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貫禄すら漂う“有言実行”PK2本セーブ「PK戦で負けると思っていない」、18歳GK荒木琉偉(G大阪)を無類ストッパーに変えた“2つの大きな経験値”

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2本のPKを止め、勝利に貢献したGK荒木琉偉

[1.16 U23アジア杯準々決勝 日本 1-1(PK4-2) ヨルダン ジッダ]

 圧巻のPKセーブ2本で、勝利に大きく貢献した。U-21日本代表はヨルダンとのPK戦で4-2の勝利。GK荒木琉偉(G大阪)が相手のPK1本目、そして勝利を決定づける4本目を止め切り、喜びを爆発させた。

 ヨルダン戦の前々日、練習後の取材に応えた荒木はPK戦について言及していた。「PK戦は得意だと思っている。来ても負けると思っていない。全然問題ない」。そう力を込めた2日後、まさに有言実行の活躍を見せる。

 ヨルダンとの準々決勝で、日本は前半30分に今大会初の失点を喫するも、後半5分にFW古谷柊介のゴールで同点。1-1のまま延長戦でも決着つかず、PK戦に突入した。

 先攻の日本は1本目でDF市原吏音が真正面に蹴り込み、冷静に成功。後攻・ヨルダンの1人目がキックポイントに立つと、荒木は気迫を放った。

「後攻のキッカーのメンタル的にも、1本目を僕が止めることによって、メンタル面で優位に立てると思っていた」。相手の1人目が左利きであることから「(体を)ひねってナチュラルサイド(ゴール右)に出てくると思った。自分を信じて飛んだ」と振り返る。読みはドンピシャで的中し、左手一本でボールを完璧に止め切った。

 日本の2本目はFW道脇豊が務めた。シュートは相手GKに阻まれるも、宙に高く浮き上がったボールは地面にバウンドし、喜ぶGKをしり目にそのままゴールへ。「あ、入りそう」とゴール脇で得点を見届けた荒木は「ああいうところから自分たちの流れだった」と勝利を予感した。

 日本が4人目まで成功させると、相手の4人目を荒木が再び止めてみせる。日本が4-2でPK戦を制し、2本のPKセーブを見せた荒木は仲間とともに歓喜の輪を作った。

 試合後、荒木は応援してくれたすべての人に感謝する。「スタッフやサポーター、チームメイトが色んな声をかけてくれて、メンタル的に僕も落ち着いてPK戦に臨めた。そういう方たちに感謝したい」と思いを述べた。

 チーム最年少の弱冠18歳は、PK戦で貫禄すら漂わせていた。その要因を問うと、過去に積み上げた2つの大きな“経験値”を挙げた。

 ひとつは15歳のとき、G大阪ユースで経験した2023年夏の日本クラブユース選手権決勝。FC東京U-18との接戦は3-3で決着つかずPK戦にもつれ込んだ。味方の4人目が失敗してしまったなか、チームを救ったのは当時高校1年生の荒木。相手のシュートを止め切り、次で決めれば勝利という状況に整えた。チームはPK戦を5-4で制して優勝。荒木がMVPに輝いた。

23年夏の日本クラブユース選手権決勝では15歳でPK戦に臨む

価値あるPKセーブで大会MVPを受賞した

 もうひとつの経験は約1年前、25年2月に中国で行われたAFC U20アジアカップの準々決勝・イラン戦。一発勝負で4大会連続のU-20ワールドカップ出場が懸かる大一番で、試合は1-1のままPK戦に突入した。荒木はその巨躯で存在感を示すと、ボールに触ることはできなかったが、相手の1本目と2本目の失敗を誘発。4-3でPK戦を制し、世界行きの切符獲得に貢献した。

25年のU20アジア杯準々決勝ではU-20W杯出場を懸けたPK戦を制した

大きな経験を経て、PK戦に無類の強さを見せるようになった

「クラブユース選手権や、前回のアジア杯といった、そういう緊張感の舞台でのPK戦を経験してきていることによって、それが自分の武器になってきている」。2つの大きな経験値を得たことで、もはやメンタル的な要素が荒木のパフォーマンスを邪魔することはない。そして今回、アジアの舞台で3つ目の大きな経験値も獲得した。

 18歳のPKストッパーはアジアの頂点を見据える。「色んなエラーが起こるなかで勝ち切れたことはよかった。これから2試合もタフな試合が続くけど、(今回の経験が)そういう試合でも生きてくる」。新たな経験に胸を張りながら、次の試合でもゴールを守っていく。

(取材・文 石川祐介)

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石川祐介
Text by 石川祐介

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