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プレミアEAST優勝、ファイナル進出の鹿島ユースがFW吉田2発などで2位・青森山田を3発撃破。トップのJ1制覇も刺激に3冠挑戦

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すでに優勝を決めていた鹿島アントラーズユースが3-1で勝利。ホームのサポーターたちの前でファイナル制覇を誓った

[12.6 プレミアリーグEAST第21節 鹿島ユース 3-1 青森山田高 鹿島アントラーズ クラブハウスグラウンド]

 トップチームのJ1制覇も刺激に、鹿島ユースが3冠達成を目指す。高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2025 EASTは6日、第21節1日目を行い、すでに優勝を決めている鹿島アントラーズユース(茨城)と2位・青森山田高(青森)が対戦。ホームの鹿島ユースが3-1で勝った。

 鹿島ユースは第8節から第19節まで10勝2分という快進撃。第19節時点で3試合を残して3度目の優勝を決めた。11月23日の優勝決定後、初となるホーム戦の先発はGK大下幸誠(1年/U-16日本代表)、DF朝比奈叶和(3年)、元砂晏翔仁ウデンバ(2年/U-17日本代表)、倉橋幸暉(1年/U-17日本代表)、MF大貫琉偉(2年/U-17日本代表)、平島大悟(2年/U-17日本代表)、中川天蒼(3年)、岩土そら(1年/U-16日本代表)、福岡勇和(2年)、ゲーム主将のFW高木輝人(3年)、吉田湊海(2年/U-17日本代表)の11人。トップチーム昇格のU-18日本代表DF大川佑梧主将(3年)は肩の怪我の大事をとってベンチ外だった。

鹿島ユースは23日に優勝を決めた後、初のホーム戦

 一方の青森山田は後半戦、6勝1分2敗と巻き返して2位。優勝チームからの白星を目指してアウェー戦に臨んだ。前節に退場したGK松田駿主将(3年/岡山内定)に代わり、GK佐竹虹輝(3年)がプレミアリーグ初出場。累積警告や怪我、体調不良で主軸を欠くチームは、DF福井史弥(3年)、ゲーム主将の月舘汰壱アブーバクル(3年/U-18日本代表)、島津亮太(3年)、林斗愛(3年)、MF小山田蓮(3年)、藤原栄之郎(3年)、小澤丈(2年)、FW深瀬幹太(3年)、桑原唯斗(3年)、斉藤雅人(2年)が先発した。

青森山田は出場停止や怪我などで主軸を欠く中でのアウェー戦

 立ち上がり、ファーストプレーから鹿島ユースが圧力をかける。青森山田の処理がもたついたところを見逃さず、連続で背後を狙うと高木が右中間でFKを獲得。これを中川が直接左足で狙い、ゴールマウスにヒットさせた。

ゲーム主将のFW高木輝人は前線で泥臭くチームを牽引

 前半のシュート数は9-3と鹿島ユースが大きく上回る展開に。青森山田も6分、小澤の奪い返しから小山田が右サイドを突破。ラストパスに深瀬が飛び込む。また、直後の右CKから月舘が右足シュートを放つが、鹿島ユースはいずれもCB倉橋が阻止。青森山田は斉藤雅がドリブルから左足ミドルを放つシーンもあったものの、前半は鹿島ユースの迫力のある攻守を受けてしまう展開になった。

 鹿島ユースは17分に平島の左クロスから高木がクロスバー直撃の左足シュートを放つ。さらに21分には大貫の強烈な右足ミドルがゴールを脅かす。そして27分、大貫の左CKに吉田が飛び込むと、クリアをファーサイドの倉橋が頭で折り返す。これをゴール前の吉田が収め、わずかに空いたコースへ右足で流し込み、先制した。

前半27分、鹿島ユースFW吉田湊海(40番)が右足で先制ゴール

U-17W杯後の初戦でエース決めた

この試合は2ゴールを決めるなど全3得点に係わる活躍

 鹿島ユースは先制直後にも吉田と平島のパス交換で中央突破。最後は吉田のスルーパスに高木が反応するが、青森山田DF林が身体を投げ出してブロックする。直後にも左CKから吉田が決定的なシュート。だが、青森山田GK佐竹が足でストップした。

 鹿島ユースは前から圧力を掛け続け、セカンドボールを大貫、福岡のダブルボランチが回収。相手に攻撃機会をほとんど与えなかった。そして、吉田の1タッチパスなどを交えて前進。平島や大貫のスペースへの動きなども交えて押し込み、朝比奈や中川、岩土のクロスからチャンスを迎える。青森山田はGK佐竹の好セーブや林、島津のカバーリングなどで凌ぐが、ズルズルと押し込まれ、苦しいクリアを拾われてまた攻められてしまっていた。

