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一発勝負の戦いで総合力、一体感を発揮。RB大宮U18が九州王者・日章学園を1-0で破り、プレミアリーグ復帰へ王手!

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前半38分、RB大宮アルディージャU18DF藤原朝日(左)が決勝ゴールを喜ぶ

[12.12 プレミアリーグプレーオフ1回戦 日章学園高 0-1 RB大宮U18 サンフレッチェビレッジ広島第一球技場]
 
“高校年代最高峰のリーグ戦”高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ への昇格をかけたプレーオフの1回戦が12日に広島県内で開催され、RB大宮アルディージャU18(関東3/埼玉)が2年ぶりのプレミアリーグ復帰に王手をかけた。RB大宮U18は日章学園高(九州1/宮崎)と対戦し、DF藤原朝日(3年)の決勝点によって1-0で勝利。14日の決勝戦でジュビロ磐田U-18(東海2/静岡)に勝てば、昇格が決まる。

 RB大宮U18はプレミアリーグEASTで2度3位に入った歴史を持つが、2024年シーズンで11位に終わり、降格。今年はプリンスリーグ関東1部で3位に入り、プレーオフ出場の権利を得た。この試合の先発はGK岡村泰志(2年)、DF酒井舜哉(3年/U-18日本代表)、藤原、木寺優直(2年)、遠藤柊眞(2年)、MF斎藤滉生主将(3年)、小林柚希(2年/U-17日本代表)、田中奏良(3年)、神田泰斗(2年/U-17日本代表)、FW野口蒼流(3年)、平家璃久斗(3年)の11人で臨んだ。

RB大宮U18は2年ぶりのプレミアリーグ昇格をかけた戦い

 一方、日章学園はプリンスリーグ九州1部で優勝し、3年連続のプレーオフ挑戦。この試合はGK西森和浩(3年)、DF柴尾大夢(2年)、藤山真(3年)、真崎煌波(1年)、MF松田恭成(3年、山下結叶(2年)、松田帆空(3年)、野口昊平主将(3年)、FW吉崎太珠(2年)、島村陽斗(2年)、大平陽稀(2年)の11人でスタートした。

日章学園はプレミアリーグ初昇格に挑戦

 丹野友輔監督が「前半は自分たちのやりたいことがほとんどできたゲーム」と振り返ったように、RB大宮U18が優勢に試合を進めた。前半はほとんどの時間帯でボールを保持し、常に背後への狙いも持ちながらの攻撃。そして、クロスやセットプレーでゴール前のシーンを創出した。

 また、シンプルに背後を狙ってきた日章学園の攻撃を190cmDF酒井、藤原の両CBが中心となって跳ね返し、中盤で利いていた斎藤らがセカンドボールを回収。司令塔の神田やU-17ワールドカップメンバーの小林ら各選手が余裕を持って相手のプレッシャーを剥がし、仕掛けに結びつけていた。そして、野口、平家のコンビネーションなども活用してゴール前の局面を切り崩そうとする。

RB大宮U18のMF斎藤滉生主将はセカンドボールの回収などで存在感

RB大宮U18のCB酒井舜哉は抜群の高さ、強さで相手の前に立ちはだかった

 日章学園は我慢の展開となったが、藤山がスライディングタックルで相手の裏抜けを阻止し、GK西森が安定したキャッチング。0-0で試合を進めると、20分には吉崎の力強い奪い返しから大平が左足シュートへ持ち込む。また、23分にも速攻から左WB松田帆が左のスペースを突き、右足シュートを打ち切った。

日章学園FW大平陽稀は前線で怖さを見せ、3本のシュートを放った

 加えて、日章学園は山下、松田帆の両翼がドリブルからラストパスへ持ち込もうとしたほか、柴尾のロングスローやロングボールに183cmの島村や大平、吉崎が競りにいく。ただし、RB大宮U18はミスがなく、隙を見せない。日章学園は余裕のあるような状況でも慌ててボールを蹴ってしまい、ミスも増加。奪われたボールをRB大宮U18から奪い返せずに押し込まれてしまった。

 RB大宮U18は前半だけで9本のシュート。左SB木寺の決定的なクロスから小林の放った左足シュートが枠を外れ、神田のスルーパスから野口の放った右足シュートは相手DF真崎にブロックされてしまう。再三相手ゴールに迫りながらも1点が遠かったが、38分に相手ハンドで獲得したFKから先制点を奪う。田中が左サイドから右足でボールを入れると、中央の酒井が頭でそらし、ファーの藤原がヘディングシュート。これがゴール左隅に吸い込まれ、リードを奪った。

