内定会見で「高校選手権で活躍するよな?」「はい!」。前回決勝でPK失敗の流経大柏MF安藤晃希は背負い込み過ぎず、自分にできるプレーで先輩たちに恩返し
水戸ホーリーホック内定の流通経済大柏高MF安藤晃希(3年=tfaジュニアユース出身)が12月28日開幕の全国高校サッカー選手権で1年前の悔しさを晴らし、日本一を勝ち取ることを誓った。
安藤は8日、流経大柏と流通経済大とのプロアマ内定合同記者会見に出席。榎本雅大監督から「爆発的なスピードが持ち味です。昨年、高校選手権の決勝で最後PKを失敗するという、本当にあの中で一番悔しい思い出が残っている選手だと思います」と紹介された。
榎本監督はその選手紹介の中で突然、「この後行われる高校選手権で活躍するよな?」と決意の確認。安藤は「はい!」と応え、会見後に改めて全国高校サッカー選手権への意気込みを語った。
安藤は昨年度の選手権で全5試合に交代出場。抜群の突破力を披露し、初戦の佐賀東高戦ではゴールも決めている。日本一をかけた決勝でも、1-1の後半26分から途中出場。だが、PK戦で10人目に登場した安藤が右足シュートを止められると、その直後に前橋育英高MF柴野快仁に決められて準優勝となった。
安藤は「去年、自分が外して……大好きな3年生たちと優勝したかったのが、自分のせいでできなかったっていう悔しさがあって。でも、その中で一番悔しいはずの3年生が優しい声を掛けてくれて、『来年、オマエだぞ』って、『来年もオレらをまたここに連れてってくれ』みたいなことを言ってくれて、もうほんとに自分は選手権優勝でしかこの3年生たちに恩返しできないなっていう風に思いました」。敗戦の瞬間から選手権で日本一を取る、という思いは強くなったという。
「流経と榎本監督をほんとに日本一にするためにこの1年間頑張ってきたので、自分はもうあとは優勝させて、色々な人に恩返しできたらなって思っています」。選手権後にU-17日本高校選抜入りを果たし、新チームではエース番号の10番を託された。そして、10月には水戸加入内定。順調に来ているように映るが、あのPK失敗と敗戦の影響はとても大きかったようだ。
「(選手権決勝後の)最初の1か月はもうほんと、夜思い出して泣くぐらい、もう自分の中で悔しい思いっていうか、やっぱり申し訳ないって気持ちが大きくて……あそこまでほんと連れていってもらったのは(昨年の)3年生のお陰ですし、自分がもっとメンタル的にも技術的にも成長できてたら、もっと自分は今の3年生たちに何か貢献できてたんじゃないかなっていうのを考えてしまう時期はあったんですけど……。でも、やっぱりあそこで外したのも自分の中で試練っていうか、来年、自分が選手権優勝するためのモノだって自分の中で思いました」
この1年、インターハイでは優秀選手に選出されているものの、チームで抜群の成績を残してきた訳では無い。特に選手権予選では思うようなパフォーマンスをすることができず、決勝では先発しながら前半のみで途中交代に終わっている。これまでの「自分が結果を出さないと」「自分が勝たせないと」という気持ちが強すぎたことは、「ちょっと違うのかな」と考え方を改善。背負い過ぎることなく、チームが勝つために自分のできるプレーをすることに決めた。
「変に背負うんじゃなくて、やっぱり、もちろん勝たせるっていう、そういう気持ちは大事なんですけど、そういうのじゃなくて、シンプルにこの仲間と日本一取るっていう、やっぱそういう、自分だけが背負うんじゃなくて、流経をっていうか、チーム全体の思いを背負って、やっぱり1人で抱え込まないで背負い過ぎないでやろうと。自分のできるプレーをしたら絶対勝てると思っている」
選手権予選後のプレミアリーグEASTでは、柏U-18の注目MF長南開史らをドリブルでかわしてチャンスを創出。左サイドや前線で伸び伸びとプレーし、相手選手の脅威になっていた。水戸強化部スカウト担当の柏葉涼太氏は内定会見で安藤について、「爆発的なスピード、切れ味のあるドリブル、ゴールに向かっていく姿勢、マインド、そういったところを高く評価させて頂きました。性格のところは負けん気が強く、愛嬌もあり、水戸のファン、サポーターの皆さんにとっても愛されるような選手になっていけるという風に思っています」と説明。プロからも評価される武器を力まずに発揮できれば、選手権でもチームの勝利に必ず貢献できるはずだ。
1年前の決勝は延長後半にプレスをかけた際に足を踏まれ、PK戦は足を腫らせたままの状態でのキック。「ここで蹴らないと一生後悔する」という思いでPK戦に臨んだが、順番が10番目だったことで気持ちの準備ができていなかったのかもしれない。「ここで自分が決めて次に繋げるって気持ちが足りてなかったのかなっていう風に思っています」。現在は、当時からプレー面も、心構えも違う。
「やっぱり、去年の3年生には申し訳ないんですけど、あれからさらに選手権への気持ちが強くなったので、本当に自分たちは選手権で優勝するためだけにやってきたので、本当にあとは結果を出す、自分たちの本来の実力を出して優勝するだけかなと思います」。選手権で自分のプレーをすることで内定先の水戸にもアピール。安藤が今冬、選手権で先輩たちに恩返しをする。


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(取材・文 吉田太郎)
