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[東京都CY U-17選手権]“街クラブの雄”三菱養和SCユースが3位に。PK戦で東京Vユースを撃破

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三菱養和SCユースがPK戦の末、東京ヴェルディユースを撃破

[2.24 東京都クラブユースU-17選手権3位決定戦 東京Vユース 1-1(PK2-4)三菱養和SCユース 西が丘]
 
 東京都クラブユースサッカーU-17選手権3位決定戦が24日に行われ、三菱養和SCユースが1-1(PK4-2)で東京ヴェルディユースに勝った。

“街クラブの雄”こと三菱養和が、名門・東京Vに勝利。三菱養和の中盤で存在感を放ったMF倉持譲太郎主将(2年)は、「(優勝は叶わなかったが、)3決、相手もヴェルディで3年連続だったので、『絶対勝とう』っていう話をしていました。前半、自分たちのペースでできたんですけど、後半ずっと攻められっぱなしで、それをどう打開できるかっていうのが今後の課題で出たんですけど、勝負強さっていうか、自分たちにはそれがなかったので、最後PKで上手く勝てて良かったと思います」と微笑んだ。

 東京Vは今年、プレミアリーグEASTに復帰。この日の先発はGK林亮太(1年)、DF山田将弘(2年、24年U-16日本代表)、渡邉春来(1年、24年U-16日本代表)、中村宗士朗(2年)、MF下吉洸平(1年)、寺村智晴(2年)、草間信(1年)、仲山獅恩(2年、24年U-17日本代表)、今井健人(2年、24年U-17日本代表)、FW広瀬怜音(1年)が務めた。

クラブユースの名門、東京Vユース

 一方の三菱養和はプリンスリーグ関東2部に所属。この日はGKスタチオーリ・レオナルド(2年)、DF須田耀介(1年)、渡邉龍蕉(2年)、高橋大稀(2年)、畠山晃(2年)、MF今井颯大(2年)、倉持、菊池開天(2年)、外山凌大(1年)、佐伯凌世(2年)、FW齋藤凪(2年)が先発した。

“街クラブの雄”こと三菱養和SCユース

 前半は増子亘彦監督が「立ち上がりから積極的に行こうっていう話をして、前半45分間、狙い通りに守備から攻撃のようなことがやれたのかなと思います」と振り返ったように、三菱養和が前からの守備やともに無理の効く今井、倉持の奪い返しからリズムを作る。

 そして、倉持の展開から右のSH菊池がアグレッシブな仕掛けを連発。突破から齋藤へのクロスや、シュートへ持ち込んでいく。正確なキックとロングスローを見せるSB須田も含めて右サイドからチャンスの数を増やしていた。一方の東京VはDFラインから丁寧にボールを動かし、草間の左足キックや今井のドリブルなどを交えた攻撃。今井は攻撃の組み立てに加え、ゴール前のシーンにも幾度も係わろうとしていた。だが、仲山のドリブルシュートをブロックされるなど、三菱養和の堅い守りの前に決定打を放つことができない。

MF倉持譲太郎は三菱養和の中盤で存在感

東京Vの24年U-17日本代表MF今井健人は攻撃力を発揮したと同時に球際での強さも

 前半37分、三菱養和はセットプレーの流れから須田の右クロスを中央のCB渡邉が合わせる。だが、東京VのGK林が至近距離からのシュートをストップ。それでも41分、三菱養和は須田のライナー性の左ロングスローのこぼれを外山が左足で右隅に決め、先制点を挙げた。

前半41分、三菱養和MF外山凌大が左足で先制ゴール

1年生MFが均衡を破った

 三菱養和は後半、渡邉と菊池に代えて左SB粟屋拓洋(1年)とFW加藤雄大(1年)を投入。多くの選手に経験をさせるため、その後もMF江口慧太(1年)やMF城内檀(1年)、FW吉田翔馬(1年)をピッチへ送り出した。

 後半は一転、東京Vペースとなった。切り替えの速い守備によって相手を前進させず、圧倒的にボールを保持。連続攻撃でプレッシャーをかけた。後半はエースMF仲山の存在感が向上。キープ、動き出しで違いを生み出したほか、下吉がコンビネーションからハイサイドへ攻め上がるなど相手ゴールを脅かしていく。

 18分には仲山が自ら獲得したPKを右足で狙うが、三菱養和GKスタチオーリが左へ跳んでストップ。三菱養和はその後も佐伯らが献身的に走っていたほか、後方ではCB高橋や左SB、CBを務めた畠山が踏ん張り、1点リードを守り続ける。

後半36分、東京VのエースMF仲山獅恩の右足PKを三菱養和GKスタチオーリ・レオナルドがストップ

 一方、MF千葉大輔(1年)やDF中山太輝(1年)、MF若月蓮(中3)、DF伊東晋平(2年)を投入した東京Vは36分、こぼれ球に反応した今井の右足シュートが枠を捉えるが、三菱養和GKスタチオーリが左手一本でビッグセーブ。右ポストを叩いた跳ね返りを若月が狙うも、GKスタチオーリが距離を詰めて得点を許さない。

 それでも39分、東京Vが同点に追いつく。右サイドでのワンツーから千葉が左足シュート。最後はこぼれを若月が左足でゴールへ押し込んだ。互いに次の1点を目指して攻め合う中、三菱養和は43分、右クロスから交代出場のFW加藤がクロスバー直撃の豪快なヘッド。東京Vも終了間際に草間が決定的な左足シュート放ったものの、スコアは動かず、1-1で後半終了となった。

後半39分、東京Vの中学生MF若月蓮が同点ゴール

後半43分、三菱養和FW加藤雄大のヘッドはクロスバーをヒット

 延長戦は行われず、即PK戦に突入。三菱養和の増子監督は「(これまで)セットプレーとか弱くて、今年はもう地道にやっていこうよって言って、結構セットプレー、CKもそうだし、PKとかもちょっと練習していました」という。その成果も出て、GKスタチオーリが相手の2人目と4人目をストップ。また、三菱養和は1人目の須田から畠山、外山が冷静にネットを揺らすと、最後は高橋が右足で決めて決着をつけた。

PK戦で三菱養和GKスタチオーリ・レオナルドが2本をストップ

三菱養和がプレミア勢撃破

 三菱養和の倉持は「『養和って、昔は強いチームだったよね』って周りの方からよく聞いていて、一応11年前、2014年は(日本クラブユース選手権で)優勝してるんですけど、『それぐらいはもう全然強いんだぞ』っていうのをやっぱ示したいですし、あとは(街)クラブチームの中では結構強い方だと思うので、Jを倒せる唯一のチームだと僕たちは信じてやっています」。Jクラブの強豪から自信となる1勝。倉持が「(今年は)90分戦えるチームですし、技術的に相手を上回っていけるようなチームかなと思います」という三菱養和がこの日のように勝負強さも発揮し、プリンスリーグ関東1部昇格や日本クラブユース選手権での躍進を果たす。

(取材・文 吉田太郎) 
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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