法政大FW小湊絆が“エゴ強め”の入れ替え戦で決勝点!! FC東京内定1年目は大学2部10ゴール5アシスト「上振れたなと」
[11.22 関東大学L1部参入PO 慶應義塾大 0-3 法政大 味フィ西]
法政大のエースFW小湊絆(3年=青森山田高/FC東京内定)が昇格を導いた。立ち上がりにMF浅野直希(4年=G大阪ユース)のクロスを頭で合わせて決勝点となる先制ゴール。2部降格となった1年時からAチームで戦ってきた小湊は「あのときにいた4年生の顔がすごく思い浮かびましたね」と入れ替え戦の勝利を感慨深げに噛み締めた。
2部降格2年目のシーズンを戦った法政大は首位で先週末の最終節を迎えていたが、引き分け以上で1部自動昇格、勝てば優勝という大一番でまさかの0-4大敗を喫して3位に転落。小湊は優勝での1部復帰を目指していただけに大きなショックを受けながら、1週間後に控える入れ替え戦に向けて何とか前を向こうとしたという。
「本当に引きずったし、何であの場所でああいった負け方をしちゃったのかなと考えたりですごく切り替えるのは難しかった。前向きに切り替えるとしたら『4年生と1週間長くやれるようになった』ということしかなかった。4年生と他の大学よりも長くプレーできることは嬉しかったので、そっちの方向に無理やり気持ちを持っていった」
その上で小湊は、得点に限らず味方を生かすポストプレーやポジション取りなどでもチームに貢献してきた中、「今日に限ってはレギュレーション的に引き分けは負け(同点の場合は1部チームが残留)だったので、絶対に点を取るところとチームのためにというところで、エゴを出すところの使い分けは自分の中ですごく意識した。普段以上にエゴ強めの試合だった」と強い決意をもって決戦に臨んだ。
すると前半7分、いきなり結果を残した。左サイドから浅野が上げたボールをフリーでヘディングシュート。「ボールは見ていなくてマッチアップしていたDFとの駆け引きだけに集中していた。体を反転させて振りきったときには目の前にボールがきていた」といい、浅野の高精度クロスに感謝する小湊は冷静にゴール左へ流し込んだ。
前半13分にはスルーパスに抜け出してチャンスを迎えるなど、その後もゴールを目指していった。ところが前半終了間際、相手選手と正面衝突するような形になって右肩を負傷。接触した衝撃で肩が外れ、転倒して地面についた衝撃で肩がもう一度はまったようだが状態は「ボロボロ」でハーフタイムでの交代も考えた。しかし、同点の場合は昇格できない規定も踏まえて「もう1点入るまでは頑張ろう」と続行。幸いにも後半4分に浅野が追加点を決めたため、短時間でピッチから去る決断を下せた。
昨年はコンディション不良などに悩まされたシーズンながら7得点を記録したが、今季はそれを上回って青森山田高時代も果たせなかった10得点の大台に到達。味方を巧みに使って5アシストも記録して2部ベストイレブンにも選出された。
ただ、本人は得点ランキング3位でアシストランキング3位タイの今季の成績について「上振れたなと思う」と率直な感想を口にする。
というのも小湊は前からプレスに行くだけでなくプレスバックも欠かさない献身的な働きに加え、攻撃面ではポストプレーでチャンスに繋げていく役割も意識していたことで「ゴール前に顔を出す回数は少なかった」とシーズンを総括するため。「その中で10得点5アシストできて『こんなに取れるんだ』と思った」と驚きまじりに話すが、高い決定力やゴール前での仕事ぶりを示す数字とも言えそうだ。
また、今季はFC東京加入内定選手として戦う1年目でもあった。1月に2027年からのプロ入りが発表された小湊は大学とJクラブでの活動を並行する中で「こっち(法政大)でやるときと向こうでやるときの自分の見せ方を変えるのがすごく難しかった」と話す。法政大では紛れもないエースだが、FC東京ではゼロからのスタートでインパクトを残さなければいけない立場。加えて競争の激しい舞台という点も踏まえて「パスを出さないといったら極端だけど、それくらいの気持ちでやらないと食い込んでいけない世界」と覚悟して臨んでいたという。
法政大では味方を生かしてゴールに迫るプレーも意識しているだけに、練習参加時はストライカーらしくエゴイスト気味に戦うプレースタイルの使い分けに苦労した様子だ。もっとも「場所や状況で器用に見せ方、やるべきことを変えられるのは自分にできることだと思っている」と小湊。次第に感覚を掴めたようで、Jリーガーからの学びも吸収しながら大学リーグで活躍する充実したシーズンになった。
1部復帰を果たした一方、FC東京は今季のリーグ戦が2試合残っている。ただ、小湊は「今日自分も怪我しているので」と話し、来季を含めた今後の帯同具合は未定と強調。チーム状況や自身のコンディションを考慮しながらの動きとなり、これまでと同様に与えられた場で全力を尽くしていく構えだ。
そして1部に戻る大学ラストイヤーに向けては「昇格組なので最新のデータは多分相手にないと思うのでやりやすいかなと思っている」と展望する。小湊は「やることをぶらさずに頑張っていきたい」と力を込め、1部でも上位争いを繰り広げていく意気込み。さらなる活躍で法政大の勝利に貢献し、プロキャリアに繋げていく。
(取材・文 加藤直岐)
