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長崎新スタ開業1年、いまだ知られざるこだわりの数々…「あの空間がなぜできたか」設計者インタビューで深層に迫る!

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 日本一ピッチから客席までの距離が近いサッカー専用スタジアムとして長崎市に誕生した「PEACE STADIUM Connected by SoftBank」。昨年10月の開業から1年余り、来季からのJ1昇格が決まったV・ファーレン長崎のホームゲームの他、ソシエダ(スペイン1部)との親善試合や、なでしこジャパン(日本女子代表)の国際親善試合が行われ、県内外のサッカーファンの注目を集めてきた。
 
 スタジアムにホテル、商業施設、オフィス、アリーナが融合されている点も大きな魅力で、施設全体を示した名称「長崎スタジアムシティ」の来場者数は開業1年間で485万人を記録。試合のない日も市民の賑わいの場として開放されており、単なるサッカースタジアムにとどまらない画期的な施設となっている。

取材は12月上旬に実施。J1昇格ムードに包まれていた

 全体の基本計画と、スタジアム、ホテル、商業棟の実施設計を担当したのは株式会社竹中工務店。ゲキサカでは12月上旬、設計を担当した小林要氏にインタビューを行い、いまだ深く知られていないサッカースタジアムを中心とした街づくりへの思いに迫った。

―長崎スタジアムシティの試みはこれまで日本になかったものだと思います。モデルケースを探すことも難しい中で、どのように全体のデザインを描いていったのでしょうか。
「まずは(事業主の)ジャパネットさんの地域創生への強い想いが大きかったですね。地元の長崎は転出超過が国内ワーストを記録しているという社会的な課題がある中で『長崎を元気にしたい。恩返しをしたい』というところからこのプロジェクトが始まっていて、初めから“最終的に何を作りたいか”ということよりも、“長崎を元気にするためには何が必要なのか”という視点を持たれていました。このプロジェクトはジャパネットさんがV・ファーレン長崎というプロサッカーチームを持っており、三菱重工跡地の敷地がちょうど入札にかかっていたというタイミングが一致したことで始まったのですが、サッカーのホームゲームは年間20試合ほどしかないなかで、民設民営でやるのであればいかに持続可能なプログラムを組むかという点が非常に重要なポイントになります。そこでホテルを始めとしたいろんな施設と融合させ、事業を持続可能とするための収益化を図りながら、市民の方々に楽しんでいただける空間をどう作れるか、その空間をどうやって作っていくかという流れで大枠のプログラムができていきました」

―サポーター席からピッチの近さ、街に馴染んだ空間づくり、ホテルからピッチを見下ろせる構造など、一つひとつのディテールからもこだわりを感じます。設計を進めるなかでどのような点を大事にしていましたか。
「ここは語ると長くなりますね(笑)。まず大きな記憶として残っていることとして、このプログラムは結果的にトータル約1000億をかけたプロジェクトになったんですが、一時は『お金を絞ろう。採算を取ろうと思ったら建築予算をもっと抑えないとダメだ』というような時期もありました。ただ、ジャパネットの髙田(旭人)社長は取捨選択をする時の価値基準がはっきりしていて、『サポーター、市民がワクワクするか』という明確な基準で意思決定をされました。したがって観客の方が喜ばれるような空間、市民がピッチを身近に感じられるあの空間がなぜできたかというと、そういった一つひとつの意思決定が積み重なっていたからだと思います。そういった髙田社長の長崎愛の目線と、僕ら建築のプロとしての『2階に上がった時にこうピッチの緑が見えたらきっと喜んでくれるよね』といった具体的な目線、そしてプロジェクトチームの一人一人が持つワクワクと事業性の目線が組み合わさったことで、客観性を持った感動空間が最終的にできたような気がしています」


