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W杯出場決定も…大関友翔が噛みしめる「1勝しかできなかった」アジア杯、決意新たにU-20日本代表スペイン遠征へ

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ACL勝利に喜ぶMF大関友翔

 勝負の年で一歩ずつ前進を続けていく。川崎フロンターレMF大関友翔はU-20日本代表の3月スペイン遠征メンバーに選出された。12日のAFCチャンピオンズリーグエリート決勝トーナメント1回戦第2戦・上海申花戦後には「まずアピールする。個人としてアピールすること」と代表期間中の目標を語った。

 5日のACLエリート第1戦では後半40分から途中出場。福島ユナイテッドFCへの期限付き移籍から復帰後初出場となり、また川崎Fでは2023-24シーズンのACLグループリーグ第6節・蔚山現代戦の途中出場に続き、公式戦2試合目の出場となった。試合には0-1で敗れたものの、気後れすることなくプレー。川崎Fでの台頭を期待させる動きだった。

 12日、チームは第2戦を大量4得点の4-0で制し、2試合合計でも4-1と逆転。8年ぶりのアジア8強入りを果たした。

 一方、大関は第1戦に続いてベンチスタートも、出番は来なかった。「アウェーでやったときよりボールを持てる時間も多かった。ライン間も空いていると思ったので、出場したら自分がライン間で行けるところを積極的にやりたいと思っていた」(大関)。悔しさは見せずにチームの勝利を喜ぶ。「勝つことが一番達成したかった目標だった。それを達成できてチームとしてよかった」と力を込めた。

 同日の試合直前、日本サッカー協会(JFA)からスペイン遠征に向けたU-20日本代表メンバーが発表された。16日から26日にかけて行われる活動で、20日にU-20フランス代表、24日にU-20アメリカ代表と国際親善試合を実施する。2月のU20アジアカップメンバーから10人が変更。欧州組も集うなか、大関はU20アジア杯に続いて名を連ねた。

 U20アジア杯では全5試合に出場した。準決勝オーストラリア戦のみ途中出場だったが、準々決勝までの4試合は先発で2ボランチの一角を務め続けた。激戦から半月が経ち、大関はU-20ワールドカップ出場権獲得の手応えとともに、ひとつの思いを明かす。

「振り返ってみれば、W杯の出場権は取れたけど……ただ、自分たちは1勝しかできなかった」

 グループリーグ初戦・タイ戦(○3-0)で勝利したものの、第2戦・シリア戦(△2-2)は2度のビハインドに辛くも追いついてドロー。第3戦・韓国戦(△1-1)は先制成功も後半アディショナルタイムに追いつかれた。W杯出場を懸けた準々決勝・イラン戦(○1-1/PK4-3)は120分で決着つかず。PK戦の末にW杯切符は掴んだが、公式記録としては引き分け扱い。そして準決勝・オーストラリア戦(●0-2)で敗戦。大関は5試合で1勝という現実を受け止めていた。

「しっかり90分で勝ち切ったのは1試合だけ。課題も多く残ったし、個の部分でも、組織としてももっとやらなきゃいけないこと、まだまだな部分が多かった」。国同士の威信をかけた戦いで大きな経験値を得た一方で、W杯への危機感も覚えていた。

 とはいえ、大関の顔に焦燥感はない。自身のやることが明確だからだ。「フロンターレで出ることが、U-20で圧倒的な自分の力を見せる自信にもなる。まずはフロンターレの基準で試合に出られるように持っていきたい」。今シーズンから川崎Fに帰還。ハイレベルなポジション争いだからこそ、手に入れられるものも多い。

 U20アジア杯・準々決勝をPK戦の末に制した直後、U-20W杯出場決定に歓喜しながらも、大関は「日本は行けることが決まったけど、自分が行けるかまだ決まったわけではない」と冷静だった。9月の本大会メンバー入りを懸け、大関は改めてスペイン遠征に向けて決意を固める。

「強豪国とできるので、自分の価値を示せるか、今どれだけできるか。W杯に向けて今どれだけ自分のレベルが上がっているのかを確かめる機会にしたい」。ACL後にも再び冷静な表情。週末から始まる代表活動に向け、気持ちを切り替えていた。

(取材・文 石川祐介)

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石川祐介
Text by 石川祐介

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