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国際プロ選手会がJ・WEリーグの選手1500人超に大規模調査…クラブ選びの決め手、経済状況などが明らかに

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 国際プロサッカー選手会(FIFPRO)アジア・オセアニア支部は16日、東京都内で総会を開き、Jリーグ・WEリーグの選手1562人に調査した労働環境、待遇、セカンドキャリアなどに関するアンケート結果を一部公表した。

 FIFPROはプロサッカー選手の権利保護に取り組む選手会・労働組合組織。アジア・オセアニア支部は日本の他、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、カタールなど11か国の選手会で構成され、6000人以上の選手を代表している。今回は日本で13年ぶりに総会が開かれ、FIFPRO本部のアレックス・フィリップス事務総長やアジア・オセアニア支部のボー・ブッシュ会長、辻翔子事務総長ら役員が来日し、ディスカッションを行った。

 一部プログラムは報道陣にも公開され、Jリーグの1364選手とWEリーグの198選手に調査したアンケートの結果が公表された。調査項目はクラブ、リーグ、キャリア、エージェント、選手会と多岐にわたり、公表された集計結果からは労働環境、待遇、セカンドキャリアなどに関する選手たちの考えが表れた。

▼クラブを選ぶ際に最も重要な要素は何ですか?
 選手が所属クラブを選ぶ際に重要視する要素に関する質問では、J1・J2・J3、WEリーグでそれぞれ次のような回答割合となった。どのカテゴリも「選手としての成長」が最上位。一方、男子ではカテゴリが下がるにつれて基本給へのプライオリティが上がり、女子選手は男子選手に比べてクラブカルチャーや環境面を重視する傾向が明らかになった。

・J1リーグ
1.選手としての成長 70%
2.基本給 46%
3.チームの強さ 33%
4.クラブの評判(カルチャー、環境、施設、スタッフなど) 27%
5.代表選出・活躍の可能性 19%
6.クラブの所在地 7%

・J2リーグ
1.選手としての成長 73%
2.基本給 54%
3.クラブの評判(カルチャー、環境、施設、スタッフなど) 32%
4.チームの強さ 27%
5.代表選出・活躍の可能性 8%
6.クラブの所在地 7%

・J3リーグ
1.選手としての成長 64%
2.基本給 62%
3.クラブの評判(カルチャー、環境、施設、スタッフなど) 35%
4.チームの強さ 26%
5.代表選出・活躍の可能性 6%
6.クラブの所在地 7%

・WEリーグ
1.選手としての成長 77%
2.クラブの評判(カルチャー、環境、施設、スタッフなど) 55%
3.基本給 30%
4.チームの強さ 22%
5.代表選出・活躍の可能性 11%
6.クラブの所在地 7%

▼クラブがあなたの身体的・心理的な安全性にリスクをもたらすと感じたことはありましたか?
 選手の身体的・心理的な安全性に関する質問では、男子選手に比べて女子選手が高いリスクを感じており、リスクを感じている選手は全回答者の約1/4に上った。主な要因は拘束時間の長さやスケジュールの過密さ、監督・スタッフからの精神的なストレスが挙げられたという。

・「Yes」と答えた選手の割合
J1リーグ:17%
J2リーグ:16%
J3リーグ:16%
WEリーグ:25%
※参考 WKリーグ(韓国女子):15%

▼あなたの経済状況をどのように説明しますか?
 経済状況に関する質問では、カテゴリ間での格差が浮き彫りとなった。「全く安定していない」と答えた人はJ1リーグの10%、J2リーグの16%に対し、J3リーグでは32%を占めた。またJ1リーグでも「とても安定している」「きわめて安定している」と答えたのは31%にとどまり、豪州Aリーグの40%より大幅に少なかった。


・J1リーグ
全く安定していない 10%
やや安定している 59%
とても安定している 25%
きわめて安定している 6%

・J2リーグ
全く安定していない 16%
やや安定している 69%
とても安定している 14%
きわめて安定している 2%

・J3リーグ
全く安定していない 32%
やや安定している 59%
とても安定している 8%
きわめて安定している 1%

・WEリーグ
全く安定していない 19%
やや安定している 64%
とても安定している 15%
きわめて安定している 3%

※参考
・Aリーグ男子
全く安定していない 10%
やや安定している 50%
とても安定している 37%
きわめて安定している 3%

・Aリーグ女子
全く安定していない 18%
やや安定している 57%
とても安定している 22%
きわめて安定している 2%

▼引退後の生活にどの程度準備ができていると感じていますか?
 セカンドキャリアに向けた準備に関する質問ではJ1リーグの44%、J2リーグの64%、J3リーグの60%が「全く準備ができていない」と答え、Aリーグの18%に比べた格差が明らかになった。オーストラリアで選手の待遇改善を進めてきたボー・ブッシュ会長によると、同国では日本で整備が進んでいない団体交渉の提供が大きな役目を果たしているという。


・J1リーグ
全く準備ができていない 44%
やや準備ができている 26%
とても準備ができている 3%
きわめて準備ができている 1%
わからない 11%

・J2リーグ
全く準備ができていない 64%
やや準備ができている 21%
とても準備ができている 6%
きわめて準備ができている 0.4%
わからない 9%

・J3リーグ
全く準備ができていない 60%
やや準備ができている 26%
とても準備ができている 4%
きわめて準備ができている 0.2%
わからない 5%

・WEリーグ
全く準備ができていない 64%
やや準備ができている 24%
とても準備ができている 3%
きわめて準備ができている 1%
わからない 9%

※参考
・Aリーグ男子
全く準備ができていない 18%
やや準備ができている 53%
とても準備ができている 17%
きわめて準備ができている 4%
わからない 8%

・Aリーグ女子
全く準備ができていない 15%
やや準備ができている 39%
とても準備ができている 28%
きわめて準備ができている 10%
わからない 8%

▼Jリーグ/WEリーグの人気を高めるために改善すべき点は何ですか?
 人気向上に対する現状認識に関する質問では、J1・J2・J3リーグの選手が「プレーの質」「放送」「リーグの露出」「ブランディング」「雰囲気」にそれぞれ50%前後のプライオリティーを置いたのに対し、WEリーグでは「マーケティング」「給与」「放送」の回答が多く、ピッチ外への課題感が明らかになった。(※詳細なパーセンテージは明かされず、棒グラフのみ公表)


 FIFPROは今後、今回報道公表対象外となったデータも含め、各クラブの詳細な結果を含むレポートを日本プロサッカー選手会(JPFA)に提供予定。JPFAは選手たちに結果を共有し、フィードバックを得たり、リーグ・クラブにも通知することで待遇改善などに役立てていくという。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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