前半38分、RB大宮U18のCB藤原朝日が先制ゴール

 日章学園は後半開始から島村とFW村井力磨(2年)を交代。後半は「(前半は)繋ぐ意識がちょっと足りなかったんで、後半はもうハーフタイムでも『ビビらずやろう』って言っていました」という野口、松田恭のダブルボランチを活用し、ボールを細かく繋ぐ形の攻撃が増えた。
 
 立ち上がりにRB大宮U18DF遠藤に右足ミドルを打たれ、10分には田中のスルーパスから野口に決定的な左足シュートを打たれた。だが、この一撃をGK西森がファインセーブ。日章学園は11分に松田帆に代え、MF重松虎之介(2年)を投入する。慌てずに縦パスを吉崎らにつけ、サイドを変えて攻めるなど徐々にリズム。24分には村井と山下をMF谷恭輔(2年)、FW岩元航希(1年)と入れ替えて1点を目指す。

RB大宮U18FW野口蒼流の左足シュートがゴールを捉えるが、相手GK西森に阻まれた

日章学園はGK西森和浩がファインセーブを見せるなど奮闘

 RB大宮U18もゴールに迫り続けていたが、シュートを日章学園DFにブロックされるなど2点目を奪うことができない。27分に平家とFW中島大翔(2年/U-17日本代表)を交代。対する日章学園は運動量の落ちた相手に対して押し返す時間を増やすと、28分には左サイドから攻め、大平の右足シュートが右隅へ向かう。だが、RB大宮U18GK岡村が好セーブ。日章学園は30分にもセットプレーの流れから野口が右サイドを突破し、折り返しを藤山が右足で合わせたものの、わずかにゴール右へ外れてしまう。

 RB大宮U18は、右サイドの小林が数的不利の状況でもドリブル突破するなど相手DFの脅威に。だが、全体的にシュート精度を欠いていたほか、日章学園DFのゴールカバーにあうなど追加点を奪うことができなかった。

右サイドで突破力を見せたRB大宮U18MF小林柚希(右)と日章学園DF藤山真がマッチアップ

 それでも、丹野監督は「しっかりゼロで終えましたし、後ろはやられる感じはあんまりしなかったので、1回戦っていう初戦ですし、そういう意味では良かったのかなと思います」と振り返る。後半はセカンドボールの攻防で苦戦を強いられたものの、斎藤が「その時にやっぱりチーム全員走っていましたし、最後シュート振らせないとか、振らせても全員で守るっていうのはしっかりできたと思う」というように、全員が走る、守ることを続けることができていた。

 後半34分には、GK岡村が相手FW大平のシュートを再びファインセーブ。終盤、MF久良木慶斗(2年)、MF大関駿(3年)、DF川田聖人(2年)を投入し、攻める姿勢も持ち続けて1-0で勝ち切った。

終盤、RB大宮U18がコーナーキープで時計の針を進める

RB大宮U18が1-0で勝利

 RB大宮U18の丹野監督は2018年にプレミアリーグプレーオフでの勝利を経験。「力があるだけでは多分、このトーナメントは勝てない」と分析する。そして、「今回もメンバーに入れてない選手がいますけど、しっかりサポートしてくれたりだとか、ベンチにいる選手が声掛けてくれたりですとか、そういう目に見えない力、総合力が必要になるなと。ピッチに立っている11人だけでは成し遂げられないじゃないかなっていうのは、僕は前回のプレーオフで学んだことなので。そういう意味では、今日はみんな凄く(ベンチ外の選手も、)サブに入った選手も、しっかりとチームとして力を発揮できるようにサポートしてくれたと思うので、次の試合も同じようにやっていきたい」と頷いた。

 主将の斎藤も「試合前からやっぱり一体感っていうのはしっかり作れていて。ここに来れないチームメイトや怪我で出れない人っていうの思いを全員がしっかり背負って試合できたんで、それが勝ちに繋がった」。昨年、プレミアリーグEASTで11位降格を味わった3年生たちは「このプレーオフのためにやってきた」(斎藤)。次世代のRB大宮U18のためにも、14日の磐田U-18戦も総合力と一体感を持って戦い、必ず勝つ。

(取材・文 吉田太郎)


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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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