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クラブ史上初となるプレミアの舞台へエース候補として挑む1年。U-18 Jリーグ選抜FW佐々木亮(仙台ユース)が超えるべきは「ルーキー開幕弾」の先輩の背中

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前線で身体を張ってボールを収めるU-18 Jリーグ選抜FW佐々木亮(仙台ユース/2年)

[2.11 NEXT GENERATION MATCH U-18Jリーグ選抜 0-2 日本高校選抜 ニッパツ]

 ようやくたどり着いた、クラブ史上初めてのステージで戦う1年間。誰よりも自分たちが、自分たちに一番期待しているのは間違いない。だからこそ、このレベルで感じた基準を、この仲間たちから受けた刺激をチームに還元して、2026年のプレミアリーグをベガルタゴールドに染め抜いてやる。

「ここで受けた刺激をチームに持ち帰って、どんどん発信して、もっとチームを良い方向に持っていけるように頑張っていきたいですし、個人も全然まだまだ伸ばさなくてはいけないところがあるので、いっぱい練習して、今年はたくさん活躍できるようにしたいです」。

 チームを代表してU-18 Jリーグ選抜のユニフォームへ袖を通した、ベガルタ仙台ユース(宮城)の新エース候補。FW佐々木亮(2年=ベガルタ仙台ジュニアユース出身)は新たなチャレンジに胸を高鳴らせながら、勝負のシーズンへと足を踏み入れていく。


 その報せは唐突にもたらされたという。「実はJリーグ選抜が発表されたことも知らなくて(笑)、その発表された日にクラブハウスに行ったら、入ったことを言われてビックリしました」。笑顔で教えてくれた舞台裏も微笑ましい。佐々木は仙台ユースを代表して、『NEXT GENERATION MATCH』を戦うU-18 Jリーグ選抜の一員に指名される。

 実は仙台ユースにとって、『NEXT GENERATION MATCH』の出場選手を輩出するのは、これが初めてのこと。クラブとしても歴史的な出来事ではあるが、もちろん“お客さん”で終わるつもりは毛頭ない。「選ばれたことは本当に嬉しかったですけど、ただ活動するだけではなくて、とにかく爪痕を残してやろうと思っていました」。フォワードであれば、残すべき爪痕はゴール一択。高いモチベーションを携えて、選抜活動へ飛び込む。

 日本高校選抜と対峙する一戦の会場は、ニッパツ三ツ沢球技場。昨夏のクラブユース選手権決勝で鹿島アントラーズユースに敗れたスタジアムでもあり、その試合では後半終盤にピッチへ立っている。「そこまで意識はしていないですけど、『久しぶりに帰ってきたな』みたいな感じはありました」。活躍するための舞台は整っていた。

 ベンチスタートとなった佐々木に声が掛かったのは56分。「身体を使って収めることもそうですし、自分は少ないタッチでゴールを決めることが得意なので、アーリークロスに飛び込んだりとか、相手を動き出しで剥がすシュートの部分で魅せようと思っていました」。背番号11が弾かれるように、ピッチへ駆け出していく。

 69分。セットプレーの流れからGKエジケ唯吹ヴィンセントジュニア(鳥栖U-18/2年)のフィードに、DF藤川虎三(福岡U-18/2年)が競り勝ったボールに反応するも、相手DFに前へ入られてフィニッシュには至らず。直後も右サイドでの崩しからMF加茂結斗(柏U-18/2年)のクロスに飛び込んだが、ボールには触れない。

「ちょっとセンターバックに圧力を掛けられて、うまく入れなかった部分もありますし、そこで体をぶつけられても、動き出しの部分で剥がして、フリーになってシュートを打てるぐらいにならないと通用しないかなと。そこは自分の得意なところなので、もっと伸ばしていきたいと思います」。

 一方では、身体の強さを生かしたポストプレーで、2つの決定機を創り出す。76分。MF濱名元希(奈良ユース/2年)のパスを受けると、マーカーを背負いながら丁寧にリターン。濱名のシュートはGKのファインセーブに阻まれたものの、この試合最大のチャンスを演出。さらに88分にもやはり濱名のクサビを確実に捌き、後方のMF大貫琉偉(鹿島ユース/2年)へ。このシュートも得点には至らなかったが、スムーズな連携を披露する。

 傍から見ればどちらのプレーも最善のチョイスのように見えたが、佐々木はよりアグレッシブな選択肢も持ち合わせていたようだ。「前向きな選手を使った方がよりチャンスになると思ったので、元希と琉偉にパスを出しましたけど、最初は前を向くことを考えていた中で、自分としてはアレをシュートに持っていきたいところもありますね」。

 試合には0-2で敗れた一方で、前日練習も含めた2日間の活動の感想を、佐々木はこう語ってくれた。「通用するところはありましたけど、周りのメンバーのレベルが高いので、技術レベルではまだまだ差があるなと感じました。でも、この課題を持ち帰って、細かいところを詰めていけば絶対にこのレベルでも通用すると思うので、やるべきことをやって努力していきたいと思います」。

 実感したレベルの差は、のびしろとイコール。改めて日常の努力を積み重ね、いつかまたこの仲間たちと、より高いステージで再会してみせる。


 映像で目にした“先輩の活躍”も、今季へのモチベーションを掻き立てる。明治安田J2・J3百年構想リーグの開幕戦。ユースから昇格した仙台のルーキー古屋歩夢は、いきなりスタメンに抜擢されると、スーパーなループシュートでゴールまで叩き出し、一躍脚光を浴びる存在になってしまう。

「やれると思っていたので、凄いなとは思いましたけど、そんなに驚かなかったですね。『ああ、いつものあれだね。さすがだな』みたいな(笑)。あの人から教えてもらったこともいっぱいあるので、それを生かしていきたいですね。あの背中を追い越せるように頑張りたいですし、負けていられないです」。

 そんな古屋の活躍もあって、仙台ユースは昨年末のプレミアリーグプレーオフを逞しく勝ち抜き、今季からはチーム史上初めてプレミアリーグへと参戦することが決まっている。新しい歴史の1ページを刻む1年に向けて、佐々木もワクワクする心の内を隠さない。

「プレミアは本当に楽しみですよね。やるからには上を目指したいので、もう明日からチームに良い影響をもたらせるように、ここで知った基準を還元しながら、『もっとやらなきゃだぞ』と自分から発信していきたいです」。

「個人としては、まず点をたくさん獲ることが自分のやるべきことで、チームのエースになりたいですし、そのためにボールを前線で収めたりとか、チームのために走って戦ったりとか、そういうベースの部分もしっかりやっていきたいと思っています」。

 簡単な戦いではないことなんて、十分すぎるぐらい理解している。それでも、やるしかない。先人たちが受け継いできてくれたバトンを、自分たちも今度は次世代へと繋いでいく責任がある。前線からチームにエネルギーをもたらす、仙台ユースのアグレッシブなアタッカー。佐々木亮は確かな結果と戦う姿勢で、プレミアリーグに新しい風を吹き込む覚悟を整えている。



(取材・文 土屋雅史)
土屋雅史
Text by 土屋雅史

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