beacon

[国体少年男子]右SB加治佐がスーパーゴール!神奈川県が雨中の決勝で青森県下し、17年以来の日本一!

このエントリーをはてなブックマークに追加

神奈川県が全国制覇を果たした。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[10.6 国体少年男子決勝 青森県 1-2 神奈川県 真岡市総合運動公園 陸上競技場]

 神奈川県が日本一! U-16の都道府県選抜日本一を争う第77回国民体育大会「いちご一会とちぎ国体」サッカー競技少年男子の部は6日午後、決勝戦を行った。初優勝を狙う青森県と5年ぶり8回目の全国制覇を目指す神奈川県が激突。神奈川が2-1で勝ち、日本一に輝いた。

 初の決勝進出を果たした青森県は登録16人全て青森山田高の選手。4-4-2システムのGKは磯村颯(青森山田高、1年)、右SB澤田篤志(青森山田高、1年)、CB伊藤柊(青森山田高、1年)、CB山本虎主将(青森山田高、2年)、左SB小沼蒼珠(青森山田高、1年)、ダブルボランチが山口元幹(青森山田高、1年)と、谷川勇獅(青森山田高、1年)、右SH三浦陽(青森山田高、1年)、左SH西尾啓汰(青森山田高、1年)、2トップは浅野瑠唯(青森山田高、1年)と川口琥牙(青森山田高、1年)がコンビを組んだ。

 一方の神奈川は優勝した17年以来の決勝進出。8回目の優勝を懸けた決勝は4-2-3-1システム。GKが折原怜(大和高、2年)、右SB加治佐海(川崎フロンターレU-18、1年)、CB山中大輝(川崎フロンターレU-18、1年)、CB埜口怜乃(横浜F・マリノスユース、1年)、左SB布施克真(日大藤沢高、1年)、ダブルボランチが高橋友矢主将(横浜FCユース、1年)と德田佑真(横浜F・マリノスユース、1年)、右SH上西遥喜(横浜F・マリノスユース、1年)、左SH白須健斗(横浜F・マリノスユース、1年)、トップ下が望月耕平(横浜F・マリノスユース、1年)、1トップを寺下翔和(湘南ベルマーレU-18、1年)が務めた。
 
 立ち上がり、ゆっくりとドリブル、ショートパスを交えて相手を押し込み、そこから多彩な崩しで神奈川スタイル“ちこちこサッカー”で攻める神奈川に対し、青森はコンパクトな陣形でボールを奪って前線へ。FWがフリックしてサポートした選手がDFラインの背後を突く。

 前半9分、神奈川が先制点。敵陣でショートパスを繋ぎ、右中間の高橋がクロスと見せかけて外へさばく。上西がクロスを上げると、ニアの望月が頭でゴールへ突き刺した。神奈川はボール奪取力も高い高橋、德田のダブルボランチが絶妙な配球。DFラインからのフィードの精度も高く、ゴール前のシーンを増やす。

 だが、青森も山本や谷川がボールを奪い、繋ぐ意識を持って反撃。縦パスの落としから仕掛けに持ち込もうとする。三浦が個人技でPAへ切れ込んだほか、小沼のロングスローで相手にプレッシャーを掛ける。

 神奈川は山中が中心となって跳ね返し、繋いでクロスまで持ち込んでいた。それでも、青森は前半28分、同点に追いつく。敵陣で前を向いた山口が左サイドへさばくと、西尾がPAへ斜めのループパス。これに走り込んだ小沼の折り返しを浅野が左足でゴールへ突き刺した。

 神奈川は後半3分、德田の左クロスに上西が決定的な形で飛び込むがシュートは枠上。青森は11分、浅野をFW大沢悠真(青森山田高、1年)へ入れ替え、神奈川は13分、寺下をMF香取武(川崎フロンターレU-18、1年)と交代する。

 神奈川が押し込むも青森のDF陣は「ゴールを隠す」守備を徹底。19分に青森は西尾をMF増田敢太(青森山田高、1年)へ、神奈川も白須とFW吉沢実頼(横浜F・マリノスユース、1年)を交代する。
 
 迎えた22分、スーパーゴールが生まれた。神奈川は敵陣ペナルティーアーク付近でボールを繋ぎ、サポートした左SB布施が右サイドへ展開する。これを受けた加治佐がカットインから左足シュート。これが鮮やかな孤を描き、ファーサイドのゴールネットへ突き刺さった。
 
 青森は26分、三浦とMF別府育真(青森山田高、1年)をチェンジ。セットプレーで山本が競り勝ってゴール前にボールを送るが、神奈川DF陣は集中してクリアする。逆にコンビネーションでの崩しにチャレンジ。青森は前線にボールを入れてセカンドボールを拾い、川口の右足シュートを放つなど諦めずに反撃する。

 青森は35分、山口とMF野間風希(青森山田高、1年)を交代。だが、神奈川は望月、上西、香取ら攻撃陣が簡単にはボールを渡さず、ボールを保持しながら攻め続ける。終了間際に青森はセットプレーのチャンスを得たが、神奈川に跳ね返されて試合終了。日本一の上手さ、強さ、選手層の厚さを示した神奈川が頂点に立った。


(取材・文 吉田太郎)
●第77回国民体育大会「いちご一会とちぎ国体」特集

TOP