[MOM5444]流通経済大柏MF平野万緑(3年)_「いちいちそれ、するんだ」を心がけるファンタジスタ、躍動!「流経の新10番」がプレミア初ゴールで存在感!
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.11 プレミアリーグEAST第2節 流通経済大柏高 2-0 横浜FCユース 流通経済大柏高G]
どんな局面でも、この背番号10にボールが入ると、ピッチの時空が明らかに歪む。そのプレー選択は、いちいち効果的で、印象的。それがいちいちチャンスに繋がるのだから、相手にとってもたまったものではない。
「自分の特徴のポジショニングの良さや、間で受けてターンするところは、去年のチームでも通用していましたし、アイデアを出して『いちいちそれ、するんだ』みたいな面白いプレーをするのが楽しいので、そういうプレーが自分がサッカーをやっている意味に繋がるのかなと思います」。
その身体へサッカーセンスを存分に詰め込んだ、流通経済大柏高(千葉)が誇るファンタジスタ。MF平野万緑(3年=横浜F・マリノスジュニアユース出身)はサッカーができる幸せを噛み締めながら、圧倒的な存在へと駆け上がる道筋だけを見据えている。
「中盤でテンポ良くパスを繋ぎながら、チームとしても自分たちの良さを出せていましたし、自分も相手の間でターンして、前を向いてとか、結構身体は動いていたと思います」。
流経大柏にとっては、今季初のホームゲーム。横浜FCユース(神奈川)と対峙した一戦は、平野もそう振り返ったように、立ち上がりからテンポの良いパスワークを軸に、ゲームリズムを引き寄せる。
開始3分にはいきなり“アシストのアシスト”で魅せる。FW渡辺瞳也(3年)がポストプレーで残したボールを受け、少しドリブルで運ぶと左へ丁寧なラストパス。MF古川蒼真(3年)のシュートのこぼれを、FW福田明史(3年)がきっちりプッシュ。早くも1点をリードする。
以降も流経大柏の攻撃は、大半がこの人を経由する。「自分としてはサイドもできると思っているんですけど、コーチにも『あそこが適正だな』と言われているので、確かにとは思います」というダイヤモンド型の中盤の頂点に入り、スペースを見つけては、ボールを引き出し、効果的に配球。その立ち振る舞いは、まさに司令塔という呼び方がふさわしい。
さらに、この一戦では積極的にフィニッシュへと顔を出す。13分には福田とのワンツーから右サイドを突破し、ゴール左へ逸れるシュートまで。24分にもMF千葉友翔(3年)のパスを受け、右足を振った軌道はDFに当たって枠の右へ。さらに36分にも右サイドをドリブルで運び、シュートはゴール右へ外れたが、結果への意欲を前面に打ち出してみせる。
その積極性が実ったのは、前半終了間際の45分。右サイドを福田が抜け出すと、周囲をグルリと見渡し、すぐさまその状況下での最適解を導き出す。「明史が抜けて、マイナスでコースを作ろうと思いながら、ワンタッチでのシュートも考えたんですけど、打とうとしたら相手が下がったので、トラップして冷静に打てました」。
右足一閃。「少し感覚的なシュート」はGKを破り、ゴールネットへ突き刺さる。これが平野にとっては、プレミアリーグ初ゴール。「気持ち良かったですし、メチャメチャ嬉しかったです。ただ、みんなが喜んでいるのはスローモーションに見えましたね。そこも意外に冷静でした(笑)」。チームメイトの祝福に、10番にも笑顔が弾ける。
後半は終盤に数的不利を強いられたこともあり、やや押し込まれる時間帯もありながら、終わってみれば2-0できっちり勝利。「今日は良かったですね。スッといいところにボールを置かれてしまうので、ディフェンダーはファウルもできないですよ」と榎本雅大監督も口にした平野の躍動が、流経大柏の勝点3獲得へ大きく貢献したことに疑いの余地はない。


