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流経大柏の4選手が同時にプロ入り。切磋琢磨、尊敬し合うチームメイトたちと選手権日本一に挑戦

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流通経済大柏高のJリーグクラブ内定4選手が記者会見に出席。左から榎本雅大監督、ともに水戸ホーリーホック内定のMF島谷義進とMF安藤晃希ジュビロ磐田内定のDF増田大空東京ヴェルディ内定のFW大藤颯太

 流通経済大男女サッカー部と系列の流通経済大柏高男女サッカー部が8日、千葉県柏市の流通経済大柏中高でプロアマ内定合同記者会見を行った。

 流経大柏の男子サッカー部からは、2025年の高体連で最多の4選手がJリーグクラブ加入。東京ヴェルディ内定のFW大藤颯太(3年)、ともに水戸ホーリーホック内定のMF島谷義進(3年)とMF安藤晃希(3年)、そしてジュビロ磐田内定のDF増田大空(3年)の4選手が記者会見に出席した。

 大藤は会見で「1試合でも多くトップチームでのプレーを目指して、自分の特長である高さとスピードを活かしながら成長していきます」と挨拶。島谷は「中盤でのデュエルやセカンド(ボール)回収、そして運動量っていうのが武器です。その武器をしっかり水戸ホーリホックの勝利のために全力で発揮できるように頑張ります」と力を込めた。

 また、安藤は「1年目から水戸ホーリーホックのサポーターの記憶に残るようなプレーでJ1優勝に貢献できるように頑張りたいと思います」と意気込み、増田も「一刻も早く自分の武器である左足のキック、ゲームメイクを存分に出し、ジュビロ磐田の勝利に貢献できるよう頑張ります」と誓った。Jクラブ内定4人衆は、全国トップクラスの競争をするチームで切磋琢磨。同じタイミングでプロ入りする仲間の努力や成長を見てきている。

 大藤は190cm、82kgの大型ストライカーでスピード、得点力を兼備。島谷は大藤について、「1年生の頃の大藤とか見てると、目立つようなプレーはできていなかったと思いますけど、彼の努力っていうのはほんとに凄まじいものがあると思いますし、彼の努力がやっぱり今の結果に、プロ内定っていう風に繋がってると思うんで、その努力の姿勢っていうのはほんとに尊敬しないといけないなっていう風に思います」と説明する。

 また、左SBの増田は「(大藤は)やっぱ高さがあるんで、自分はクロス上げる側ですけど、多少自分のイメージがズレてもカバーしてくれたりするんで、ほんと助かるし、そういうところでは凄い」。プレミアリーグEASTやインターハイでも増田の左足キックから大藤が決めている。

 島谷は圧倒的な強度と運動量の光るボランチ。安藤は「(島谷は)もう90分、誰よりも走ってるんですけど、誰よりも疲れてないっていうところがもうシンプルに凄い。あと、足攣ったところを見たことないんで、シンプルに運動量と守備の予測とか、やっぱりアイツがいないと今の(流経大柏の)フォーメーション、サッカーは成り立たない。運動量の部分と守備の予測っていうのが一番尊敬している部分です」と讃える。

 また、島谷とともに名門校のダブルキャプテンを担う増田は、「ピッチ外での人間性の部分っていうのは1人の人間として尊敬しています」と明かす。その強烈なリーダーシップでタレント軍団を引っ張ってきた。

 その島谷とともに水戸入りする安藤は抜群のスピード、突破力で局面を打開するアタッカー。大藤は仲の良い安藤と、上手く行かない時にどうするかという話もしてきたという。また、同じ左サイドでプレーする機会の多い増田は「スピード、初速という部分はホントに凄いなと思います」と突き抜けた武器を評価する。

 そして、現在、安藤と寮の同部屋で過ごし、同じ水戸へ進む島谷は「プレー面でいうとドリブルはほんとに身近で見てても凄えなって思うし、対峙しててもほんとに速すぎるなとか思ったりする時もあって、ほんとにそこは尊敬しないといけない部分ではありますし、ホントに愛嬌があるんで。やっぱ優しくて、そういう部分は本当に毎日一緒に暮らしていて感じます」。ともに選手権で勝利、優勝に貢献し、プロで活躍することを目指している。

 最後に増田はU-17日本代表にも選出されている攻撃的な左SB。ビルドアップ力、チャンスメーク力にも長け、左足のクロス、プレースキックでゴールを演出する。安藤は増田について、「左SBなんですけど、そのゲームメイクできるところ、中に入っていってワンツーで攻撃の起点になったり、クロスでアシストしたり、CKのボールの質も全然他の選手と違うんで、やっぱり彼のキックの質っていうのは、ほんとに助かってる部分が多いので、尊敬している」と説明する。

 また、島谷は増田に助けられてきたという。「ダブルキャプテンとして1年間やらせてもらって、プレー面ではほんとに目に留まるというか、光るものがあって、みんなをプレーで引っ張っていくっていうのが彼の使命としてあると思うんですけど、精神的にも、自分があんまりまとめられない時は、しっかりそこに加わってやってくれてるんで助かっている部分もありますし、やっぱりプレーの面でも、人間性の面でも尊敬しないといけないなって思います」。高校卒業後は異なるクラブへ進むことになったが、プレー、人間性の面でも刺激を受けながら今後も切磋琢磨し続けていく考えだ。

 流経大柏は12月28日開幕の全国高校サッカー選手権に出場する。目標は前回大会の準優勝を超える優勝だ。榎本雅大監督は好調な選手を優先する起用法。攻守に力のある選手が多く、Jリーグクラブ内定の4選手も練習でアピールしなければピッチに立てる保証はない。

 島谷は「プロ内定決まってるから試合に出れるわけがなくて、エノさん(榎本監督)も好調な選手を使っていくっていう風に言ってるんで、自分も感じてる部分でありますし、プロ内定決まってるからっていう気持ちではなくて、やっぱり流経としてチームを勝たせたいっていう気持ちを持ってやっていきたいと思っています」。その上でこの4人がどこかで重要な役割を果たさなければならないことも感じている。

「この4人がやっぱりチームの顔ではあるので、プレー面でもほんとにチームを支えていくというか、チームを勝たせるプレーをしないといけないなっていう風に思いますし、やっぱり自分はキャプテンとしてチームの先頭に立ちたいなっていう風には思ってますし、チームをまとめないといけない立場でもあるんで、精神面でもチームが落ち着かせるようなプレーをできればいい」(島谷)。4人にとって選手権優はプロ入り前の大舞台。注目される中での戦いとなるが、良い意味でプロ入りする選手としての責任感を持って戦い、どんな形でもチームの優勝に貢献する。


(取材・文 吉田太郎)


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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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