[関西]京都内定DFが「毎日自分と向き合い続けていく」真摯な姿勢で手にした絶対的な自信。関西学院大DF山本楓大が見据えるJリーグデビューと日本一の景色
[7.5 関西学生L第10節 関西学院大 1-1 甲南大 関西学院大学 第4フィールド]
少しずつ、少しずつ、着実に成長し続けていることは、もうハッキリと自覚している。高校時代も、大学に入ってからも、強烈な仲間たちとともにプレーしてきたけれど、自分だけが歩むべき道をちゃんと前に進んできたから、培ってきた自信が揺らぐことは、絶対にない。
「大学に入ってからのこの3年半は、うまくいくこともあれば、全然うまくいかないこともありましたけど、そこで外に矢印を向けずに、自分と向き合い続けたからこそ、ここまで来られたのかなと思います。でも、もっと上のレベルまで行きたいですね」。
抜群の安定感と、サイドを切り裂く推進力を兼ね備えた、関西学院大のスペシャルな右サイドバック。DF山本楓大(4年=鳥栖U-18/京都内定)は常に感情の矢印を自分へ向け続けながら、まだ見ぬ景色へと続いているはずの階段を、力強く駆け上がる。
「メチャクチャうまくいっていなかったという感じもないし、うまくいっているとも言えない状態で、後半は特にいい形でゴール前まで行けていたので、しっかり点を決めて勝ちたかったですけど、やっぱり前半の1失点が痛かったなという試合でした」。
1か月の中断が明けた関西学生リーグ1部前期。甲南大と対峙したホームゲームは、山本がそう振り返ったように、やや関西学院大が攻撃する時間が多い中で、前半のうちに先制点を奪われ、リードを許す展開となる。
後半はチーム自体もよりアクセルを踏み込む中で、背番号2の右サイドバックもオーバーラップの回数が増加。「相手の運動量がちょっと落ちてきたなと思ったので、そこを突こうと思って、ガンガン行っていました」。果敢にタッチライン際を走り続ける。


守備面でも身体の強さを生かして、力強く相手ボールを奪い取るシーンも多々。1対1で負けることはほとんどない。加えて機を見た縦パスの配球も、実に的確。全体的なパフォーマンスはプロ内定選手の肩書きにも、納得のいくものだったことは間違いない。
ただ、視線は常に足りなかった部分へ向いていく。「今日はクロスが全然良くなかったです。そこさえ良ければ、もう自分に90点とか100点をあげてもいいかなと思っていたんですけど、そこの質はプロでも求められると思うので、もっと高めていきたいですね」。
終盤にオウンゴールで関西学院大が追い付き、試合は1-1で引き分けたが、山本は改めて勝敗に関われる選手としてのクオリティを追求し、次のトレーニングからさらなるディテールを突き詰めていくはずだ。


この日の90分間を見ていても、山本のピッチ上での立ち姿には、以前に比べてより自信がみなぎっているように感じられる。そのことについて本人に水を向けると、こんな答えが返ってきた。
「大学に入って、たぶん全てのレベルが上がったなと自分でも実感していますし、そこのレベルを上げられたからこそ、京都サンガに内定できたなと思うので、自信はありますね。逆に自分は自信がないとやっていけないタイプなので、自分に言い聞かせているというか、『オレが最強だ』みたいな感じで思っている時が、一番いいプレーができる実感はあります」。
メンタル面での成長を促すうえで、山本は高校時代の経験が、そこに小さくない影響を与えたと考えているようだ。「鳥栖の時は周りが上手すぎて、ちょっと萎縮していた自分がいて、高3の最後の方は自信満々でプレーできていたんですけど、そういう経験があったので、メンタルは大事だなと思っています」。
同学年の鳥栖U-18からは、福井太智、大里皇馬、竹内諒太郎、坂井駿也、楢原慶輝がトップ昇格と、実に5人がプロ入りを実現。確かにハイレベルなチームメイトが揃っていたが、プレミアリーグでは山本がチーム一の出場時間を誇るなど、当時から堅実なプレースタイルは首脳陣も高く評価していた。
同期の仲間たちに対して、ライバルという意識はほとんどないという。「仲は良いですし、電話したりもしていますけど、ライバルという感じではなくて、彼らは友人ですね。あまり誰かをライバル視するというよりは、毎日自分と向き合い続けていく感じが、僕には合っている気がします」。そんな言葉からも、この人の物事を捉えるスタンスが垣間見える。


