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大宮が上位対決連勝でJ1自動昇格圏浮上! 序盤戦の不調乗り越えた19歳DF市原吏音「自分がJ1に上げるつもりでここに残った」ついに完全復活へ

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RB大宮アルディージャのDF市原吏音

[5.10 J2第15節 大宮 3-0 仙台 NACK]

 RB大宮アルディージャベガルタ仙台との上位対決を3-0で制し、前節・千葉戦(◯2-1)に続く“トップ2”相手の2連勝で自動昇格圏内の2位に浮上した。またこれが4試合ぶりの完封勝利。試合後、19歳にして最終ラインの要を担うDF市原吏音は「3-1で終わるのと3-0で終わるのとは全然違う。前線の選手が躍動して3点取ってくれたので自分たちのタスクはゼロで抑えることだと思っていた。それができて良かった」と手応えを語った。

 この日の大宮は立ち上がりこそセットプレーでゴール前を攻め込まれ続けたが、守備陣が身体を寄せて自由にシュートを打たせず、ピンチを回避。前半16分に最初のチャンスからFWファビアン・ゴンザレスが先制ゴールを沈めて以降は、中盤に5-4-1のブロックを敷きながら攻め手をうかがい、堅守を保ったまま加点するというしたたかな試合運びを見せた。

 終わってみればボール支配率は43%にとどまったが、スコアは3-0の完勝。市原は「相手に持たせているという感じはしなかった」と振り返りつつも、「中をしっかり締めて、サイドに追い出して、クロスは上がってくるけど中で弾き返せばいいというスタンスだった。チームでも共有していたし、やられる感じは正直しなかった」と安定した守備を誇った。

 今季の大宮はJ3時代の昨季に引き続いて3-4-2-1と4-4-2のフォーメーションを使い分けながら戦うなか、試合中のシフトも柔軟にこなすことで、相手に合わせた攻守のバランスを構築している。その中で市原は3バックの中央、4バックのCBという異なる役割を担当。味方の背後を守るカバーリングと、前に出て相手を狩る迎撃守備を使い分けながら相手に対応する姿が頼もしく映る。

「「(最終ラインが)4枚だったり、(3バック+左右ウイングバックの)5枚だったりするので行く行かないは判断になるけど、ガブ(DFガブリエウ)と予測を持ってアタックできているし、試合を重ねるにつれて僕自身もコンディションも上がってきて、ガブとの信頼関係もよくなっている。これをどんどん続けていきたい」(市原)

 最近の試合では「出て行くタイミングも予測も成長していると感じている」と手応えを重ねているようで、その要因には隣に立つガブリエウの影響もあるという。今季加入の30歳に全幅の信頼を置く19歳は「ブラジル人らしく前に行く迫力がすごいし、一人決めてその人を潰すような気迫を隣にいるだけで感じる。そこは自分の持っているいいところでもあるので見習いたい」と話した。

 さらに最近の市原は判断力という頭の部分だけでなく、相手よりも“速く強く”動くという身体の部分でも状態の良さを感じさせている。シーズン開幕前のAFC U20アジア杯では直前合宿を別メニューで調整し、大会中も不安定な身体動作が垣間見えたが、いまは不調を乗り越え、フィジカルコンディションも向上過程にあるようだ。

 市原は当時の状態について「言うとダサいじゃないですか」と多くを語りたくなさそうな様子で「ピッチに出ると言ったのは僕だし、その上で出ていいパフォーマンスができなかったのが自分。ケガを言い訳にしたくない」ときっぱり口にする。ただ、大宮に戻ってきてからも「本来の自分のプレーというか、あまりいいプレーができていないなというのは自分でもわかっていた」のは認めるところだ。

 それでもなお、ピッチに立ち続けることへの責任は強く感じていた。世代別日本代表のリーダーとして他クラブからの注目が集まる中でも、レッドブルグループのもとで改革が進むこのクラブに残る決断をしたからだ。

「無傷でどこも痛くない状態でシーズンをプレーするのは無理。僕自身はシーズンずっと出ていたいタイプだし、自分がJ1に上げるつもりでここに残ったので自分が自分がという気持ちはある」。その一心で自身の身体と向き合い、試合に出ながら回復を進めてきた市原。「信じて使い続けてくれるテツさん(長澤徹監督)の思いもあったし、最近は調子が良いのでこれを続けていきたい」と、ここから本領発揮の構えだ。

 9月下旬には自身がキャプテンとして出場権を獲得したU-20W杯も控えており、J1昇格と世界一という2つの目標を追い求める戦いが続く。

「U-20W杯って一回しか来ないじゃないですか。僕はもうこれを逃したらU-20には出られないので、ここにかける思いは強い。それはみんなが持っていると思う。なんとしても優勝したい気持ちがある。それに悔いが残らない大会にしたいなというのは僕自身思っていて、世界各国の良い選手とやれる良い機会。自分がJリーグでこうやって試合に出させてもらっている責任感をプレーで示せるように良い準備をしていきたい」

 大宮のために、日本のために——。頼れる19歳がついに完全復活を迎えようとしている。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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