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森保監督が欧州組の移動・連戦問題に言及「覚悟を持って戦ってくれている」

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森保一監督

 日本代表森保一監督が12日、MIZUHO BLUE DREAM MATCH・カナダ戦(13日、デンカS)の前日会見に出席し、欧州組の長距離移動・連戦問題に言及した。11日の取材対応ではMF久保建英(ソシエダ)がこの問題を指摘。「日本で待ってくれている人もいるし、チケットも新潟は完売だと聞いている。そういった人たちのために試合ができるのはすごく幸せ」としながらも、「きつさがあるのも事実」と疲労を口にしていた。

 森保監督は会見の質疑応答でこの問題について問われ、まずは「海外組の選手たちが日本で戦う時には、特にヨーロッパの大会に出ている選手は連戦をして、長距離移動や時差があり、そして気候が違うという過酷な条件でも日本のために日本代表の一員として戦う覚悟を持って、毎回招集に応じてくれているし、頑張ってくれている」と欧州組に敬意を示した。

 その上で、9月の欧州遠征では国内組が同様の条件にあったことも指摘。今回の活動に向けては「国内組もハードな日程の中、今回は日本でやるとはいえ、疲労がある中、疲弊している中、日本のために代表選手として志を持って、覚悟を持って集まってきてくれている」とし、国内組の奮闘も称えた。

 長距離移動の問題をめぐっては昨年6月、当時主将を務めていたDF吉田麻也が、2018年夏からの4年間で地球8周分にも及ぶ約31万8000kmの移動をしていたことが国際プロサッカー選手会(FIFPRO)の調査で判明していた。

 森保監督はこのデータにも触れつつ、「本当に過酷な条件の中、選手たちは日本代表として、日本のために覚悟を持って戦ってくれている。それをメディアの皆さんに理解していただき、より多くの方々に知っていただけると、選手が覚悟を持って、志を持って戦っていることを理解した上で試合を見ていただけるかなと思っている」と理解を求めた。

 もっとも11月からは北中米W杯2次予選が開幕。一つの国際Aマッチウィークに2試合が行われる中、第1戦は木曜日に組まれているため、初戦に向けた準備期間は今回の活動期間より短くなる見込みだ。

 森保監督は「今回は金曜日の試合だが、W杯予選は第1戦が木曜日の開催になる。選手たちは土曜、日曜など週末に戦った上で合流し、最後に集まる選手は火曜日、もしくは水曜になる可能性もある。トレーニングする時間もないし、選手はリカバリーする時間もないまま公式戦を戦わないといけない」とさらに厳しい日程が待っていることを指摘。現時点での対策は明言しなかったが、「選手の頑張りにおいては私自身リスペクトの気持ちでいつもいっぱいになっている。そういう選手たちにサポーターの皆さん、国民の皆さんで応援していただければと思っている」とサポートを求めた。

(取材・文 竹内達也)
●北中米W杯アジア2次予選特集ページ
竹内達也
Text by 竹内達也

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