―とても面白いです。竹中工務店は評価の高いサッカースタジアムの設計事例もありますし、さらに言えば公共建築という点では数え切れないほどのプロジェクトに関わっていると思います。そのなかでもこのプロジェクトのなかで新たに得られた知見はあったんでしょうか。
「ちょうど弊社がこのプロジェクトに声を掛けていただいたきっかけが、同じサッカー専用スタジアムで、ヨーロッパ的な没入型の空間を弊社が設計施工で取り組んだ市立吹田サッカースタジアム(大阪府)でした。我々としてはサッカースタジアムにおいてはヨーロッパ的な没入型のサッカー専用スタジアムの多くの知見が積み上がっていました。しかし、このプロジェクトではその上で市民にどう開かれたものにしていくかがポイントでした。サッカーのホームゲームは年間に20試合ほどしかないという中で、いかに残りの340日余りを市民の方々に楽しんでいただくか。髙田社長は世界中のスタジアム、アリーナ、ボールパークを視察されたなかで、アメリカのボールパークでは観客は試合に集中するよりも、その場で飲んだり食べたりという社交場としての面を大事にしており、そのための場所もすごく豊かにできていたので、そういったところは日本に持ってくる価値があるんじゃないかというお話をされました。社長が出張に行かれると、そのたびに『これをやりたいんだよね』という写真をジャパネットのプロジェクトメンバーに送られていました。それが我々設計担当者にも回ってきて、その思いがダイレクトに共有されていきました。なので、僕らとしてもいろいろな気付きがありましたし、サッカースタジアムだけを作るのであればものすごく自信があったんですが、その上でどう開かれたものにするかという点でジャパネットさんとミックスしたからこそ新しくできた空間なんじゃないかなと思います」

―ジャパネット側が最もこだわられていたのはどのようなところでしたか。
「一つはVIPエリアの作り方ですね。これはヨーロッパのスタジアムにもありますが、選手入場前の通路にラウンジを設置していますし、バックスタンド側にもホテルと一体となったVIPエリアを設けています。VIPの方々に楽しんでいただくことで収益をいただいて、一般の方々には通常の価格で楽しんでいただこうということで社長からもインプットがありました。特にこれは民間だからできることでもありますね。公営施設だとVIPエリアにパワーをかけられず、誰しも使える施設を作ろうという発想になりがちです。またホテルと一体化していることで、ホテルのフルサービスをVIPの方に提供できるという相乗効果もあります。収益化の観点では“重ね使い”が一つのテーマになるのですが、ホテルは朝食会場として使われている場所が試合の日はホテルビュースイート専用ラウンジに変わります。そこで提供している食事もホテルで調理したものであり、高いクオリティとホスピタリティを実現しています。そして普段のホテルの朝食はサッカーの芝生を見ながら食べることができる。そういったプログラム同士の相性なども社長、プロジェクトメンバーの方々とのアイデアをもとに空間化していきました」

選手入場を間近に見ることができるミックスゾーン横のVIPラウンジ

ホテルの朝食会場は試合日、ホテルビュースイート専用ラウンジに変わる

―先ほどおっしゃった「スタジアムで食事を楽しめる」という点では、個人的にはグルメのエリアが印象的でした。2階のバックスタンド内部にフードホールがあるのですが、そこからスタジアム内のスタンドに出られるような動線になっているんですね。今まで見たことがないほどシームレスで、ピッチをすごく身近に感じました。
「そこは設計者のほうから『こうしたほうがもっと魅力的になります』といった提案をさせていただき、その価値を共有しながら実現していった部分です。ここは私が提案させていただきました。」

試合のない日でもにぎわうフードホールのグルメストリート

フードホールと連続するテラス席

―それはぜひ聞かせてください。あの構造がとてもユニークですし、素晴らしいと感じました。
「ありがとうございます。提案するにあたり、単純にバックスタンド中央に(通路のために)穴を開けてしまうと、価格帯の高い席が減るので収益が落ちるんですね。なので、最初は難色を示す意見もあったんですが、収益面でも影響のないように下段席全体の構造そのものを見直して、『座席をしっかり増やすことでここに穴を開けてもペイできます!』ということでセットで再提案し、ご理解をいただき実現に至りました。あの部分はホテル棟とスタジアムがくっついているところでもあるので、設計上の収まりが非常に難しい部分でもあり、自分が提案したとはいえ設計チームが非常に苦労したところです。ただそれが記憶に残っていただけたのならありがたいです」

