beacon

元Jリーガー&監督の父とつかみ取ったプレミア昇格!! “ゴール前の砦”となった磐田U-18DF西野陽向(1年)、トップ昇格の主将も称賛

ポスト
Xに投稿
Facebookでシェア
Facebookでシェア
URLをコピー
URLをコピー
URLをコピーしました

ジュビロ磐田U-18DF西野陽向(1年)

[12.14 プレミアリーグプレーオフ決勝戦 大宮U18 1-5 磐田U-18 ホットスタッフフィールド広島]

 スコアを見れば5-1の圧勝だが、RB大宮アルディージャU18(関東3、埼玉)に押し込まれる時間帯は多かった。放ったシュートはジュビロ磐田U-18(東海2、静岡)が9本に対し、大宮U18は17本。我慢の展開を乗り越えることができた要因は来季からのトップチーム昇格が内定している主将のDF甲斐佑蒼(3年)を中心としたDF陣の奮闘で、中でもDF西野陽向(1年)の守備対応は目を惹いていた。

 182cmの長身で、ゴール前で体を張れるためCBとしての素質は十分。ただ、甲斐が「陽向とはCBを組むことが多く、アイツがこういう舞台で緊張するのは分かっていた」と明かすようにまだ高校年代の経験が不足しているため、動きが硬くなってしまうことがあるという。

 12日に行われた札幌大谷高(北海道)とのプレーオフ初戦は、「自信を持ってプレーしろ」と甲斐に声を掛けてもらいながらも、思い通りのプレーができずに3失点。西野は「参入戦という大会を経験するのが初めてで、1回戦は自分の中でも少し硬さがあった」と振り返る。

 ただ、この日は不安が吹き飛んでいた。「今日は仲間を信じて自分もやるべきことをやれば勝てると思ったので、1回戦と違って思い切ってプレーできた」と口にする西野は、相手にゴール前を崩されそうな場面があっても、体を張って失点を回避し続ける。

“ジュビロスタンダード”と呼ばれる球際、切り替え、ハードワークの3つをチーム全体で意識しながら、西野自身も大宮の選手にシュートを打たれそうになったら身を投げ出してブロック。前半17分には右サイドを崩され、連続でシュートを打たれたが、体を張ってストップした。32分にはMF田中奏良(3年)のスルーパスから、FW野口蒼流(3年)がゴール前を抜け出そうとしたところをスライディングで食い止めた。

 試合終盤の後半45+6分にはオウンゴールを許し、「最後まで無失点のまま行って失点なしで終わりたかった」と悔やんだが、ゴール前の砦という表現がよく似合うプレーを連続し、自信をつかむ試合になったのは間違いない。パートナーを組む甲斐が「今日は最初から陽向がガツガツ行ってくれていたので、とても良かったです」と称える働きぶりだった。

 磐田U-15に所属した中学生の頃から同年代より恵まれた身長を買われ、FWとCBの兼任でプレーしてきたが、中学3年生の終盤からはCBに専念。「GKとCBが一番後ろで自分たちのゴールを守れる。ゴールを守りながらセットプレーで点を決めることができれば、自分がチームを勝たせることができる」と話すように遣り甲斐を感じている。

 U-18に昇格してからもコンスタントにAチームで出場機会を重ねる中、9月末には春からチームの指揮を執ってきた安間貴義監督がトップチームの監督に就任することになり、トップチームのコーチを務めてきた元Jリーガーで父の泰正氏がU-18の監督に就任した。「監督になると聞いた時はビックリしましたが、これまでとは何も変わらない。ピッチに入ったら関係ないと思っていた」と振り返るが、親子でつかみ取ったプレミア昇格の価値は大きい。

 高校年代最高峰のリーグに舞台を移す来年はDFリーダーとして期待される。「試合に出ている責任というか、来年に繋げる責任があると思う。3年生がプレミアリーグに上げてくれたおかげで、今よりも良い経験ができてもっと成長できると思うので楽しみです」。そう意気込む西野は更に逞しくなった姿を見せてくれるはずだ。

(取材・文 森田将義)

●高円宮杯プレミアリーグ2025特集
●高円宮杯プリンスリーグ2025特集
▶話題沸騰!『ヤーレンズの一生ボケても怒られないサッカーの話』好評配信中
森田将義
Text by 森田将義

「ゲキサカ」ショート動画

TOP