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安藤は8日、流経大柏と流通経済大とのプロアマ内定合同記者会見に出席。榎本雅大監督から「爆発的なスピードが持ち味です。昨年、高校選手権の決勝で最後PKを失敗するという、本当にあの中で一番悔しい思い出が残っている選手だと思います」と紹介された。
榎本監督はその選手紹介の中で突然、「この後行われる高校選手権で活躍するよな?」と決意の確認。安藤は「はい!」と応え、会見後に改めて全国高校サッカー選手権への意気込みを語った。
安藤は昨年度の選手権で全5試合に交代出場。抜群の突破力を披露し、初戦の佐賀東高戦ではゴールも決めている。日本一をかけた決勝でも、1-1の後半26分から途中出場。だが、PK戦で10人目に登場した安藤が右足シュートを止められると、その直後に前橋育英高MF柴野快仁に決められて準優勝となった。
安藤は「去年、自分が外して……大好きな3年生たちと優勝したかったのが、自分のせいでできなかったっていう悔しさがあって。でも、その中で一番悔しいはずの3年生が優しい声を掛けてくれて、『来年、オマエだぞ』って、『来年もオレらをまたここに連れてってくれ』みたいなことを言ってくれて、もうほんとに自分は選手権優勝でしかこの3年生たちに恩返しできないなっていう風に思いました」。敗戦の瞬間から選手権で日本一を取る、という思いは強くなったという。
「流経と榎本監督をほんとに日本一にするためにこの1年間頑張ってきたので、自分はもうあとは優勝させて、色々な人に恩返しできたらなって思っています」。選手権後にU-17日本高校選抜入りを果たし、新チームではエース番号の10番を託された。そして、10月には水戸加入内定。順調に来ているように映るが、あのPK失敗と敗戦の影響はとても大きかったようだ。
「(選手権決勝後の)最初の1か月はもうほんと、夜思い出して泣くぐらい、もう自分の中で悔しい思いっていうか、やっぱり申し訳ないって気持ちが大きくて……あそこまでほんと連れていってもらったのは(昨年の)3年生のお陰ですし、自分がもっとメンタル的にも技術的にも成長できてたら、もっと自分は今の3年生たちに何か貢献できてたんじゃないかなっていうのを考えてしまう時期はあったんですけど……。でも、やっぱりあそこで外したのも自分の中で試練っていうか、来年、自分が選手権優勝するためのモノだって自分の中で思いました」
この1年、インターハイでは優秀選手に選出されているものの、チームで抜群の成績を残してきた訳では無い。特に選手権予選では思うようなパフォーマンスをすることができず、決勝では先発しながら前半のみで途中交代に終わっている。これまでの「自分が結果を出さないと」「自分が勝たせないと」という気持ちが強すぎたことは、「ちょっと違うのかな」と考え方を改善。背負い過ぎることなく、チームが勝つために自分のできるプレーをすることに決めた。
「変に背負うんじゃなくて、やっぱり、もちろん勝たせるっていう、そういう気持ちは大事なんですけど、そういうのじゃなくて、シンプルにこの仲間と日本一取るっていう、やっぱそういう、自分だけが背負うんじゃなくて、流経をっていうか、チーム全体の思いを背負って、やっぱり1人で抱え込まないで背負い過ぎないでやろうと。自分のできるプレーをしたら絶対勝てると思っている」
選手権予選後のプレミアリーグEASTでは、柏U-18の注目MF長南開史らをドリブルでかわしてチャンスを創出。左サイドや前線で伸び伸びとプレーし、相手選手の脅威になっていた。水戸強化部スカウト担当の柏葉涼太氏は内定会見で安藤について、「爆発的なスピード、切れ味のあるドリブル、ゴールに向かっていく姿勢、マインド、そういったところを高く評価させて頂きました。性格のところは負けん気が強く、愛嬌もあり、水戸のファン、サポーターの皆さんにとっても愛されるような選手になっていけるという風に思っています」と説明。プロからも評価される武器を力まずに発揮できれば、選手権でもチームの勝利に必ず貢献できるはずだ。
1年前の決勝は延長後半にプレスをかけた際に足を踏まれ、PK戦は足を腫らせたままの状態でのキック。「ここで蹴らないと一生後悔する」という思いでPK戦に臨んだが、順番が10番目だったことで気持ちの準備ができていなかったのかもしれない。「ここで自分が決めて次に繋げるって気持ちが足りてなかったのかなっていう風に思っています」。現在は、当時からプレー面も、心構えも違う。
「やっぱり、去年の3年生には申し訳ないんですけど、あれからさらに選手権への気持ちが強くなったので、本当に自分たちは選手権で優勝するためだけにやってきたので、本当にあとは結果を出す、自分たちの本来の実力を出して優勝するだけかなと思います」。選手権で自分のプレーをすることで内定先の水戸にもアピール。安藤が今冬、選手権で先輩たちに恩返しをする。




ともに水戸入するMF島谷義進と記念撮影
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(取材・文 吉田太郎)
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