beacon

山之内佑成に続け…JFAアカデミーからともに大学を経由した同期がプロへ「あいつがいたから俺も頑張ろうと思えた」

ポスト
Xに投稿
Facebookでシェア
Facebookでシェア
URLをコピー
URLをコピー
URLをコピーしました

左からFW大氏凛州、MF本保奏希、FW久永瑠音

 今年もJリーグの舞台で多くの大学生が特別指定選手として飛躍した。中でも東洋大からは昨年度の主将DF稲村隼翔(新潟→セルティック)に続き、今年度の主将DF山之内佑成(4年=JFAアカデミー)も、柏レイソルでルヴァンカップ決勝の先発ピッチに立った。

 東洋大の選手はもちろん、高校時代までを過ごした同級生たちも大いに刺激を受けていた。高卒で水戸に入団したDF松田隼風(ハノーファー)がいた世代だが、大学経由でもいわきFC桐蔭横浜大FW久永瑠音流通経済大FW大氏凛州が入団。早稲田大MF本保奏希はガイナーレ鳥取に入団する。

●桐蔭横浜大FW久永瑠音(いわきFC入団)

 久永は高校2年生までCBで、山之内とCBコンビを組んで出場したこともあったという。ただ高校3年生でボランチ転向を志願、さらに桐蔭大に進学してすぐの準備期間でFWで試されると、1年生の開幕戦でいきなりスピードを生かした裏への抜け出しから得点を決めた。そしてこのゴールがいわきFCスカウトの目に留まったことをきっかけに入団まで繋がったという逸話がある。

 山之内がいち早くJ1リーグの舞台で活躍する姿は、逐一チェックしていたという。「アカデミーで一緒にやっているころからフィジカルは頭抜けていたので、それが大学でレベルアップした。推進力も一緒にやっていた時は感じるところじゃなかったので、あそこまでゴールに直結するプレーはびっくりした。J1で通用するのを見てて、刺激をもらった。負けられないと感じました」。

 ただ久永自身も今季J2開幕戦に途中出場してJリーグデビュー。先発出場したルヴァン杯のRB大宮戦ではアシストも記録した。「実際に試合に出てみてやれるなと思った。もちろん課題もありましたけど、それよりも自信に繋がる試合が多かったかなと思います」。瞬発系の数値ではすでにクラブトップクラスだというアスリート型アタッカーは、即戦力として活躍する準備を整えている。

●流通経済大FW大氏凛州(いわきFC入団)

 大氏も「あいつの活躍がめちゃくちゃ刺激になったというか、あいつがいたから俺も頑張ろうと思えたことがたくさんあった。一番仲がいいくらいの選手で、オフの日も会ったりしていて、あいつのおかげで頑張れたことが多かった」と山之内を意識してきたことを明かした。

 大氏がトップチームで大学のリーグ戦に出場しはじめたのは、すでに山之内が柏内定を決めていた3年生の夏からだった。ただ大氏は3年生の時に流経大ドラゴンズ龍ケ崎の一員として出場した関東サッカーリーグ2部で前半戦だけで8得点を記録。得点王に輝く実績を作るなど、着実に力をつけてきた。

 今季シーズン前には複数のクラブから声がかかるほどの選手になっていた大氏だが、いわきからの接触も春先にあった。「練習試合に呼んでくれて、その時にいわき側で出たらドリブルで仕掛けたり、ゴールを決めたりできた。それからちゃんと練習に参加して決まりました」。

 いわきで1年目から活躍して、どんどん上のカテゴリに上がっていける選手になりたいと鼻息荒くする。「山之内も刺激だし、松田隼風はドイツで活躍していて、先輩も植中朝日(横浜FM)、三戸舜介(スパルタ・ロッテルダム)。今も仲良くしてもらっていて、それで本当に頑張れた。負けたくないし追い越したい。頑張りたいです」。

●早稲田大MF本保奏希(鳥取入団)

 本保も山之内は仲のいい友達の一人だと明かした。「ルヴァンカップの決勝のあとも普通に会って、めっちゃ仲がいいので、いろいろ話をしていた。身近で同期が活躍していることは刺激になったし、自分もああいう舞台で活躍したいなと刺激になりました」。

 本保は3年生シーズンの昨年は、関東2部で21試合に出場して8得点を記録。しかし今季は怪我に悩まされて、15試合に出場したが、半分以上が途中からの出場だった。進路は最初、夏までに貰ったオファーの中から決めようと思っていたというが、なかなか難しい状況だったようだ。

 そんな中でも鳥取は熱心に声をかけてくれていた。「(他クラブから)練習参加の話はあったけど、オファーはなかった。自分の怪我がどうなるか分からなかったし、欲しいと思ってもらえるなら行きたいと思った」。最後は強化部の熱意に心を打たれたという。

「小学校卒業するときに(群馬県から)親元を離れる選択だったり、自由にサッカーをさせてもらったので、プロサッカー選手になって恩返ししたい思いが強かった。プロになること以外選択肢はなかった。そういった強い思いからもプロになれたのかなと思います」 

 まずは1年目から試合に絡むことを目標にする。その上で「5ゴール5アシストを目標にしていきたい」と現実的な目標も考えている。「僕も三戸舜介さんが日本に日本に帰ってきたときに会ったり、遊んだりする仲なんですけど、この間もA代表に入った時の話をしてくれた。夢があるなと思ったし、自分もそれくらいの選手になりたいなと思わせてくいれる存在が身近にいることは大きなと思います」。中学、高校と一つ屋根の下、同じ釜の飯を食った同期の絆を感じながら、これからも歩みを続ける。

(取材・文 児玉幸洋)

●第99回関東大学リーグ特集
●2025シーズンJリーグ特集
▶話題沸騰!『ヤーレンズの一生ボケても怒られないサッカーの話』好評配信中
児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

「ゲキサカ」ショート動画

TOP