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[MOM5048]山梨学院FWオノボフランシス日華(新3年)_ 山梨学院大相手にハット達成し、「富士山カップ」4戦11発。恩返し誓う快足FWの目標は高卒プロ

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後半26分、山梨学院高FWオノボフランシス日華(新3年=FC東京U-15むさし出身)が左足でこの試合3得点目となるゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.26 富士山カップ決勝 山梨学院高 5-1 山梨学院大 和戸サッカー場]

 対戦相手が新1年生だったとは言え、年上の山梨学院大相手に圧巻のハットトリック。「令和7年度 第7回 富士山カップ」全4試合でゴールを決め、うち3試合で3得点以上を叩き出した。山梨学院高FWオノボフランシス日華(新3年=FC東京U-15むさし出身)が堂々のパフォーマンスでチームを優勝へ導き、個人としても大会MVPと得点王に輝いた。

 山梨学院大戦の序盤はチームの流れが悪く、オノボに入ってくるボールを狙われてしまっていた。その後、右サイドを中心に攻撃が機能する中で、足元にボールが入ってくる回数も増えていたが、なかなかチャンスを活かせなかった。

 それでも、高速ドリブルで相手PAの守りを攻略するなど力も示すと、後半に圧倒的なスピードと得点力を発揮して見せた。まずは1-1の後半3分、MF山田琉翔(新3年)が頭で大きく弾き返したボールが相手DFラインの背後に落ちる。すると、DFの後方から追い抜く形でその前に出た。

「(自分は)裏、負けないんで。裏狙ってたらいいところに来たみたいな感じです。(シュートは)GK前出ていたんで、足で行ったら追いつかれそうだったんで、頭で」。飛び出してきたGKの頭上を狙ってヘディングシュート。これが狙い通りの放物線を描き、ゴールネットに吸い込まれた。

 オノボは後半13分にもMF高見啓太(新3年)のスルーパスで抜け出したが、右足シュートをGKに止められ、チャンスを逸してしまう。それでも、20分にFW横田椋(新3年)のスルーパスで再び抜け出すと、今度はGKを左側からかわし、左足シュートをゴールへ流し込んだ。

 試合前、大学生からのハットトリックをコーチ陣に宣言していたというストライカーはその言葉通りに3点目も決める。後半26分、敵陣で相手DFのミスパスをインターセプト。すると、「(対応したDFが)近づいた瞬間に上げる」形で加速する。低い姿勢でのドリブルでDF2人を一気に振り切ると、そのまま左足シュートをゴール右隅に決めた。

 相手DFと並んだ際に足を攣らせていたことを明かすが、それでも強引に足を振り切ってゴール。決勝で3得点の大活躍も、「(相手は)あくまで一個上なんで、現状、別に満足している訳じゃないですし、内容的にも競り負けてるところとか、体格で背負えないで前に入られたりっていうのはあったんで、通用しなかったところは、もう一度自分を見つめ直して身体作りからやりたいなと思います」と謙虚に成長を続けることを誓う。跳躍する回数が多いこともあって疲労を蓄積してしまう部分があるだけに、より走力を強化することも改めて課題に挙げていた。

 オノボは今年、山梨学院大のセカンドチームとの練習試合でもハットトリックを達成して勝利に貢献しているのだという。同じく活躍していた昨年に比べ、技術面も、身体面も成長。名将・横森巧総監督も力まずに思い通りのプレーを表現ができていることを評価していた。課題の一つとされている熱くなり過ぎる部分も少しずつ変化。そのオノボは支えてくれた人への恩返しを誓う。

「お母さんの夢が自分の夢なんで。育ててくれたお母さんに親孝行したいっていうのが一番です。自分自身もプロで活躍したいと思っているんですけど、プロで活躍して(何よりも)親孝行をしてあげたい」

 FW尾谷ディヴァインチネドゥ(新3年、2022年U-15日本代表候補)とポジション争いをしていたFC東京U-15むさし時代は上回っていた部分があった一方、技術力などが不足していたこともあり、「公式戦はほとんど出たことなくて。B戦とかしか出たことがないです」。成長するタイミングやチームに馴染んだ時期がやや遅かったこともあってU-18チームに昇格することはできなかった。それでも、FC東京への愛着は強く、現在の自分ならば、注目FW尾谷にも「勝てる」という感覚を持っている。目標は高卒プロ。母親の夢を叶えるためにも、プリンスリーグ関東1部や夏冬の全国大会で山梨学院の勝利に貢献し、今回の「富士山カップ」のようにゴール数でも違いも見せつける。

後半3分、山梨学院高FWオノボフランシス日華(新3年)が頭で4試合連続ゴール

後半20分、FWオノボフランシス日華(新3年)がGKをかわして2点目のゴール


(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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