マイクを手に取ると堂々と宣言した。「目に見える結果を出し続け、守備でも違いを生み出し、4年後に必ず川崎フロンターレに帰ります」。

　MF加治佐海(1年=川崎FU-18)もこの日、桐蔭横浜大に入学する学生の一人として会見に出席した。今年度は18人の新入生が選手として入部するが、唯一、世代別代表歴を持つ選手でもある。

　桐蔭大と川崎Fには深い関係がある。桐蔭大は1998年にのちに川崎Fで監督を務めることになる風間八宏氏を招へいして本格強化を始めたチームで、地理的にも練習場が近いことから頻繁な交流を続けている。そして選手も19年から24年まで5年連続で送り出した実績もあり、MF橘田健人やFW山田新は主力を担っている。

　そして加治佐も川崎F帰還を意識した桐蔭大進学になっている。高卒でのトップ昇格を目指した選手の一人で、昨夏まで土屋櫂大、柴田翔太郎(明治大進学)と3人が最終候補まで残っていたというが、トップ昇格を勝ち取ったのは土屋だけだった。

「結果を残し続ければ(トップ昇格が)あると言われていた中で、去年のプレミアリーグで自分はあまり点を取れなかった。だから大学ではとにかく目に見える結果にこだわりたい。それに自分の得意な前線からの守備を伸ばしていければと思います」

　ただ大学サッカーが簡単な世界でないことも分かっている。一学年上の先輩で、プレミアリーグEAST得点王の称号を持って桐蔭大に進学してきたFW岡崎寅太郎が、1年目から関東大学リーグで15試合に出場しながらも1得点に終わった。「プレミア得点王でもなかなか点を取れないリーグで、自分が点を取ることは難しいと思うけど、そういう環境でやれるのは嬉しいこと。ポジティブに捉えて頑張っていきたい」。1年目から先輩を上回る結果を残すことで爪痕を残す。

(取材・文　児玉幸洋)

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●第99回関東大学リーグ特集