―まさか実現された方に直接お伝えできると思っていなかったので嬉しいです(笑)。そのほかにスタジアム周辺で工夫したことはありますか。
「通常はロッカールームなどもホーム側のグレードを高く設計するのですが、ここはピーススタジアムということで『あらゆることが平等につくることが重要』ということを社長が最初から掲げておられ、ホームとアウェーを同じ作りにしています。またお客さんに対しても、新幹線で来るお客さんのためにJR長崎駅に近い南側にアウェー席を持ってきて、アリーナやJR浦上駅に近いほうにホーム席を持ってきています。また隣接のアリーナではBリーグの試合と重なることもあるのですが、そうなっても人が滞留しすぎないようにコンコースを2階と3階の2層構造にしているのも工夫した点です。あとは日常時は開かれた空間を感じていただけるように注力をしているので、あらゆるところに“抜け”を作っています。長崎の豊かな景色を感じられるようにということもそうですし、長崎は坂が多くて平地が少ないことからあらゆる屋上を活用しようと、有効に空間を使い切るために商業等の屋上に無料の大きな足湯を作ったり、アリーナの屋上にフットサルコートを作ったり、極め付けはスタジアム上空のジップラインですよね。屋上や上空のアクティビティを充実させ、その光景をも観客席に座って楽しんでいただけるようにということで心地よい空間づくりをしていきました」

長崎の絶景が楽しめるジップライン

―開かれた空間を作りつつも、試合の臨場感が高く保たれているのは見事ですよね。そのあたりはどう感じていますか。
「僕も建設中、現場に行きながら毎日興奮していたのですが、選手がミックスゾーンから出て行った瞬間、正面にホテルがありますよね。その圧倒的な景色と、日本で一番近い約5m先のピッチに囲まれた芝生というのは誰しも血が沸き立つんじゃないかという確信がありました。Jリーガーでない僕ですらそう思っていたので、きっと選手にとって良いんじゃないかと思っていましたし、サポーターの方々も同じ思いだろうなと。また選手目線で言いますと、このスタジアムは選手の家族のこともすごく大切にしており、ホテルの一室に家族室として特別にしつらえた部屋を用意しているんです。家族を大事にし、選手が高揚するような構造になっており、そのあたりは選手への高いホスピタリティになっていると思っています。」

選手たちはミックスゾーンからホテルを見上げながら入場する

スタンド上部には段差が。Jリーグのスタジアム規定で客席には屋根の設置が求められるため、視野を奪わずに基準を満たす工夫が凝らされている

―夏にソシエダの日本ツアーを取材していたのですが、久保建英選手は「ヨーロッパでもなかなかこれほどの施設はない」という話をしていました。
「僕もアメリカやイギリスのスタジアムも見たんですが、これは日本でしかできない空間だと思いました。もっと言えば長崎だからこそできた空間なのかもしれません。普段から座席もオープンにされていて、自由に座ることができて、芝生の近くにも行けるんですが、みんなが大事に守ってくれていますし、座席も掃除して帰ってくれるんです。現地に行くと地元にできた大事な宝物を守っているような感覚が感じられて、その感覚は長崎の出島など異国文化を受け入れてきた気質や歴史と関係あるのかなと思っています」

ソシエダの選手たちのなかでも大人気だったというプール。宿泊者が利用できる

―ソシエダの監督と選手が数人で散歩している場面にも出くわしたのですが、すごくのどかな雰囲気だったことを思い出しました。ちなみに設計者の立場から「もっとここは知ってほしい!」というポイントはありますか。
「僕ら建築をやっているので、例えばメインスタンドの屋外階段を歩いていて、上にコンクリートと鉄の構造体がリズミカルに並んでいて、右に川があって、その先に長崎の港が見えて……という光景を見ると、この場所だからこそできた魅力的な空間を感じ興奮するんですよね。なので、俗に言うザ・スタジアムというような空間の良さももちろん大事ですが、建築自体と景色との組み合わせという点でスタジアムの外部にも魅力があるよということは感じていただきたいなと思いますね」

