大ケガで始まったプロ人生、自信を失った日々も…千葉FW石川大地が30歳でJ1初ゴール「心のどこかで自分はやれると信じる部分は持っていた」
J1初ゴールを決めたFW
[2.27 J1百年構想EAST第4節 町田 2-1千葉 Gスタ]
度重なる大ケガを乗り越え、地道に結果を残し続けてきた男がついにJ1での初ゴールを奪った。ジェフユナイテッド千葉のFW石川大地は0-2で迎えた後半19分、右サイドを駆け上がったMFイサカ・ゼインからのクロスに反応し、右足ダイレクトでシュート。ふわりと浮き上がったシュートがクロスバー下に当たり、ゴールマウスに転がり込んだ。
チームの狙いのなかで、スペースを逃さないポジショニングが光った。イサカからのクロスが送り込まれる際、まずはFWカルリーニョス・ジュニオが町田守備陣を引き連れ、ニアサイドへ。そこで町田守備陣が一斉にラインを下げたの対し、石川はあえて遅れてゴール前に入ることで、ペナルティアーク内でフリーになった。
「ウイングとセンターFWが相手のディフェンスラインを1列目で引っ張ってくれたので、自分はライン間で受ける動きをして、2列目のところに必ず間に合うように行けていたのがうまくゴールにつながったと思う」(石川)
ダイレクトで放ったシュートは軸足の左足をかすめており、狙った形ではなかった。「ちょっと軸足に当たってしまって、キーパーも読みづらかったようなボールが行ってしまって……(笑)」。だが、ミスキックすらもゴールに繋げられるのがFWとしての凄みだ。「しっかりミートできれば良かったけど、でもFWとして結果を残せたのが一番大事だと思うので、これを次につなげていきたい」と前向きに語った。
昨季から千葉に加入し、今大会で初めてJ1カテゴリに挑戦している石川にとって、これがJ1での初ゴール。水戸啓明高時代にインターハイと全国高校選手権でいずれも2得点を記録し、桐蔭横浜大でさらに得点力に磨きをかけてきたストライカーがついに日本のトップカテゴリにその名を刻んだ。
2018年に当時J2だったFC岐阜でプロ入りし、今季で9年目。決して順風満帆なプロ生活ではなかった。1年目はプレシーズンのキャンプ序盤に左膝関節前十字靱帯損傷という大ケガを負い、リハビリからのスタート。同年中に復帰を果たし、J2初ゴールも記録したが、翌19年後半戦はJ3のアスルクラロ沼津に期限付き移籍し、そこから3年半にわたってJ3リーグでのプレーが続いた。
それでも22年、ガイナーレ鳥取でのJ3リーグ33試合15得点という大活躍を経て、下剋上キャリアを軌道に乗せてきた。翌23年には当時J2のロアッソ熊本に移籍し、17試合9得点と結果を出していた矢先、再び右膝前十字靭帯・半月板損傷で長期離脱を強いられたが、翌24年の復帰後も27試合10ゴールの活躍。千葉からのオファーを勝ち取り、29試合10得点の活躍を果たした結果、チームとともにJ1の舞台に上り詰めた。
そうして掴み取った30歳でのJ1初ゴール。「自分としては自信を失っていた期間が長かったので、それを取り戻すのに苦労したなという感覚がある。でも心のどこかで自分はやれるという部分、自分を信じる部分は持っていたので、それがちょっとずつ出てきたのかなと思います」。そう話す石川にとっては「目の前」の試合に向き合い続けてきたからこその勲章だった。
「今はもうがむしゃらにやっているだけ。そこまで周りが見えているわけではなく、一つ一つ、目の前の相手、試合にとにかく無我夢中に戦っているという感じですね。これまでも目の前、目の前をしっかりやってきた結果が今につながっているので、この先も目の前をしっかりプレーしてそれが未来につながればなと思います」
