。

「さとこう(佐藤)が、ペナルティエリアで持ってちょっと行き詰まって、自分のところがフリーだったので呼んで、最初、ワンタッチで左足で打とうとしたんですけど、(左側から)DFが来ていたからターンして打ちました」とオノノジュ。DFと競りながら左足でコントロールすると、そのままターンして対角の右足シュートをファーサイドへ決めた。

 これまではターンする際にミスすることもあったというが、見事なゴール。「何かDF来るのも分かったし、冷静にプレーできました」。選手権で一際輝いたストライカーが日本高校選抜選考合宿でも結果を残した。

 プレミアリーグEAST得点王のオノノジュは、選手権でも準々決勝まで出場した3試合で計4ゴール。準決勝でも2アシストを記録し、日本一に大きく貢献した。だが、今回の日本高校選抜選考合宿ではSHでの出場が続き、「FWで選ばれてゴールをたくさん取るっていうところが自分の求めてるところなんで、まずそれをやりたいです」という思いもある。それでも、将来のことも考え、複数のポジションでの出場には前向きだ。

 オノノジュにとって「ロールモデル」になっているのが、FW塩貝健人(NECナイメヘン)だ。塩貝は3年前の選手権で圧倒的なパフォーマンス。その後、日本高校選抜でデュッセルドルフ国際ユース得点王など強烈なインパクトを残すと、オノノジュの進路の慶應義塾大でも1年生からエースとして関東3部リーグ得点王(15得点)、新人賞、ベストイレブンを獲得した。年代別日本代表でも活躍した塩貝は、大学1年時の冬に横浜FM内定、さらに2年時にNECナイメヘンへ加入した。

 オノノジュは慶大受験時に塩貝とLINEで繋がり、準備についてサポートしてもらったという縁がある。まだサッカーについて話したことはないというが、「FWとしての役割っていうか、どんなことを意識してんのか、どうやってゴールたくさん決めてんのかっていうのはやっぱ聞きたいです。自分もそういう風にちゃんとステップアップしてったらいいなっていう、俺の『ロールモデル』っていうか……」。塩貝のように、選手権、高校選抜、慶大で活躍し、プロへ駆け上がっていきたいという思いを持っている。

 選手権優勝の反響は大きく、「地元とかも、ちょっと歩いただけで『おめでとう』って言われます。自分、髪型も目立つので」。だが、満足はしていない。「やっぱ優勝したっていうのも見られる要素の1つだし、結構見られてるなっていうのは感じるんですけど、逆に見られてるからこそ、『もっとやんなきゃダメ』っていうところもあるし、優勝したからって言って満足してるようじゃ多分、このまま成長していけないと思っています。だから、自分的には優勝はしたけど、もう1回フラットな状態にして、ほんとにチャレンジャー精神でこのまま努力を続けて、大学生では1年目から試合に出て、塩貝選手みたいにゴールをたくさん決める選手になりたい」。これから特に、「頼もしさ」をスケールアップさせる。

「まだ『頼もしさ』っていうところが自分には足りないと思っています。『ここで決めてほしい』っていう時に決めれる時もあるんですけど、まだ全然チームの勝利に繋がってないなっていう時も多いんで、ほんとに自分が勝たせるっていう気持ちでやって、チームを勝たせられるっていうところをもっと意識して(自分自身を)成長させたいです」。選手権日本一のエースストライカーが“先輩”を目標に、まだまだ飛躍を遂げる。

(取材・文 吉田太郎) 


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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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