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連覇を狙った選手権の初戦敗退も確かな成長の糧に。DF瀧口眞大(前橋育英)は「育英のブランド」も背負って高校選抜でのさらなる飛躍を期す!

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日本高校選抜候補DF瀧口眞大(前橋育英高/3年=横河武蔵野FC U-15出身)は右足の好キックで存在感

[1.25 練習試合 日本高校選抜候補 2-3 東海大]

 連覇を狙った高校選手権での初戦敗退から、1か月弱の時間が経過したことで、もう気持ちは切り替わった。多くの大事なものを学ばせてもらった高校の名前を背負って戦う、まさに最後の機会。その肩書きに恥じないプレーを披露すべく、気持ちは十分すぎるほどに入っている。

「今年もU-18の選抜に呼んでもらって、より自分をアピールしていかなくてはいけないなという部分も感じていますし、高体連のトップクラスの選手と一緒にプレーできる中で、そういった選手からいろいろな良いところを吸収して、自分のものにしていきたいです」。

 右足のキック精度に絶対的な自信を持つ、前橋育英高(群馬)のアグレッシブな右サイドバック。DF瀧口眞大(3年=横河武蔵野FC U-15出身)は3年間をともにしたタイガー軍団のチームメイトたちの想いも背負って、日本高校選抜候補合宿でのさらなる飛躍を誓っている。


「去年の活動で仲良くなった人がいることで、居心地はいいですけど、個人としては去年と変わらずに、育英でやっていたことをしっかり出そうと思ってやっていたので、自分にできることを淡々とやっている印象です」。

 昨年もU-17日本高校選抜候補合宿に参加し、『静岡県ヤングサッカーフェスティバル』や『J-VILLAGE CUP U-18』に挑むメンバーにも選出された瀧口は、1年ぶりとなる選抜活動にも良い意味で肩の力を入れ過ぎずに、自然体で臨んでいた。

 選手権終了後は時折後輩たちの練習に混ざりながら、基本的には同級生たちと朝方にボールを蹴り合ったり、少しジムで体を動かす程度だったそうだが、東海大との練習試合(25分×4本)には2本目と3本目に右サイドバックとして登場すると、一定以上のパフォーマンスを披露する。

 とりわけ2本目では、得意のキックでチャンスを演出する場面も。9分にはFW深瀬幹太(青森山田高3年)からパスを引き出し、MF岩崎天利(大津高3年)へ鋭い縦パスを通して決定機に関与すると、19分にも相手DFラインの裏へ正確なグラウンダーパス。走った岩崎のクロスからMF臼井蒼悟(尚志高3年)がゴールネットを揺らし、チームも2-2とスコアを同点に引き戻す。

 3本目では嬉しい“共闘”もあった。左サイドバックに入ったDF牧野奨(前橋育英高3年)は瀧口にとって高校の同級生だが、中学時代も横河武蔵野FC U-15で同じボールを追い掛けた間柄。6年もの時間を共有した2人が、高校選抜合宿でも自チーム同様に両サイドバックへ配置される。

「ずっと一緒にやってきた選手ですし、自分がプレーを参考にしている選手の1人なので、メッチャ嬉しいです。一緒のチームでできるのも残り少なくなってきましたけど、運が良ければ一緒に選抜に入って、卒業ギリギリまでサッカーしたいなと思います」。2人そろって選抜に残り続け、高校生活の最後まで一緒に戦い続けることは、彼らの小さくないモチベーションになっているようだ。



 まだ2年生だった昨年度も、名門・前橋育英で不動の右サイドバックとして躍動を続け、日本一までたどり着いた高校選手権。今年度も当然連覇を目指して臨んだが、結果は初戦となった2回戦で神戸弘陵高に1-2で敗戦。最後の冬はあまりにも呆気なく幕を閉じることになる。

「自分たちの弱さが出た試合でした。周りからの声やプレッシャーに負けてしまった部分があって、プレー面でも本来の力が出せなかったのに対して、神戸弘陵の方が気持ち的にも技術的にも上回っていた中で、ああいう形で負けたので、育英を応援してくださっていた皆さんにも申し訳ない気持ちがあります」。

 日本一と初戦敗退。ある意味で天国と地獄を味わったような選手権という舞台。それでも、すべての高校生が夢見るステージに2年続けて立った経験は、瀧口の中でもかけがえのないものになっていることは間違いない。

「やっぱり選手権はプレミア(リーグ)とはまた別の空気感で、よく言われているような『人生が変わる1試合』があったりしますし、自分はその舞台に出るために高校サッカーを選んだところもあったので、『選手権とは何だったのか』と考えると、1年の集大成として自分の力とチームの力を出し切る場所というふうに捉えてきました」。

 一方で、あるいはそれ以上に大きな経験になったのは、前橋育英で過ごす日常で培った、努力を続けるというサッカー選手としてのベースの部分だ。

「育英に行けたからこそ今の自分があると思っていますし、こういう活動に来ても、大学の練習参加に行っても、いつも思うのは『育英のみんなって上手いんだな』ってことで(笑)、みんなのレベルが高い中で、育英に入学して、もまれて、いろいろなものを吸収できて良かったなと思っていますね。だからこそ、こういう活動でも『育英のブランドを背負っているので、それに恥じないプレーを心掛けなきゃな』という想いは、選手権が終わってからより強くなりました」。


 高校卒業後は東洋大へと進学。ハイレベルな選手が揃う環境下で、4年後のプロ入りを目指して、真摯にトレーニングに励む日々が待っているが、モデルケースとしてイメージするのは今年からJリーガーになった、ある“先輩”がたどっていった道筋だ。

「今日も東洋のスタッフの方が見に来てくださっていましたし、シーズン中の試合にも結構来てくださっていたので、ありがたいですよね。個人的には去年の山之内(佑成/柏レイソル)さんみたいに、周囲との違いを出せる選手になっていきたいなと思いますし、1年生からのスタートという部分で失うものはないので、ガンガン自分の良さを出して、いろいろなことに突っ込んでいきたいと思っています」。

 本格的にサイドバックへコンバートされてからは2年弱。まだまだ圧倒的な成長を遂げるだけの余地は、十分に残されていると言っていいだろう。前橋育英の“右の翼”から、高校選抜の“右の翼”へ。瀧口眞大は自分にできることを着々とこなしながら、周囲を唸らせるプレーを繰り出すその瞬間を、虎視眈々と狙い続ける。



(取材・文 土屋雅史)
土屋雅史
Text by 土屋雅史

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