既に2027年1月からの京都サンガF.C.への加入が内定しているため、“特別指定選手”としてここから見据えるのは、正式加入前のJリーグデビュー。確かな意気込みが、山本の口を衝く。
「最近は全然練習に参加していないんですけど、夏のキャンプは帯同できればなと思っています。そこに参加できたら、『オレをスタメンで使ってもいいんだぞ』ということを、(ポポヴィッチ)監督に理解してもらえるようなプレーができたらなと。監督が変わったことで、逆に他の選手たちともフラットに見てもらえると思うので、そこは競争だと思いますし、やるしかないですね」。
とはいえ、もちろん残された半年近い大学生活も、言うまでもなく大事な時間。「メチャクチャ充実しています。関学に来て良かったなと思っています」と言い切るこのチームで、成し遂げられることは、全部成し遂げたい。
「やっぱり多くの試合に勝って、日本一になって、やり切ったなと思えるシーズンにしたいですね。ここでサッカー人生が終わる人がほとんどなので、そういうことも含めて、最後は総理大臣杯とインカレで日本一を獲って終わりたいなというのが、ここからの目標です」。
「個人としてはチームを勝たせるというところで、アシストもできて、欲を言えば点を決められるサイドバックを目指しているので、そこにももっと貪欲にチャレンジしていきたいです」。
ここから先は、どれだけベクトルを内側に突き刺し、それを強大なエネルギーに変換できるかの勝負。関西学院大が誇る、大学サッカー界有数の右サイドバック。山本楓大の未来予想図には、まだまだ多くの鮮やかな彩りが加えられるだけの余地が、存分に広がっている。


(取材・文 土屋雅史)
●第104回関西学生リーグ特集
▶お笑いコンビ「ヤーレンズ」がサッカーをしゃべり倒すポッドキャスト「ボケサカ」は毎週金曜配信
少しずつ、少しずつ、着実に成長し続けていることは、もうハッキリと自覚している。高校時代も、大学に入ってからも、強烈な仲間たちとともにプレーしてきたけれど、自分だけが歩むべき道をちゃんと前に進んできたから、培ってきた自信が揺らぐことは、絶対にない。
「大学に入ってからのこの3年半は、うまくいくこともあれば、全然うまくいかないこともありましたけど、そこで外に矢印を向けずに、自分と向き合い続けたからこそ、ここまで来られたのかなと思います。でも、もっと上のレベルまで行きたいですね」。
抜群の安定感と、サイドを切り裂く推進力を兼ね備えた、関西学院大のスペシャルな右サイドバック。DF山本楓大(4年=鳥栖U-18/京都内定)は常に感情の矢印を自分へ向け続けながら、まだ見ぬ景色へと続いているはずの階段を、力強く駆け上がる。
「メチャクチャうまくいっていなかったという感じもないし、うまくいっているとも言えない状態で、後半は特にいい形でゴール前まで行けていたので、しっかり点を決めて勝ちたかったですけど、やっぱり前半の1失点が痛かったなという試合でした」。
1か月の中断が明けた関西学生リーグ1部前期。甲南大と対峙したホームゲームは、山本がそう振り返ったように、やや関西学院大が攻撃する時間が多い中で、前半のうちに先制点を奪われ、リードを許す展開となる。
後半はチーム自体もよりアクセルを踏み込む中で、背番号2の右サイドバックもオーバーラップの回数が増加。「相手の運動量がちょっと落ちてきたなと思ったので、そこを突こうと思って、ガンガン行っていました」。果敢にタッチライン際を走り続ける。


