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桃山学院大で3度のシーズン2桁ゴール、今季は得点王…松本内定FW藤枝康佑が貫禄2発も決勝ラウンド進めず「恩返しをしたかった」

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FW藤枝康佑(4年=東山高/松本内定)

[12.6 インカレ予選ラウンド 日本大 3-2 桃山学院大 AGF]

 桃山学院大で3度のシーズン2桁得点を達成し、今季は関西学生サッカーリーグ1部で得点王。FW藤枝康佑(4年=東山高/松本内定)は高い得点能力を全国大会でも発揮したが、全日本大学サッカー選手権(インカレ)決勝ラウンドには進めなかった。

 2019年以来のインカレ出場となった桃山学院大は予選ラウンドで日本大と対戦。立ち上がりから押し込まれると前半7分に先制を許す苦しい展開となったが、最前線の藤枝が関東勢にも引けを取らずボールを収めて攻撃の起点になっていった。

 すると前半25分、GK森脇勇人(3年=磐田U-18)のロングボールを相手DFが後逸したところに藤枝が反応する。2人がカバーに向かってくる中で浮き球を胸で右に持ち出してシュートコースを作り、ペナルティエリア手前から右足一閃。「ファーストシュートだったのでしっかり振ろう」とストライカーらしく豪快に放った一撃をゴール左に突き刺して同点ゴールを奪った。

 さらに藤枝は前半44分、「突破力があって絶対クロスを上げてくれる」と信頼するDF田村遊吏(2年=履正社高)が右サイドを縦に仕掛けて供給した低いクロスに反応し、相手DFの前に体を入れてタップイン。得意とするワンタッチゴールで前半のうちに逆転に成功した。

 しかしチームは後半に再逆転されて2-3で敗戦。日本一を争う決勝ラウンドには進めず、予選ラウンド敗者を中心に構成される強化ラウンドに臨むことになった。藤枝は2得点の手応えよりもお世話になった桃山学院大で日本一を争う舞台に進めなかった悔しさを強調した。

「1年生から試合に絡ませてもらって、今の強みであるヘディングやポストプレーは大学で培ったものだと思っているのですごく感謝している。インカレ本戦(決勝ラウンド)に出て恩返しをしたかった気持ちが一番大きいので悔しい」

 東山高から進学した藤枝は関西2部だった1年目に13得点を決めて1部昇格に大きく貢献した。ところが2年目は1部で7戦4発と一定の結果を残して突入した後期、右足の第五中足骨を骨折して無念の離脱。それでも「あの期間でしっかり体作りに取り組めたのですごく良い期間だったのかなと思う」。肉体改革で現在はアピールポイントの一つとするポストプレーの能力が向上し、プレーの幅を広げた。

 怪我から復帰した3年目は再び2部を戦ったものの、11ゴールで2回目のシーズン2桁得点に到達した。さらに1部に戻ってきた今季は21戦18発と爆発。クロスに合わせるだけでなく背後への動き出しなども磨き、得点パターンを増やしたことが数字に表れたようだ。

 そうした活躍でチームを6年ぶりのインカレ出場に導くとともに得点王を受賞。さらには最優秀選手と甲乙つけがたい場合に設けられる敢闘賞にも、リーグ5年ぶりの受賞者として選出された。

 7月には松本山雅FCへの来季加入が内定し、すでに特別指定選手としてJ3の3試合に出場している。公式戦や練習を通じてプロレベルではシュートブロックされることが多いと感じており、「トラップからシュートまでの早さだったり、プレースピードを少し上げることをイメージして取り組んでいる」と藤枝。Jリーグでもゴールを量産するために意識を高めている。

 藤枝はプロ1年目からゴールで勝利に貢献する意欲を示すとともに、「自分がサッカー選手に憧れてサッカーを始めてプレーを真似したりというのがあったように、自分も活躍する姿を見せて子供たちに憧れてもらえるような選手になりたい」と目標を掲げる。

 ただ、まずは大学最後の大会となるインカレ強化ラウンドに集中。決勝ラウンドに進みたかっただけに悔しさは大きいものの、「まだこのチームで試合ができるとポジティブに捉えて、やるからには強化ラウンド優勝を目指して最後に結果を残したい」と前を向き、大学サッカーを笑顔で終える考えだ。

(取材・文 加藤直岐)

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加藤直岐
Text by 加藤直岐

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