ホテルからは稲佐山が一望でき、長崎らしい地形が見渡せる

―すごく分かります。遠くに見える港だったり、稲佐山に沿って色合いの揃った住宅街が広がっていたりというのはスタジアムから見える景色として素晴らしいなと思いました。よく“借景”みたいな言い方がされますが、周辺の景色を活かすことも意識して作られたんでしょうか。
「そうですね。おっしゃるように長崎は山々に囲まれていて、数少ない平地に建てるとなると、“見る、見られる”のような関係になるんです。スタジアムのある施設が周りの山々から見られるような独特の場所に建っているので、周りとの在り方では我々設計者として当然、気にしないといけません。さっきおっしゃった色合いの話で言いますと、長崎の色を調査するといわゆる“グレージュ”、グレーがかったベージュが多いことからスタジアムの外壁もその色に合わせています。また稲佐山からの景色は (上海、モナコと並ぶ)世界新三大夜景に認定されているんですが、そこにスタジアムのような巨大施設が邪魔をしてはいけないので、共用部の照明を周辺の住宅街と同じ点光源にしていて、その色も街並みと調和するような温かみのある電球色にしていました」

―奥が深くて面白いです。
「先ほど触れましたホテルに関しても、実は他にも非常に重要な役割を果たしているんです。あの場所に建っていることで音の増幅を呼んで、スタジアムの熱狂空間を作っているんですが、街に対しては緩衝帯になって大きな音を軽減させています。また長崎の風はちょうど山と山を抜ける方向に流れているんですが、南側から来た風がホテル棟に当たって吹き下ろすことで、芝生の育成に必要な風の流れを起こすという効果もあります。もちろんホテル自体がスタジアムシティにとって必要な機能ではあるのですが、様々な効果をシミュレーションした上でホテル棟を配置したことで、スタジアムとしての強みを倍増することができていると思います。こうした相乗効果という点は商業施設にもあって、内部の共用部が少ないアウトモール型の構成にしているんですが、これはスタジアムそのものが共用部という考えによるものです。スタジアムという十分な座席を持った巨大な休憩場が中心にある施設なので、商業棟は極力店舗だけにして、休む場所などはスタジアムを活用していただくことで各建物が効率化を図れるというのもポイントだと思います。いろんな要素が融合することによってどんな体験が生み出せるかいうのは関係者みんなで考え続けてきたことなので、それがこのプロジェクトの強みだと思います」

ホテルのインテリアも竹中工務店がデザイン。サッカーをモチーフにした多角形が目を引く

廊下に芝生を模したフロアも。タッチラインに沿って建てられているため、実際のピッチの長さが体験できる

―共用部の考え方は良いですね。最近では公園など不特定多数の人が入り得る空間をできるだけ減らして、管理しやすい有料のスペースに入ってもらうという考え方も増えていると思うのですが、そこに“開かれている”ことへのこだわりを強く感じます。ただ逆に管理できないことに対する葛藤はなかったんでしょうか。
「そこは事業主であるジャパネットさんの強い思いですよね。作った目的が街を元気にするということであり、そのためのサッカースタジアムのあり方はどうなの?ということから入っているので。あの会社のすごいところはそこがブレないところだと思います」

―明確なビジョンを持った大型プロジェクトゆえの先進性がすごく伝わってきました。設計者という立場から見て、この取り組みの位置付けをどのように感じていますか。
「これが日本最初のモデルケースになるプロジェクトだというのはみんなが意識していました。その点、髙田社長がすごいのは『長崎を元気にしたい』ということだけでなく、『日本を元気に』という視点も同時に持っておられることだと思います。今はスポーツを軸に街おこしをという機運が起こりつつありますが、民設民営で成功する事例を作るんだということをおっしゃっていました。モデルケースというものは全くないんですよ。いろんなところから『成功するはずがない』というネガティブな発言も受けながら、まずは手探りの状態で試行錯誤しながらでも完成させて、『ここまでやれば成功するんだ』とか『複合させていくことが肝になるんだ』とか、そういったことがいろんな事業者に伝わって日本各地が元気になればというのをずっとおっしゃっていて、そういう思いがあったから実現したプロジェクトですね」