昨シーズンのプレミアリーグでは、途中出場で2試合に出場したのみ。基本的にはプリンスリーグ関東2部でのプレーが多かったものの、「(島谷)義進だったり、(山元)琉士は、『オマエの良さは全然通用するよ』みたいに言ってくれていました」と本人も振り返るように、その能力の高さは周囲も十分に認めていたという。
印象的だったのは高校選手権3回戦の大分鶴崎高戦。途中出場の平野がダイレクトで出したパスが、金子琉久の決勝点に繋がったのだが、これには榎本監督も「あのラストパスの感覚は、こちらもちょっとわからないレベルでした。『そこが見えているのか』と思いましたよ」と絶賛。人と違う独特の感覚は、去年のチームの中でも煌いていた。
高校入学後に送ってきた日常には、強い感謝の念があるという。中学時代に所属していた横浜F・マリノスジュニアユースからユースには上がれなかったものの、その背景にはケガが続いて、まともにボールを蹴ることもままならない苦境を味わった時期があったからだ。
「ジュニアユース時代はずっとケガしていて、ほとんどサッカーができないような感じだったんですけど、高校に入ってからはケガを克服して、ずっとサッカーできているので、今は凄く幸せです」。何の憂いもなくボールを蹴ることができる日々への感謝は、誰よりも強く持ち続けている。


流経大柏のラストイヤーで託されたのは背番号10。昨シーズンは水戸ホーリーホックへ加入した安藤晃希が、一昨シーズンは柚木創(流通経済大)が背負ってきたエースナンバーを今年は引き継ぐことになったが、必要以上に意識するつもりはない。
「10番を付けたいとはずっと思っていて、流経にとっては伝統的に良い選手が付けてきた番号なので、メチャメチャ嬉しかったです。ただ、確かに重みは感じていますけど、自分の良さはこれだという部分を出せば全然やれるので、特に気負ってはいないですし、そんなにプレッシャーには感じていないです」。良い意味で人は人、自分は自分。自分なりの10番像を確立させるため、磨いてきた武器をひたすらピッチ上で発揮するだけだ。
幸先良く開幕2連勝は飾ったものの、まだまだシーズンは始まったばかり。この先の進路を考えても、勝負の2026年。平野が口にした決意が、力強く響く。「自分としては高卒でプロになりたいので、ポジション的にも結果を出さないといけないですし、自分に厳しくする年かなと思っています」。
掲げるのは、上手い選手から、怖い選手へのバージョンアップ。流経大柏の10番を背負った異才系ゲームメイカー。平野万緑がそのポテンシャルを過不足なく解き放つ時、チームも次のステージへと力強く進化するはずだ。


(取材・文 土屋雅史)
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[4.11 プレミアリーグEAST第2節 流通経済大柏高 2-0 横浜FCユース 流通経済大柏高G]
どんな局面でも、この背番号10にボールが入ると、ピッチの時空が明らかに歪む。そのプレー選択は、いちいち効果的で、印象的。それがいちいちチャンスに繋がるのだから、相手にとってもたまったものではない。
「自分の特徴のポジショニングの良さや、間で受けてターンするところは、去年のチームでも通用していましたし、アイデアを出して『いちいちそれ、するんだ』みたいな面白いプレーをするのが楽しいので、そういうプレーが自分がサッカーをやっている意味に繋がるのかなと思います」。
その身体へサッカーセンスを存分に詰め込んだ、流通経済大柏高(千葉)が誇るファンタジスタ。MF平野万緑(3年=横浜F・マリノスジュニアユース出身)はサッカーができる幸せを噛み締めながら、圧倒的な存在へと駆け上がる道筋だけを見据えている。
「中盤でテンポ良くパスを繋ぎながら、チームとしても自分たちの良さを出せていましたし、自分も相手の間でターンして、前を向いてとか、結構身体は動いていたと思います」。
流経大柏にとっては、今季初のホームゲーム。横浜FCユース(神奈川)と対峙した一戦は、平野もそう振り返ったように、立ち上がりからテンポの良いパスワークを軸に、ゲームリズムを引き寄せる。
開始3分にはいきなり“アシストのアシスト”で魅せる。FW渡辺瞳也(3年)がポストプレーで残したボールを受け、少しドリブルで運ぶと左へ丁寧なラストパス。MF古川蒼真(3年)のシュートのこぼれを、FW福田明史(3年)がきっちりプッシュ。早くも1点をリードする。
以降も流経大柏の攻撃は、大半がこの人を経由する。「自分としてはサイドもできると思っているんですけど、コーチにも『あそこが適正だな』と言われているので、確かにとは思います」というダイヤモンド型の中盤の頂点に入り、スペースを見つけては、ボールを引き出し、効果的に配球。その立ち振る舞いは、まさに司令塔という呼び方がふさわしい。
さらに、この一戦では積極的にフィニッシュへと顔を出す。13分には福田とのワンツーから右サイドを突破し、ゴール左へ逸れるシュートまで。24分にもMF千葉友翔(3年)のパスを受け、右足を振った軌道はDFに当たって枠の右へ。さらに36分にも右サイドをドリブルで運び、シュートはゴール右へ外れたが、結果への意欲を前面に打ち出してみせる。
その積極性が実ったのは、前半終了間際の45分。右サイドを福田が抜け出すと、周囲をグルリと見渡し、すぐさまその状況下での最適解を導き出す。「明史が抜けて、マイナスでコースを作ろうと思いながら、ワンタッチでのシュートも考えたんですけど、打とうとしたら相手が下がったので、トラップして冷静に打てました」。
右足一閃。「少し感覚的なシュート」はGKを破り、ゴールネットへ突き刺さる。これが平野にとっては、プレミアリーグ初ゴール。「気持ち良かったですし、メチャメチャ嬉しかったです。ただ、みんなが喜んでいるのはスローモーションに見えましたね。そこも意外に冷静でした(笑)」。チームメイトの祝福に、10番にも笑顔が弾ける。
後半は終盤に数的不利を強いられたこともあり、やや押し込まれる時間帯もありながら、終わってみれば2-0できっちり勝利。「今日は良かったですね。スッといいところにボールを置かれてしまうので、ディフェンダーはファウルもできないですよ」と榎本雅大監督も口にした平野の躍動が、流経大柏の勝点3獲得へ大きく貢献したことに疑いの余地はない。


