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「この経験は絶対無駄にしない」“ロス五輪世代”17歳・佐藤龍之介がU-23フランス戦に出場、大岩監督が起用意図明かす

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MF佐藤龍之介

[7.17 国際親善試合 U-23日本 1-1 U-23フランス トゥーロン]

 未来につながる出場となった。後半43分、パリオリンピックメンバーのトレーニングパートナー、MF佐藤龍之介(FC東京)が途中出場した。大岩剛監督は試合後「トレーニングパートナーの選手たちを使いたいと思っていた」と語る。「龍之介は期待通りの動きをしてくれた」と評価した。

 U-23日本代表は18人でパリ五輪に臨むため、練習時の人員確保を目的としたトレーニングパートナーを5人、2028年ロサンゼルス五輪世代から選出していた。13日から現地入りすると、いち早く始動した海外組とともに練習に励んでいた。

 だが、指揮官は練習相手のみでなく、U-23フランス代表との試合に出場させる意思が最初からあったという。佐藤は「きょう出るチャンスがあるというのは合流したときから聞いていた」と明かす。大岩監督から受けた言葉は「1点取ってこい」。1-1で迎えた後半43分に佐藤が出場した。

 トレーニングパートナーの肩書はいったん忘れ、勝利を目指した。「チャンスを掴めたことはポジティブに捉えているし、今日に限ってはトレーニングパートナーではなくチームの一員として戦う気持ちだった」。果敢にボールを追い、パスを収めると冷静なタッチで展開。短い時間でも大きな可能性を垣間見せた。

 佐藤はフランスの印象を「いままで自分が見てきたなかでもトップに近い感覚」と語る。「一人ひとりが相手を剥がす力を持っていて、1人で行っても剥がされる。大岩監督からは2トップで追うように指示があった」。わずかな時間で数度のプレーチャンスはあったものの、試合は1-1で終了。佐藤は「得点を決めたかったけど、まずは出れてよかったというのも素直な気持ち」と振り返った。

 大岩監督は「まずは怪我がなくて、本当によかった」と目を細める。「龍之介だけではなくほかの選手も使いたかった。だけどこういうゲームなので、選手のコンディションを整えることと天秤にかけた。彼にとってみたらものすごく大きい10分間だった。日本の宝なんでね、順調に育ってくれればいいかなと思う」と期待を寄せた。

 今回のパリ五輪メンバーでも、MF藤田譲瑠チマ、MF山本理仁が東京五輪のトレーニングパートナーだった。佐藤も今回の選出、そして試合出場の意味を噛み締める。

「やはりそういった意味を込めて選んでもらったと感じている。自分が次のロス五輪の中心にならないといけないとも自覚している。まだ始まっていないけど、(五輪は)すばらしい大会というのも感じた。この経験は絶対に無駄にしないでやっていきたい」

 午後11時に試合を終え、翌朝には一度マルセイユのホテルへ。役目を終えたトレーニングパートナー5人は18日にフランスを発つという。

(取材・文 石川祐介)

●パリオリンピック(パリ五輪)特集(サッカー)
石川祐介
Text by 石川祐介

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