ゴールシーンに代表されるようなフィニッシュワークだけでなく、ライン間に立って攻撃を前進させられるのも石川の強み。この日も前半25分、素早いターンからイサカに決定的なラストパスを通すなど、チャンスメイクでも際立っていた。そんな多才な遅咲きストライカーには小林慶行監督も全幅の信頼を寄せているようだ。
「まずはパフォーマンスがすごく安定しているのが彼のストロングの一つ。技術があるだけでなく、ライン間で受けられるところもそうですが、最終的にゴールゲッターにもなれる。また守備のスイッチを入れられる貴重な存在で、長いボールが入った時のセカンドボール回収能力も抜群に高いので、やっぱりピッチ中央に置いておきたいなとどうしてもこちらとしては考える選手ですね」
それでも指揮官はさらに言葉を続け、より大きな期待を寄せていた。「彼自身もチームの中で発言しているけど、もっとやれる、もっと自分でできるということを感じているので、そこは引き続きトライしてほしいですね」。初めてのJ1リーグにも十分に適応しているのは紛れもない事実。だが、17年ぶりのJ1昇格を果たした千葉がこの百年構想リーグで自信を掴み、26-27シーズンのJ1残留につなげていくためには、この活躍がコンスタントに続いていくことが不可欠になる。
待望のJ1初ゴールも、長いシーズンを見渡せば一つの通過点。石川自身も「ここから自分が活躍するにあたっては間違いなく自信になっていく部分でもあると思うので、ここからどんどん点を重ねられるように頑張っていきたいなと思います」と気持ちを切り替えていた。
次節は柏レイソルとのダービーマッチ。J1初勝利を奪って勢いをつけるには格好の相手となる。
1月31日に行われたプレシーズンマッチのちばぎんカップでは1-2で敗れながらも、石川自身はゴールを決めていた。「ちばぎんでも負けているので借りを返せるようにチームとして戦っていきたい。(ゴールは決めたけど)他の部分で何もさせてもらえなかったので、そこを改善しつつ、また得点を取れれば」と果敢に連発を狙う。
(取材・文 竹内達也)
●Jリーグ百年構想リーグ特集
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度重なる大ケガを乗り越え、地道に結果を残し続けてきた男がついにJ1での初ゴールを奪った。ジェフユナイテッド千葉のFW石川大地は0-2で迎えた後半19分、右サイドを駆け上がったMFイサカ・ゼインからのクロスに反応し、右足ダイレクトでシュート。ふわりと浮き上がったシュートがクロスバー下に当たり、ゴールマウスに転がり込んだ。
チームの狙いのなかで、スペースを逃さないポジショニングが光った。イサカからのクロスが送り込まれる際、まずはFWカルリーニョス・ジュニオが町田守備陣を引き連れ、ニアサイドへ。そこで町田守備陣が一斉にラインを下げたの対し、石川はあえて遅れてゴール前に入ることで、ペナルティアーク内でフリーになった。
「ウイングとセンターFWが相手のディフェンスラインを1列目で引っ張ってくれたので、自分はライン間で受ける動きをして、2列目のところに必ず間に合うように行けていたのがうまくゴールにつながったと思う」(石川)
ダイレクトで放ったシュートは軸足の左足をかすめており、狙った形ではなかった。「ちょっと軸足に当たってしまって、キーパーも読みづらかったようなボールが行ってしまって……(笑)」。だが、ミスキックすらもゴールに繋げられるのがFWとしての凄みだ。「しっかりミートできれば良かったけど、でもFWとして結果を残せたのが一番大事だと思うので、これを次につなげていきたい」と前向きに語った。
昨季から千葉に加入し、今大会で初めてJ1カテゴリに挑戦している石川にとって、これがJ1での初ゴール。水戸啓明高時代にインターハイと全国高校選手権でいずれも2得点を記録し、桐蔭横浜大でさらに得点力に磨きをかけてきたストライカーがついに日本のトップカテゴリにその名を刻んだ。
