beacon

[MOM4350]川崎F U-18DF柴田翔太郎(2年)_U17アジアカップ戦士が“挑戦者の気持ち”で再スタート

このエントリーをはてなブックマークに追加

川崎フロンターレU-18のU-17日本代表左SB柴田翔太郎(2年=川崎フロンターレU-15出身)が攻守両面で奮闘。CKで決勝点となるオウンゴールを誘発した

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.8 高円宮杯プレミアリーグEAST第11節 川崎F U-18 1-0 FC東京U-18 保土ケ谷]

 U-17日本代表のアジア制覇に貢献したU17アジアカップ決勝(対韓国、3-0)から6日。川崎フロンターレU-18の左SB柴田翔太郎(2年=川崎フロンターレU-15出身)は、前半から左サイドで運動量を増やし、攻撃参加を繰り返した。敵陣深い位置で攻撃に係わり、クロス。また、中へ運んで右足を振り抜き、ゴールを脅かすシーンもあった。

 精力的に攻め上がる一方、U-17日本代表の右サイドでコンビを組んだFC東京U-18MF佐藤龍之介(2年)とマッチアップする場面も。「敵としてやるのは不思議な感覚」と振り返った相手エースとの競り合いでは、完璧に止めきることができなかったと反省する。

 それでも、激しいチェックで佐藤の行く手を阻むなど、味方のサポートも受けながら無失点。そして、後半45+4分に左サイドからの右足CKで決勝点となるオウンゴールを誘発した。

 ゴール方向に向かうボールを意識したキック。「(ボールが)思った以上にゴール方向に向かっていた。自分がイメージしているよりも良いボールが行ったかなと。キックの回数を重ねていたので、最初からフィーリングが良かったけれど、(特に試合終盤は)合ってきた感じはあります」と振り返るCKが決勝点に結びついた。

 5分が掲示されたアディショナルタイムの残り1分強で生まれた先制点。俊足DFは先頭に立って反対サイドのベンチまで駆け抜け、仲間たちと喜びを爆発させた。「喜んだらオレのゴールになるかなと」と微笑んだ柴田は、まるで自分のゴールかのような振る舞い。記録はオウンゴールとなったものの、U-17日本代表でも担当していたCKの精度を発揮し、宿敵・FC東京U-18からの劇的な白星を演出した。

 柴田は運動能力が高く、左右のSB、SHでハイレベルな動きをする万能型。今回のアジアの戦いは「ちょっと代表まで自チームで出れない時期があった。今回の活動は、次行けなくても良いやという思いで本気で取り組んでいた」と振り返る。

 その思いとともに戦ったU17アジアカップは、「今までの代表活動の中で一番成長を実感できたというか、本当に凄い経験ができた」という日々に。負ければ解散という重圧の中でメンタル面、プレー強度を高めることができたと考えている。

 そして、芽生えた「世界も」の思い。「(アジアが)終われば(日本代表は)ずっと行きたい場所ですし、ワールドカップで自分が活躍すると思い描いて、本当に4か月しかないですけれども、あっという間に過ぎると思うので、後悔だけは絶対にしたくないですし、ワールドカップのメンバーに自分が入るために4か月本当に無駄にしたくないと思います」と心境の変化を明かした。

 U-17ワールドカップメンバーを目指す選手は日本中、チーム内にもいる。この日はU-17日本代表候補でもあるMF加治佐海(2年)が前半からハイペースで攻守。長橋康弘監督は悔しい思いをしながらレベルアップを目指していた選手、また新たな基準を持ち帰ってきた代表組両方の成長を口にしていた。

 柴田は「(加治佐のように、)全国には入りたい人が多いと思いますし、天狗になってはいけない。自分がチャレンジャーの気持ちで、毎日の練習に手を抜かないで本気でやっていくことがそこに繋がって行くと思います」ときっぱり。質の部分など改善しなければならない部分はまだまだある。まずは「このメンバーが大好き。できることを噛み締めながらやっていきたい」という川崎F U-18復帰初戦で躍動。本気の挑戦を再スタートしたDFが、誰にも負けない日々を過ごして4か月後を迎える。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
●高円宮杯プレミアリーグ2023特集

TOP