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法政大のエースFW小湊絆(3年=青森山田高/FC東京内定)が昇格を導いた。立ち上がりにMF浅野直希(4年=G大阪ユース)のクロスを頭で合わせて決勝点となる先制ゴール。2部降格となった1年時からAチームで戦ってきた小湊は「あのときにいた4年生の顔がすごく思い浮かびましたね」と入れ替え戦の勝利を感慨深げに噛み締めた。
2部降格2年目のシーズンを戦った法政大は首位で先週末の最終節を迎えていたが、引き分け以上で1部自動昇格、勝てば優勝という大一番でまさかの0-4大敗を喫して3位に転落。小湊は優勝での1部復帰を目指していただけに大きなショックを受けながら、1週間後に控える入れ替え戦に向けて何とか前を向こうとしたという。
「本当に引きずったし、何であの場所でああいった負け方をしちゃったのかなと考えたりですごく切り替えるのは難しかった。前向きに切り替えるとしたら『4年生と1週間長くやれるようになった』ということしかなかった。4年生と他の大学よりも長くプレーできることは嬉しかったので、そっちの方向に無理やり気持ちを持っていった」
その上で小湊は、得点に限らず味方を生かすポストプレーやポジション取りなどでもチームに貢献してきた中、「今日に限ってはレギュレーション的に引き分けは負け(同点の場合は1部チームが残留)だったので、絶対に点を取るところとチームのためにというところで、エゴを出すところの使い分けは自分の中ですごく意識した。普段以上にエゴ強めの試合だった」と強い決意をもって決戦に臨んだ。
すると前半7分、いきなり結果を残した。左サイドから浅野が上げたボールをフリーでヘディングシュート。「ボールは見ていなくてマッチアップしていたDFとの駆け引きだけに集中していた。体を反転させて振りきったときには目の前にボールがきていた」といい、浅野の高精度クロスに感謝する小湊は冷静にゴール左へ流し込んだ。
前半13分にはスルーパスに抜け出してチャンスを迎えるなど、その後もゴールを目指していった。ところが前半終了間際、相手選手と正面衝突するような形になって右肩を負傷。接触した衝撃で肩が外れ、転倒して地面についた衝撃で肩がもう一度はまったようだが状態は「ボロボロ」でハーフタイムでの交代も考えた。しかし、同点の場合は昇格できない規定も踏まえて「もう1点入るまでは頑張ろう」と続行。幸いにも後半4分に浅野が追加点を決めたため、短時間でピッチから去る決断を下せた。
昨年はコンディション不良などに悩まされたシーズンながら7得点を記録したが、今季はそれを上回って青森山田高時代も果たせなかった10得点の大台に到達。味方を巧みに使って5アシストも記録して2部ベストイレブンにも選出された。
ただ、本人は得点ランキング3位でアシストランキング3位タイの今季の成績について「上振れたなと思う」と率直な感想を口にする。
というのも小湊は前からプレスに行くだけでなくプレスバックも欠かさない献身的な働きに加え、攻撃面ではポストプレーでチャンスに繋げていく役割も意識していたことで「ゴール前に顔を出す回数は少なかった」とシーズンを総括するため。「その中で10得点5アシストできて『こんなに取れるんだ』と思った」と驚きまじりに話すが、高い決定力やゴール前での仕事ぶりを示す数字とも言えそうだ。
また、今季はFC東京加入内定選手として戦う1年目でもあった。1月に2027年からのプロ入りが発表された小湊は大学とJクラブでの活動を並行する中で「こっち(法政大)でやるときと向こうでやるときの自分の見せ方を変えるのがすごく難しかった」と話す。法政大では紛れもないエースだが、FC東京ではゼロからのスタートでインパクトを残さなければいけない立場。加えて競争の激しい舞台という点も踏まえて「パスを出さないといったら極端だけど、それくらいの気持ちでやらないと食い込んでいけない世界」と覚悟して臨んでいたという。
法政大では味方を生かしてゴールに迫るプレーも意識しているだけに、練習参加時はストライカーらしくエゴイスト気味に戦うプレースタイルの使い分けに苦労した様子だ。もっとも「場所や状況で器用に見せ方、やるべきことを変えられるのは自分にできることだと思っている」と小湊。次第に感覚を掴めたようで、Jリーガーからの学びも吸収しながら大学リーグで活躍する充実したシーズンになった。
1部復帰を果たした一方、FC東京は今季のリーグ戦が2試合残っている。ただ、小湊は「今日自分も怪我しているので」と話し、来季を含めた今後の帯同具合は未定と強調。チーム状況や自身のコンディションを考慮しながらの動きとなり、これまでと同様に与えられた場で全力を尽くしていく構えだ。
そして1部に戻る大学ラストイヤーに向けては「昇格組なので最新のデータは多分相手にないと思うのでやりやすいかなと思っている」と展望する。小湊は「やることをぶらさずに頑張っていきたい」と力を込め、1部でも上位争いを繰り広げていく意気込み。さらなる活躍で法政大の勝利に貢献し、プロキャリアに繋げていく。
(取材・文 加藤直岐)
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