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傾聴力、人間力、壁を乗り越えてきた経験も評価。昌平の注目レフティMF山口豪太は湘南で積み重ねて飛躍を目指す

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昌平高MF山口豪太湘南ベルマーレでの成長と飛躍を誓う

 注目レフティがプロでより一層の進化を遂げる。22日、昌平高(埼玉)が「Jリーグ ・ WEリーグ加入内定者合同記者会見」を行い、MF山口豪太(3年)は会見後に内定先の湘南ベルマーレのユニフォームを着用。「本当に1か月後ぐらいにもうプロでサッカーしてるんで。早くこのユニフォーム着て試合出たいなっていう気持ちがあります」と意気込んだ。

 ドリブル、左足を武器にゲームメイクも、チャンスメイクも、そしてスーパーゴールを決めることもできるMFは、FC LAVIDA時代から活躍。世代を代表するタレントとして注目を集めてきた。昌平1年時には1歳年上のU-17日本代表の一員としてU17アジアカップに臨み、鮮烈ゴールも。2年時のインターハイでは5アシストを記録し、昌平の初優勝に貢献している。

 将来を考えた際、一時、関東の強豪大学への進学も視野に入れていたという。だが、今年の早い段階からプロへ一本化。そして、湘南には、キャンプと練習参加を経て今年5月に1週間練習参加した際に、目覚ましい成長を示し、評価を絶対的なモノにした。

 周囲のレベルが上がれば上がるほど、より良さを発揮できるタイプ。湘南練習参加時にも、高い基準に適応していったという。その山口が上を目指すために求めているのが、課題の改善だ。

 特に強調するのが、強度やスピード、プレーの連続性の部分。「高1、高2で代表に選んでもらって、でもなかなか自分のプレーが出せなかったっていうのは、やっぱりそういう強度が足りないってところだったと思うんで。もう強度っていうところは意識してずっとやっていたけれど、まだプロの練習参加でも足りなかった。もっと求めていきたいです」と語った。

 FC LAVIDA、昌平で技術力、判断力を高めて活躍してきた。だが、現在、同世代に自分以上の評価を受けるような選手が増えてきていることも事実だ。湘南ならば、課題改善を含めて大きく成長できると考え、進路に決めた。

「ラビ(LAVIDA)と昌平で技術だったり攻撃面では凄い教えてもらったんで、まだ足りない強度の部分だったりを湘南でもっと積み重ねていきたいです。(湘南は)凄くいいクラブなんで、もうこのクラブでやっていれば、2、3年後には自分が活躍してる未来が見える感じです」

 今年は湘南への練習参加やオフ・ザ・ボールの動きの向上をきっかけに、一段階成長。高校時代に壁にぶつかり、それを一つ乗り越えた経験はプロで活きるかもしれない。湘南のフットボール本部強化部部長、スポーツダイレクターの吉野智行氏は「そういう報告も受けているので。そういうところでしっかりまた戻ってきたっていうのは、もしかしたら強みになるかもしれないし、そういう経験があるっていうのは非常に大事なことなんじゃないかなと思います」。吉野氏から評価される傾聴力、人間力の高さも山口の強みだ。

 吉野氏は練習参加した際に山口が見せた成長幅の要因として、その傾聴力、人間力の高さを挙げる。そして、「鈴木淳之介は1年前までレギュラーではなかった選手からこうなったりとか、福田翔生だったらJ3で満了になったところから(湘南で成長して)海外に行くという経験も我々はしているので、要は選手がどうやって取り組んでいくかというところを我々自身がサポートしていくっていうことが大事だと思いますし、自分なりにちゃんと矢印が向けている選手が伸びると思っている。そこら辺は彼(山口)が兼ね備えているから声を掛けさせてもらった」。日本代表MF鈴木淳之介(現・コペンハーゲン)やMF福田翔生(現・ブレンビー)のように、山口もブレずに自分に矢印を向け続け、飛躍を果たすか。

 吉野氏は「ここから彼がプロとしていかなる成長を成し遂げてくれるか、それからもう湘南ベルマーレを担ってと言いますか、ここから我々の湘南ベルマーレの時代を築いてくれるんじゃないかと非常に期待しております。我々のクラブでしっかり成長して世界に羽ばたけるような選手になっていって欲しい」とエール。それに対し、山口は「湘南で活躍して、まずしっかり勝ちに貢献して、チームがJ1に戻れるようにして、そこで個人としても活躍して、しっかり海外に羽ばたいていけるようにしていきたいです」と力を込めた。

 記者会見前日の21日、山口はコンディション不良のため、U-18日本代表から途中離脱することが発表された。ここから休養、調整して12月31日初戦の選手権へ向かう。「最後、選手権。ちっちゃい頃からずっと見てた舞台なんで、点取って喜びたいです。もう最後の集大成をしっかり楽しんで終われるようにしていきたいです。(目標は)みんなで長く冬を過ごすことなので、自分がヒーローになるっていうよりは、チームが勝つために自分がやることをやって、その中で点も取れればいい」。傾聴力、人間力、壁を乗り越えてきた経験の評価も受けるレフティが、選手権、そして湘南でチームの勝利に貢献する。

湘南のフットボール本部強化部部長、スポーツダイレクターの吉野智行氏(左)と同強化担当兼スカウトの柳原裕氏と記念撮影

「仲のいい友達って感じです」というMF長璃喜(右)、そして野球部からドラフト4位でプロ野球・千葉ロッテマリーンズへ進む桜井ユウヤと


(取材・文 吉田太郎)


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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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