守備面でも身体の強さを生かして、力強く相手ボールを奪い取るシーンも多々。1対1で負けることはほとんどない。加えて機を見た縦パスの配球も、実に的確。全体的なパフォーマンスはプロ内定選手の肩書きにも、納得のいくものだったことは間違いない。
ただ、視線は常に足りなかった部分へ向いていく。「今日はクロスが全然良くなかったです。そこさえ良ければ、もう自分に90点とか100点をあげてもいいかなと思っていたんですけど、そこの質はプロでも求められると思うので、もっと高めていきたいですね」。
終盤にオウンゴールで関西学院大が追い付き、試合は1-1で引き分けたが、山本は改めて勝敗に関われる選手としてのクオリティを追求し、次のトレーニングからさらなるディテールを突き詰めていくはずだ。


この日の90分間を見ていても、山本のピッチ上での立ち姿には、以前に比べてより自信がみなぎっているように感じられる。そのことについて本人に水を向けると、こんな答えが返ってきた。
「大学に入って、たぶん全てのレベルが上がったなと自分でも実感していますし、そこのレベルを上げられたからこそ、京都サンガに内定できたなと思うので、自信はありますね。逆に自分は自信がないとやっていけないタイプなので、自分に言い聞かせているというか、『オレが最強だ』みたいな感じで思っている時が、一番いいプレーができる実感はあります」。
メンタル面での成長を促すうえで、山本は高校時代の経験が、そこに小さくない影響を与えたと考えているようだ。「鳥栖の時は周りが上手すぎて、ちょっと萎縮していた自分がいて、高3の最後の方は自信満々でプレーできていたんですけど、そういう経験があったので、メンタルは大事だなと思っています」。
同学年の鳥栖U-18からは、福井太智、大里皇馬、竹内諒太郎、坂井駿也、楢原慶輝がトップ昇格と、実に5人がプロ入りを実現。確かにハイレベルなチームメイトが揃っていたが、プレミアリーグでは山本がチーム一の出場時間を誇るなど、当時から堅実なプレースタイルは首脳陣も高く評価していた。
同期の仲間たちに対して、ライバルという意識はほとんどないという。「仲は良いですし、電話したりもしていますけど、ライバルという感じではなくて、彼らは友人ですね。あまり誰かをライバル視するというよりは、毎日自分と向き合い続けていく感じが、僕には合っている気がします」。そんな言葉からも、この人の物事を捉えるスタンスが垣間見える。


右サイドバックとしてプレミア制覇に貢献した鳥栖U-18時代の山本
既に2027年1月からの京都サンガF.C.への加入が内定しているため、“特別指定選手”としてここから見据えるのは、正式加入前のJリーグデビュー。確かな意気込みが、山本の口を衝く。
「最近は全然練習に参加していないんですけど、夏のキャンプは帯同できればなと思っています。そこに参加できたら、『オレをスタメンで使ってもいいんだぞ』ということを、(ポポヴィッチ)監督に理解してもらえるようなプレーができたらなと。監督が変わったことで、逆に他の選手たちともフラットに見てもらえると思うので、そこは競争だと思いますし、やるしかないですね」。
とはいえ、もちろん残された半年近い大学生活も、言うまでもなく大事な時間。「メチャクチャ充実しています。関学に来て良かったなと思っています」と言い切るこのチームで、成し遂げられることは、全部成し遂げたい。
「やっぱり多くの試合に勝って、日本一になって、やり切ったなと思えるシーズンにしたいですね。ここでサッカー人生が終わる人がほとんどなので、そういうことも含めて、最後は総理大臣杯とインカレで日本一を獲って終わりたいなというのが、ここからの目標です」。
「個人としてはチームを勝たせるというところで、アシストもできて、欲を言えば点を決められるサイドバックを目指しているので、そこにももっと貪欲にチャレンジしていきたいです」。
ここから先は、どれだけベクトルを内側に突き刺し、それを強大なエネルギーに変換できるかの勝負。関西学院大が誇る、大学サッカー界有数の右サイドバック。山本楓大の未来予想図には、まだまだ多くの鮮やかな彩りが加えられるだけの余地が、存分に広がっている。


(取材・文 土屋雅史)
●第104回関西学生リーグ特集
▶お笑いコンビ「ヤーレンズ」がサッカーをしゃべり倒すポッドキャスト「ボケサカ」は毎週金曜配信



