beacon

魅惑のサッカーで降格争いから優勝争いへ…柏のリカルド体制1年目が終了

ポスト
Xに投稿
Facebookでシェア
Facebookでシェア
URLをコピー
URLをコピー
URLをコピーしました

試合後のセレモニーで柏のサポーターに挨拶をするリカルド・ロドリゲス監督

[12.6 J1第38節 柏 1-0 町田 三協F柏]

「昨シーズンまで柏レイソルは降格争いに苦しんでいました。そういう意味でも今シーズンこのような形でシーズンを終わることを多くの方々が予想していなかったと思います。にもかかわらず、このような素晴らしいシーズンを過ごすことができたのは選手たちのおかげですし、このスタイルのおかげだったと思います」

 就任1年目で、昨シーズンの17位から2位までチームを引き上げたリカルド・ロドリゲスは、最後まで貫いた攻撃サッカーと、それを体現した選手たちを労ったーー。

 1月9日の始動から新体制発表会を経て、チームは鹿児島県でのキャンプへ。「キャンプから良い手応えをみんな感じていました」というDF三丸拡の言葉が偽りでないことを証明するように、始動から1か月後の2月9日に行われたちばぎんカップで、高いレベルでポゼッションサッカーを展開。昨シーズンまでのレギュラーで先発入りしたのはDF古賀太陽、MF小屋松知哉、FW細谷真大の3選手のみで、昨シーズンは出番が限られていたMF熊坂光希を加えた4選手を除く7選手が新加入(MF仲間隼斗は復帰組)ながら、千葉を圧倒した。

 その翌週のJ1開幕戦では、福岡を下して白星発進。第4節終了時に3勝1分で首位に立った以降も安定した戦いを続け、シーズンを通して5位以内をキープし、最終節まで優勝を争った。特筆すべきは負け試合の少なさだ。FC町田ゼルビアのDF昌子源が「5敗しかしていないのに2位」と驚きの声をあげたように、2位・柏の5敗はリーグ最少で、優勝した鹿島と3位の京都が8敗で続く。加えて今シーズンのJ1の20チームで連敗をしなかったのは、柏のみだ。「5敗しかしなかったというのは十分評価に値する」と柏のリカルド監督も誇らしげに語った。

 それでも、優勝までは「勝ち点1」が届かなかった。負けない試合が多かった一方、勝ちきれない試合も多かったことが要因としてあげられる。上位との対戦成績を見ると、1位・鹿島には2敗、3位・京都と4位・広島とはともに2分、5位・神戸には1分1敗で、6位・町田にはアウェーでは0-3で敗れていたが、最終節で1勝をあげることができた。肝心な試合で勝利することの重要性を古賀は改めて語っていた。MF小泉佳穂は勝ち点を落とした試合として、ホーム新潟戦(△1-1)、ホーム京都戦(△3-3)、アウェー京都戦(△1-1)、アウェー鹿島戦(●2-3)をあげた。

 柏が苦手としたのは、上位陣のようにフィジカルを武器にするチームだ。直近の試合で課題として浮き彫りになったのは、ロングスロー対策。セットプレーから3失点を喫して敗れた広島とのルヴァン杯決勝は、柏にとってタイトルを逸したということ以上に衝撃的な敗戦だった。とりわけロングスローから許した2失点は、選手に少なからずショックを与えていた。

 最終節の町田もロングスローを含めたセットプレーを武器にしており、192cmのDF望月ヘンリー海輝をはじめ、180cm以上のフィールドプレイヤーが6人先発していた。柏で180cmを越えるフィールドプレイヤーは古賀とDF杉岡大暉の2人のみだったが、最後まで町田に得点を許さなかった。「チームがしっかり積み上げてる部分は表現できたんじゃないかなと思います」と町田戦を振り返った小屋松は、1-0での勝利をシーズンの「集大成」と位置づけていた。

「このスタイルこそがタイトルを取ることにつながる近道であると、そして多くの方々を幸せにしながらタイトルを取る方法だと確信を持ったシーズンでもありました。来シーズンに向けてもさらにチームを補強し、そしてより良いチーム編成をしてタイトルを取れる、そのようなチームを作り上げていきたいと思っています」(リカルド監督)

 降格争いの渦中から、優勝争いの主役へ。チームはいまだ発展途上。積み上げた1年は、まだ序章にすぎない。新生・柏の物語は、まだはじまったばかりだ。

(取材・文 奥山典幸)

●2025シーズンJリーグ特集
▶話題沸騰!『ヤーレンズの一生ボケても怒られないサッカーの話』好評配信中
奥山典幸
Text by 奥山典幸

「ゲキサカ」ショート動画

TOP