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大宮MF杉本健勇が「先輩の妹」に捧げる今季初ゴール!「俺という人間は一生何でもかんでも言われる」苦悩も吐露

今季初ゴールで勝利に導いた杉本健勇

[3.23 J2第6節 大宮2-0水戸 NACK]

 勝利を決定的にするゴールになった。1-0で迎えた後半38分、RB大宮アルディージャは左クロスを弾かれて浮き球となったボールをMF杉本健勇が右足ダイレクトで狙う。これがそのままゴールネットに突き刺さると、1万1759人が詰めかけたスタジアムは、この日一番の盛り上がりをみせた。

 開幕6試合目での今季初ゴール。試合後のインタビューでは「適当に打ちました」とおどけた杉本だが、最後に「個人的な話になるんですけど」と話し始めると、「僕の大事な先輩の妹が先日亡くなったので、その方にこのゴールを捧げたい」と思いが詰まった得点だったことを明かした。

 32歳のシーズンは再びJ2で迎えている。昨年大宮に加入してキャリア初のJ3を戦った杉本だが、10得点を決める活躍。17シーズンにJ1で22得点を決めたシーズン以来となる年間2桁得点を記録して、“復活”をアピールした。C大阪で活躍した印象が強いが、これまで浦和や横浜FMといったビッグクラブに在籍。なかなか結果を残すことができないこともあり、悩ましいシーズンも過ごした。

 そして杉本に関しては、SNSなどで多くのヘイトが飛び交うことが多い。「結局自分のプレーをしても、チームのために頑張っても、俺のポジション、俺という人間は一生何でもかんでも言われる。心無い声もたくさんあって、別に俺は調べるとかないけど、たくさん言われる」。杉本自身も苦悩を隠そうとしない。

 ただそういった声は結果で黙らせるしかないことも分かっている。「チームメイトとか監督の信頼があれば別にいいと思っている。まずはチームのために出し切ることは大事」と自らに言い聞かせるように語ると、「ちょっと喋りすぎた」とにこやかに話して会場を後にした。

(取材・文 児玉幸洋)

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児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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