プレミア15ゴールを重ねたストライカーが探し求める「成長の種」。FW深瀬幹太(青森山田)が高校選抜候補のチームメイトから得た新たな発見
熾烈なポジション争いを繰り広げる日本高校選抜候補FW
[1.26 練習試合 日本高校選抜候補 1-4 日本体育大]
高校年代最高峰のリーグでゴールを量産してきた得点感覚には、もちろん大きな自信を抱いてきた。一方で、今の自分にまだまだ足りない部分もはっきりと自覚している。新たな仲間たちと、新たなチームで共闘する機会を存分に生かし、さらなる進化へと繋げていく。
「今回の選抜は山田のサッカーとは違う部分があって、それこそフォワードだけではなくて、サイドハーフやボランチにも特徴のある選手が多いので、楽しくて発見のある活動になっていると思います」。
昨季のプレミアリーグEASTで得点ランキング2位の15得点をマークした、青森山田高(青森)が誇る高性能ストライカー。FW深瀬幹太(3年=青森山田中出身)は同世代のハイレベルなアタッカーたちのプレーから、自身の成長に結び付けるための“種”を貪欲に探し求めている。
「ちょっと選手権が終わってから時間もあった中で、青森だったのでやれることも限られていて、その中でも少し走ったり、引退した3年生とちょっと“雪中サッカー”をやったり、体育館でボールを使った練習はしていたので、まだMAXではないですけど、思ったよりは動けたかなと思います」。
高校選手権の敗退から1か月弱。既に雪に覆われている青森から、今回の日本高校選抜候補合宿に参加している深瀬は、久々の“グラウンド”でのサッカーを味わっている現状の自身の出来を、そんな言葉で表現する。
合宿2日目に組まれた東海大とのトレーニングマッチでは、2本目(25分×4本)に登場してFW根木翔大(尚志高3年)と2トップを結成。9分にはMF堀ノ口瑛太(神村学園高3年)のパスを巧みなヒールで繋ぎ、根木のシュートは相手GKに阻まれたものの、スムーズな連携を披露する。
「アレは結構自分でも『来た!』というプレーだったので、『翔大、決めろよ』と思いました(笑)。みんな近い位置にいてくれたり、動き出しが良いので、自分も出し手タイプの選手ではないですけど、パスは出しやすいですね」。
3日目の日本体育大とのトレーニングマッチでは、3本目でFW大石脩斗(鹿児島城西高3年)と、4本目でFW宮本周征(帝京高3年)とそれぞれ前線に入ることに。4本目にはDF水澤那月(帝京長岡高3年)のシュート性のクロスを丁寧に収め、正確なポストプレーで堀ノ口のシュートを演出。チャンスメイクで見せ場を作る。
ただ、本人も狙っていた肝心の得点は奪えず。「周征の決定力はビックリしました。でも、自分もプレミアで点を獲ってきた自信を持ってやっているので、負けないように頑張ります」と初日の紅白戦からゴールを連発していた宮本に刺激を受けつつ、自身にベクトルを向け直す姿勢が印象的だった。