―少し小林さんの個人的なお話もお聞きしたいんですが、設計者としてこうしたプロジェクトの先頭で関わるのはどのような心境なんでしょうか。
「もう想像もできなかったものですよね(笑)。ただ、地域創生はいまの日本においてとても大切な旗印なんです。一つの建築でありながら、街そのものの元気に直結するようなプロジェクトというのはなかなかないので、そのようなプロジェクトに携われてすごく幸せですし、だからこそ大変な活動でした」

―建築物は一つの物体ではあると思いますが、現地に行って楽しんでいる人の姿を見ると、その物体が生み出す無形の価値のようなものも感じました。
「たしかに僕らが作ったのは空間なんですが、一番大事なのはそこで何を体験してもらえるかです。髙田社長は “非日常”という言葉をおっしゃっていて、その非日常の体験や時間が長崎の人たちにきっと元気を与えるということで『非日常を日常に』というコンセプトを押し出していました。そうした非日常なスポーツの体験やコンサートの体験など、今までの長崎ではなかなか例がなかったことが長崎の人の日常になって、その旗印にこの場所がなっていくのではないかなと思います」

―『ゲキサカ』は高校生や大学生の読者が多いので、最後に一つ聞かせてください。就職後にこのようなサッカーに関する大きなプロジェクトに関わってみたいという人も多いのではないかと思いながらお話を聞いていたのですが、どのような人が向いているんでしょうか。
「難しいですね(笑)。ただ今回はジャパネットさんはじめたくさんの関係者と一緒に作りましたが、今までになかったようなことにチャレンジして、常識にとらわれずに頑張れる会社だからこそできたプロジェクトだと思います。また弊社は設計施工の会社ですから、設計的な知恵、施工的な知恵を踏まえてあらゆるバックアップをしてくれる組織だったおかげでこのプロジェクトができたなとも思うので、自分自身の強い想いをもった真っ直ぐな人、そしてこれまで見たことのないもの作りをしたいという人は向いているんじゃないかなと思いますね。急に振られたので、答えになっているかは分かりませんが(笑)」

―就活説明会のような問いで申し訳ありません(笑)。
「いえ、でも実は僕もずっとサッカー少年だったんです。小中高大とやっていて。そういえばサッカースタジアムのような大きな仕事に携われたらいいなと思ってこの会社に入ったんですが、忙しさにかまけていて今まで忘れていました(笑)」

―大学までとなると相当なサッカー歴ですよね。スタジアム設計をしたいという話をされていたんですか?
「入社の時も言っておらず、そういったチャンスがたくさんあればいいんですが、なかなかないので、目の前の仕事をしっかりやろうと働いてきたんですが、こういう機会にたまたま巡り合って携わることができて幸運でした(笑)」


―とても素敵な話です。
「だから僕、あの時の夢が叶っていました。でもこのプロジェクトを思い返すと、あらゆる時に『サッカーやっている人間としてどうなんだ』という目線は入っていたように思います。『ピッチがこう見えたほうがきっと興奮するだろう』とか、それこそ『フードホールから抜けてピッチが見える空間がどれだけたまらないか』というのを僕は分かるので、「こうしましょう!」とブレずに力説できたんじゃないかなと思います(笑)」

―さきほどの「ミックスゾーンからピッチに出て、ホテルが見えた光景が……」という話も凄まじいリアリティでした(笑)。
「あの時は本当に毎回興奮していました(笑)。自分が大学まであれだけサッカーを頑張っていたことも忘れていましたけど、あれは本当に興奮しました。なので、いますごく腑に落ちました。この仕事に関わることができて、あの頃のサッカー少年の夢が実現したんだと思います」

(インタビュー・文 竹内達也)

「新たな感動と体験を創造する長崎スタジアムシティ」実施設計と施工を担当した、竹中工務店のプロジェクト担当者の声をご紹介

 竹中工務店は、長崎スタジアムシティにおいてサッカー専用スタジアムを核に、ホテル・商業施設・アリーナを融合させ、市民の日常と非日常が交差する新しいスタジアムモデルを実現した。また、長崎スタジアムシティ以外にも、「Panasonic Stadium Suita」や「サンガスタジアム by KYOCERA」、「ヨドコウ桜スタジアム」など、国内有数のサッカースタジアム建築を数多く手がけている。

竹中工務店公式サイトはこちら

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竹内達也
Text by 竹内達也

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