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[MOM5330]神戸U-18MF濱崎健斗(3年)_仲間、サポーターのために。レフティエースが劇的過ぎる2発でプレミアWEST優勝へ導く!

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後半45+11分、ヴィッセル神戸U-18MF濱崎健斗(3年=ヴィッセル神戸U-15出身)が左足で決勝ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.7 プレミアリーグWEST第21節 神戸U-18 2-1 鳥栖U-18 いぶきの森球技場]

「こんないい日は次、いつ来るか分からないですけど、ここで過信せず次に繋ぎたいと思います」。U-18世代を代表するレフティが後半45+5分と同45+11分に“スペシャル”な連続ゴールを決め、ヴィッセル神戸U-18とサポーターたちに最高の瞬間をもたらした。

 0-1の後半45+5分、MF濱崎健斗(3年=ヴィッセル神戸U-15出身)が首位陥落の危機を救う起死回生の同点ゴール。MF瀬口大翔(3年)が左サイドを突破すると、濱崎はゴール前でこぼれ球を拾う。そして、右へのドリブルでわずかにシュートコースを作り出し、DFの股間へ右足シュートを流し込んだ。

 勝ち点2差の2位・鳥栖U-18に敗れれば、1試合を残して首位陥落という状況だった。その中で決めた渾身の一撃。「自分はこの試合結構チャンスあって、結構外しちゃって、でも自分は最後までまだチャンスがあると信じてたんで、ボールがこぼれた時にもう気持ちで押し込んだ感じです」。瞬間的にファーサイドへ蹴ることも考えたというが、冷静にDFの「股下が空くかな」と判断。そこへ正確な一撃を流し込んだ。

 濱崎はサポーターの陣取るピッチサイドへ向かって走り出すと、チームメイトや応援してくれる人たちとともに歓喜を爆発。このまま引き分けても、最終節を首位で迎えることができる。チームにとっても十分な一撃だったが、すでにJ1デビューを果たしている逸材は、後半ラストプレーの2点目でその圧倒的な勝負強さと抜きん出た実力を証明した。

 互いに攻め合って迎えた後半45+11分、神戸U-18は敵陣で相手ボールを奪うと、FW川端彪英(2年)が中央から左サイドへ斜めのパス。これを瀬口がダイレクトで折り返す。最後は濱崎がトラップからGK、DFの位置と動きを見て、左足シュートをゴールに沈めた。「最初、ダイレで撃とうと思ったんですけど、自分のテンポで撃ちたかったんで」トラップすることを選択。重圧のかかる状況で再びシュートを決め切った。

 6分前と同様に、サポーターの下へ走り出し、左手を突き上げた。「もう最高ですよ。もう、それのために点決めたかったんで。それができて、最高です」と充実の表情。喜びの最中に試合終了の笛が鳴り、神戸U-18は8年ぶりのプレミアリーグWEST優勝を決めた。

「やっぱホーム最終節で、こんな人も集まって下さって、いつもサポートして下さっているんで。そういうところでやっぱホームっていうのはとても素晴らしい環境なんで、『ここで優勝を決めたれ』って気持ちは、自分はより一層あったんで、それは良かったです」

 1年生ながら主軸を担った一昨年、2年生エースとして戦った昨年はいずれもプレミアリーグWEST準優勝。濱崎は下級生時から注目され、昨年12月にはトップチームへの昇格が決まったが、他の選手と同じ悔しさを抱いてきた。

 今年は2月にJ1デビューを果たした一方、右肩の手術(5月)で長期離脱も経験。今季中の復帰は難しいとされていたものの、濱崎は終盤戦で戻ってきた。首位で繋いでくれた仲間のためにも、絶対に優勝する。「その気持ちがこの試合出たかなと思います」。前節の3得点に続き、大一番で2ゴール。強敵との対戦がその力をより引き出した。

 前半、鳥栖U-18の10番FW新川志音(3年)に圧巻のミドルシュートを決められ、リードを許した。新川はすでにJ2で5得点を決め、U-22日本代表にも選ばれている注目株。先週にトップチームの公式戦が終わったため、この神戸U-18戦へ向けた練習から再びU-18チームに帯同していた。

 濱崎は「自分は(新川に出て)来て欲しいと思っていたし、両方ガチメンバーで戦いたかった」と明かす。新川に決められた後、神戸U-18の10番の存在感がさらに向上。果敢に仕掛け、相手のマークをテクニックと強さでも攻略して前進した。

 後半、左足ミドルは相手GKとクロスバーに阻まれたが、諦めずにドリブル、ダイレクトボレーなどでゴールを目指し続けた。そして、試合終了間際に圧巻の2発。「最初決められたんですけど、自分が返すっていうことは自分の中でずっとあったんで、そこで2点返せて良かったかなと思います」。今後のサッカー人生に影響を及ぼすような活躍で逆転勝ちへ導き、プレミアリーグWEST優勝。翌8日にはトップチームとのプロ契約締結が発表された。9日のACLE出場も目標。そして、日本一をかけたファイナル(21日、埼玉)で躍動する。

 対戦相手はプレミアリーグEAST優勝の鹿島ユース。「クラブユース(選手権準々決勝で)敗れて自分も(離脱中に)見てたんですけど、そこでも借りを返さないといけないですし、自分たちはこの優勝の次のファイナル優勝を目指してるんで、(ファイナルまで)2週間ですけど、もっと1個ギア上げてもっとやっていきたいと思ってます」。濱崎はこの日の大活躍にも過信することなく、また努力。埼玉スタジアム2002で開催されるファイナルでも、誰よりも輝きを放つ。

後半45+5分、同点ゴールを決め、喜びを爆発させる

サポーターの前で左手を突き上げた

後半45+11分、劇的過ぎる決勝ゴール

サポーターの前で再び左手を突き上げた

(取材・文 吉田太郎)


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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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