2025年の深瀬は、序盤戦から青森山田の中で確固たる地位を築いていたわけではない。開幕から4試合はいずれもベンチスタートで、その間にチームはまさかの4連敗。ただ、第5節の柏レイソルU-18戦でスタメンに抜擢されると、その一戦でゴールを沈め、シーズン初勝利にきっちり貢献してみせる。
すると、柏U-18戦からの4試合で4ゴールを叩き出し、チームも怒涛の4連勝。一気に攻撃陣の核としての立ち位置を確立し、本人も「シーズンの最初から凄く自信があったわけではないですけど、少しずつ結果が出ていくたびに自信が付いていきました」と語るように、最終的には不動のエースへと成長を遂げた。
前述したように、プレミアで重ねたゴール数は15。ストライカーとしては十分な数字ではあったが、リーグ得点王に輝いた東京ヴェルディユースの仲山獅恩のゴール数は16。あと1点獲っていれば。あるいはあと2点獲っていれば。その悔しさは間違いなく深瀬の中に残っている。
「得点王を獲れなかったのは凄く悔しかったですけど、逆にその悔しさがこれからの自分にも生きていくと思うので、もっともっと大きくなってやろうとも思っていますし、得点ランク1位の仲山選手は同年代でプロになりましたし、そういう意味でも負けないように、自分も頑張りたいと思います」。
もともと宮城県出身の深瀬は、中学進学時に青森山田の門を叩き、中高の6年間にわたって、サッカーに情熱を注ぐ日々を送ってきた。「中学から寮生活を送ってきた中で、常に仲間に支えられたり、スタッフや家族に支えられて自分がサッカーをできていることを感じた6年間だったので、仲間の大切さは強く感じました」。
「今回の選抜でもアブー(月舘汰壱アブーバクル)だけではなくて、もっといろいろな山田の選手と一緒にやりたかったですし、今はプロに行っている松田駿(岡山)もそうですけど、ああいう選手たちと一緒にやれていたことが今の自信に繋がっているので、また違うステージに進みますけど、お互いに頑張りたいなと思います」。青森の地でみんなとボールを追い掛けた思い出は、一生の宝物だ。


高校卒業後は日本大への進学が予定されている。ハイレベルな選手が揃っており、熾烈なポジション争いが待っていることは間違いないが、新天地でのプレーにも、大きな期待を携えていることは、言葉の端々から窺える。
「日本大学では選手としてだけではなくて、人としても成長したいです。そこは山田でも6年間で教わってきたことなので、さらにもう4年間も大人としての時間を積み重ねて、プロでも活躍できるようにやっていきたいです。それにこの高校選抜に選ばれ続ければ、4月まで大会が続いていくので、この仲間と一緒にやる機会を大切にしながら、最後まで頑張りたいと思います」。
地道に1つ1つ積み重ねていくような、たゆまぬ努力を抜きにして、いきなりの飛躍なんてないことは、自分の辿ってきた道が物語っている。右肩上がりに成長を続けてきた、青森山田で育まれた仕事人系ストライカー。深瀬幹太はこれからも目の前のプレーを丁寧にやり切ることで、その先にある大きな成果を力強く掴み取る。


(取材・文 土屋雅史)
高校年代最高峰のリーグでゴールを量産してきた得点感覚には、もちろん大きな自信を抱いてきた。一方で、今の自分にまだまだ足りない部分もはっきりと自覚している。新たな仲間たちと、新たなチームで共闘する機会を存分に生かし、さらなる進化へと繋げていく。
「今回の選抜は山田のサッカーとは違う部分があって、それこそフォワードだけではなくて、サイドハーフやボランチにも特徴のある選手が多いので、楽しくて発見のある活動になっていると思います」。
昨季のプレミアリーグEASTで得点ランキング2位の15得点をマークした、青森山田高(青森)が誇る高性能ストライカー。FW深瀬幹太(3年=青森山田中出身)は同世代のハイレベルなアタッカーたちのプレーから、自身の成長に結び付けるための“種”を貪欲に探し求めている。
「ちょっと選手権が終わってから時間もあった中で、青森だったのでやれることも限られていて、その中でも少し走ったり、引退した3年生とちょっと“雪中サッカー”をやったり、体育館でボールを使った練習はしていたので、まだMAXではないですけど、思ったよりは動けたかなと思います」。
高校選手権の敗退から1か月弱。既に雪に覆われている青森から、今回の日本高校選抜候補合宿に参加している深瀬は、久々の“グラウンド”でのサッカーを味わっている現状の自身の出来を、そんな言葉で表現する。
合宿2日目に組まれた東海大とのトレーニングマッチでは、2本目(25分×4本)に登場してFW根木翔大(尚志高3年)と2トップを結成。9分にはMF堀ノ口瑛太(神村学園高3年)のパスを巧みなヒールで繋ぎ、根木のシュートは相手GKに阻まれたものの、スムーズな連携を披露する。
「アレは結構自分でも『来た!』というプレーだったので、『翔大、決めろよ』と思いました(笑)。みんな近い位置にいてくれたり、動き出しが良いので、自分も出し手タイプの選手ではないですけど、パスは出しやすいですね」。
3日目の日本体育大とのトレーニングマッチでは、3本目でFW大石脩斗(鹿児島城西高3年)と、4本目でFW宮本周征(帝京高3年)とそれぞれ前線に入ることに。4本目にはDF水澤那月(帝京長岡高3年)のシュート性のクロスを丁寧に収め、正確なポストプレーで堀ノ口のシュートを演出。チャンスメイクで見せ場を作る。
ただ、本人も狙っていた肝心の得点は奪えず。「周征の決定力はビックリしました。でも、自分もプレミアで点を獲ってきた自信を持ってやっているので、負けないように頑張ります」と初日の紅白戦からゴールを連発していた宮本に刺激を受けつつ、自身にベクトルを向け直す姿勢が印象的だった。