昨シーズンのプレミアリーグでは、途中出場で2試合に出場したのみ。基本的にはプリンスリーグ関東2部でのプレーが多かったものの、「(島谷)義進だったり、(山元)琉士は、『オマエの良さは全然通用するよ』みたいに言ってくれていました」と本人も振り返るように、その能力の高さは周囲も十分に認めていたという。
印象的だったのは高校選手権3回戦の大分鶴崎高戦。途中出場の平野がダイレクトで出したパスが、金子琉久の決勝点に繋がったのだが、これには榎本監督も「あのラストパスの感覚は、こちらもちょっとわからないレベルでした。『そこが見えているのか』と思いましたよ」と絶賛。人と違う独特の感覚は、去年のチームの中でも煌いていた。
高校入学後に送ってきた日常には、強い感謝の念があるという。中学時代に所属していた横浜F・マリノスジュニアユースからユースには上がれなかったものの、その背景にはケガが続いて、まともにボールを蹴ることもままならない苦境を味わった時期があったからだ。
「ジュニアユース時代はずっとケガしていて、ほとんどサッカーができないような感じだったんですけど、高校に入ってからはケガを克服して、ずっとサッカーできているので、今は凄く幸せです」。何の憂いもなくボールを蹴ることができる日々への感謝は、誰よりも強く持ち続けている。


流経大柏のラストイヤーで託されたのは背番号10。昨シーズンは水戸ホーリーホックへ加入した安藤晃希が、一昨シーズンは柚木創(流通経済大)が背負ってきたエースナンバーを今年は引き継ぐことになったが、必要以上に意識するつもりはない。
「10番を付けたいとはずっと思っていて、流経にとっては伝統的に良い選手が付けてきた番号なので、メチャメチャ嬉しかったです。ただ、確かに重みは感じていますけど、自分の良さはこれだという部分を出せば全然やれるので、特に気負ってはいないですし、そんなにプレッシャーには感じていないです」。良い意味で人は人、自分は自分。自分なりの10番像を確立させるため、磨いてきた武器をひたすらピッチ上で発揮するだけだ。
幸先良く開幕2連勝は飾ったものの、まだまだシーズンは始まったばかり。この先の進路を考えても、勝負の2026年。平野が口にした決意が、力強く響く。「自分としては高卒でプロになりたいので、ポジション的にも結果を出さないといけないですし、自分に厳しくする年かなと思っています」。
掲げるのは、上手い選手から、怖い選手へのバージョンアップ。流経大柏の10番を背負った異才系ゲームメイカー。平野万緑がそのポテンシャルを過不足なく解き放つ時、チームも次のステージへと力強く進化するはずだ。


(取材・文 土屋雅史)
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