2018年に当時J2だったFC岐阜でプロ入りし、今季で9年目。決して順風満帆なプロ生活ではなかった。1年目はプレシーズンのキャンプ序盤に左膝関節前十字靱帯損傷という大ケガを負い、リハビリからのスタート。同年中に復帰を果たし、J2初ゴールも記録したが、翌19年後半戦はJ3のアスルクラロ沼津に期限付き移籍し、そこから3年半にわたってJ3リーグでのプレーが続いた。
それでも22年、ガイナーレ鳥取でのJ3リーグ33試合15得点という大活躍を経て、下剋上キャリアを軌道に乗せてきた。翌23年には当時J2のロアッソ熊本に移籍し、17試合9得点と結果を出していた矢先、再び右膝前十字靭帯・半月板損傷で長期離脱を強いられたが、翌24年の復帰後も27試合10ゴールの活躍。千葉からのオファーを勝ち取り、29試合10得点の活躍を果たした結果、チームとともにJ1の舞台に上り詰めた。
そうして掴み取った30歳でのJ1初ゴール。「自分としては自信を失っていた期間が長かったので、それを取り戻すのに苦労したなという感覚がある。でも心のどこかで自分はやれるという部分、自分を信じる部分は持っていたので、それがちょっとずつ出てきたのかなと思います」。そう話す石川にとっては「目の前」の試合に向き合い続けてきたからこその勲章だった。
「今はもうがむしゃらにやっているだけ。そこまで周りが見えているわけではなく、一つ一つ、目の前の相手、試合にとにかく無我夢中に戦っているという感じですね。これまでも目の前、目の前をしっかりやってきた結果が今につながっているので、この先も目の前をしっかりプレーしてそれが未来につながればなと思います」
ゴールシーンに代表されるようなフィニッシュワークだけでなく、ライン間に立って攻撃を前進させられるのも石川の強み。この日も前半25分、素早いターンからイサカに決定的なラストパスを通すなど、チャンスメイクでも際立っていた。そんな多才な遅咲きストライカーには小林慶行監督も全幅の信頼を寄せているようだ。
「まずはパフォーマンスがすごく安定しているのが彼のストロングの一つ。技術があるだけでなく、ライン間で受けられるところもそうですが、最終的にゴールゲッターにもなれる。また守備のスイッチを入れられる貴重な存在で、長いボールが入った時のセカンドボール回収能力も抜群に高いので、やっぱりピッチ中央に置いておきたいなとどうしてもこちらとしては考える選手ですね」
それでも指揮官はさらに言葉を続け、より大きな期待を寄せていた。「彼自身もチームの中で発言しているけど、もっとやれる、もっと自分でできるということを感じているので、そこは引き続きトライしてほしいですね」。初めてのJ1リーグにも十分に適応しているのは紛れもない事実。だが、17年ぶりのJ1昇格を果たした千葉がこの百年構想リーグで自信を掴み、26-27シーズンのJ1残留につなげていくためには、この活躍がコンスタントに続いていくことが不可欠になる。
待望のJ1初ゴールも、長いシーズンを見渡せば一つの通過点。石川自身も「ここから自分が活躍するにあたっては間違いなく自信になっていく部分でもあると思うので、ここからどんどん点を重ねられるように頑張っていきたいなと思います」と気持ちを切り替えていた。
次節は柏レイソルとのダービーマッチ。J1初勝利を奪って勢いをつけるには格好の相手となる。
1月31日に行われたプレシーズンマッチのちばぎんカップでは1-2で敗れながらも、石川自身はゴールを決めていた。「ちばぎんでも負けているので借りを返せるようにチームとして戦っていきたい。(ゴールは決めたけど)他の部分で何もさせてもらえなかったので、そこを改善しつつ、また得点を取れれば」と果敢に連発を狙う。
(取材・文 竹内達也)
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