2025年の深瀬は、序盤戦から青森山田の中で確固たる地位を築いていたわけではない。開幕から4試合はいずれもベンチスタートで、その間にチームはまさかの4連敗。ただ、第5節の柏レイソルU-18戦でスタメンに抜擢されると、その一戦でゴールを沈め、シーズン初勝利にきっちり貢献してみせる。
すると、柏U-18戦からの4試合で4ゴールを叩き出し、チームも怒涛の4連勝。一気に攻撃陣の核としての立ち位置を確立し、本人も「シーズンの最初から凄く自信があったわけではないですけど、少しずつ結果が出ていくたびに自信が付いていきました」と語るように、最終的には不動のエースへと成長を遂げた。
前述したように、プレミアで重ねたゴール数は15。ストライカーとしては十分な数字ではあったが、リーグ得点王に輝いた東京ヴェルディユースの仲山獅恩のゴール数は16。あと1点獲っていれば。あるいはあと2点獲っていれば。その悔しさは間違いなく深瀬の中に残っている。
「得点王を獲れなかったのは凄く悔しかったですけど、逆にその悔しさがこれからの自分にも生きていくと思うので、もっともっと大きくなってやろうとも思っていますし、得点ランク1位の仲山選手は同年代でプロになりましたし、そういう意味でも負けないように、自分も頑張りたいと思います」。
もともと宮城県出身の深瀬は、中学進学時に青森山田の門を叩き、中高の6年間にわたって、サッカーに情熱を注ぐ日々を送ってきた。「中学から寮生活を送ってきた中で、常に仲間に支えられたり、スタッフや家族に支えられて自分がサッカーをできていることを感じた6年間だったので、仲間の大切さは強く感じました」。
「今回の選抜でもアブー(月舘汰壱アブーバクル)だけではなくて、もっといろいろな山田の選手と一緒にやりたかったですし、今はプロに行っている松田駿(岡山)もそうですけど、ああいう選手たちと一緒にやれていたことが今の自信に繋がっているので、また違うステージに進みますけど、お互いに頑張りたいなと思います」。青森の地でみんなとボールを追い掛けた思い出は、一生の宝物だ。


高校卒業後は日本大への進学が予定されている。ハイレベルな選手が揃っており、熾烈なポジション争いが待っていることは間違いないが、新天地でのプレーにも、大きな期待を携えていることは、言葉の端々から窺える。
「日本大学では選手としてだけではなくて、人としても成長したいです。そこは山田でも6年間で教わってきたことなので、さらにもう4年間も大人としての時間を積み重ねて、プロでも活躍できるようにやっていきたいです。それにこの高校選抜に選ばれ続ければ、4月まで大会が続いていくので、この仲間と一緒にやる機会を大切にしながら、最後まで頑張りたいと思います」。
地道に1つ1つ積み重ねていくような、たゆまぬ努力を抜きにして、いきなりの飛躍なんてないことは、自分の辿ってきた道が物語っている。右肩上がりに成長を続けてきた、青森山田で育まれた仕事人系ストライカー。深瀬幹太はこれからも目の前のプレーを丁寧にやり切ることで、その先にある大きな成果を力強く掴み取る。


(取材・文 土屋雅史)