青森山田はプレミア初出場のGK佐竹虹輝の奮闘が光った

青森山田DF林斗愛(左)が相手の突破を阻む

 青森山田は前半43分に福井のフィードを深瀬が落とし、桑原が強引に右足を振り抜くも、わずかにゴール右。その青森山田は後半開始から小山田、桑原をMF杉山大起(3年)、FW井上愼太(3年)と入れ替えた。その交代出場の2人が泥臭く戦ったほか、ロングボールのこぼれ球に対して人数をかけた守備。良い流れで後半に入った。

 11分には左ロングスローの流れから藤原の右足シュートが枠を捉える。これは鹿島ユースGK大下に阻まれたものの、ロングスローやCKの本数を増やして反撃。17分には杉山が右サイドからドリブルで仕掛け、最後は強引に右足を振り抜いた。

 鹿島ユースは元砂と倉橋を中心に跳ね返すなど決定打を打たせない。それでも、青森山田は21分、右ロングスローの流れからクリアを拾った斉藤雅がドリブルで中央突破を試みる。そして、こぼれを井上がPAへループパス。これに藤原が競り、背後へ飛び出した福井が右足でゴールへ押し込んだ。

CB元砂晏翔仁ウデンバもU-17W杯後初の公式戦。青森山田の攻撃を跳ね返した

後半21分、青森山田DF福井史弥が右足で同点ゴール

苦しい前半から後半に流れを変え、追いついた

 青森山田が自力を見せて同点。だが、鹿島ユースがすぐに突き放す。高木の左足シュートは相手CB月舘がブロック。だが、直後のCKの流れから大貫が左サイドでFKを獲得する。これを中川が左足で入れると、中央の吉田が戻りながらのヘッドを左隅に決めた。

鹿島ユースは後半24分、FW吉田湊海がヘディング弾を決めて2-1

ジュニアの後輩たちの前でゴールパフォーマンス

 鹿島ユースは26分に中川とFW長疾風(3年)を交代。その直後、吉田が中盤右サイドでボールを収め、前方のスペースへボールを入れる。すると、長が一気にゴールライン際まで切れ込んでマイナスのラストパス。これを大貫が右足ダイレクトで決め、3-1とした。

後半26分、鹿島ユースMF大貫琉偉が決めて3-1

喜びを爆発させる

 畳み掛ける鹿島ユースは平島、大貫のラストパスから吉田が連続シュート。青森山田は島津や月舘がブロックし、元砂の決定的なヘッドもゴールカバーした月舘がかき出した。青森山田は34分に林とMF今田匠(3年)を交代。粘り強く戦うが、高木が「泥臭く自分たちは走るとところが武器だと思っている」という鹿島ユースは隙を見せない。

鹿島ユースはU-17W杯メンバーのMF平島大悟らが献身的な守備

鹿島ユースは41分に吉田とFW正木裕翔(3年)、45分には平島と高木をMF佐藤湧斗(3年)、FW石渡智也(1年)と交代した。青森山田はカウンターから斉藤雅が大きく前進するシーンや、45+1分に投入されたMF齋藤凌(3年)が思い切り良く右足ミドルを放つシーンがあったものの、無得点。鹿島ユースがホーム最終戦を白星で飾った。

青森山田は2年生MF斉藤雅人がカウンター攻撃の中心に

鹿島ユースがホーム最終戦を白星で飾った

 鹿島ユースは試合直後、ピッチ上でサポーターとともに優勝セレモニー。その後、トップチーム昇格の大川やすでにJ1でベンチ入りしている吉田と元砂はすぐに近隣のメルカリスタジアムで開催されたJ1最終節、鹿島対横浜FMへ移動してトップチームのJ1優勝セレモニーにも参加した。他の鹿島ユースの選手たちもトップチームの応援のため足早に会場から移動。ゲーム主将の高木はその移動前に「(トップチームから)刺激をもらっていますし、自分たちも(リーグ戦での日本一を)頑張って取ろうと思っています」と語っていた。

 鹿島ユースは14日のプレミアリーグEAST最終節を挟み、21日には同WEST優勝チームとプレミアリーグファイナル(埼玉)を戦う。勝てば、日本クラブユース選手権(U-18)大会、Jユースカップに続く3冠達成の快挙。高木は「3冠まで取れているのは(自分たちの)クラブでも、他のチームでもないと思うので、そこは全員でこだわって、練習から意識を高く持ってやっていきたい」と誓った。トップチームのJ1制覇も刺激に21日、埼玉スタジアム2002で新たな歴史を刻む。

試合後に優勝セレモニー。MF福岡勇和が中心になってチーム全員でファイナル進出を喜ぶ

(取材・文 吉田太郎)


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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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