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打ち出したのは高いモチベーションで挑んだ「4月の決勝」を勝ち切る覚悟。流経大柏はFC東京U-18との「一番伸びる」首位攻防戦を鮮やかに制して開幕無敗継続!

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流通経済大柏高はFC東京U-18との首位攻防戦を3-1で制す!

[4.26 プレミアリーグEAST第4節 流通経済大柏高 3-1 FC東京U-18 流経大柏G]

 1位と2位が激突する首位攻防戦。もちろんお互いに気合いが入っていないわけがない。その中でとりわけホームチームの選手たちが口々に話していたのは、『決勝』というフレーズ。彼らはこの90分間に今持てる力のすべてをぶつけて、さらなる成長を手繰り寄せることに、とにかく貪欲だった。

「今日の1位と2位の戦いは自分たちで作ったものなんだから、『今日が一番伸びるぞ。戦えなかったら絶対ダメだ』と言いました。選手たちも気合いが入っていましたし、そういう意味ではスタートからフルスロットルで凄く良かったですね。後半なんて考えていなかったから。こうじゃなきゃダメですよ」(流通経済大柏高・榎本雅大監督)

 『4月の決勝』に逞しく勝ち切ったホームチームが、堂々の首位キープ!26日、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2024 EAST第4節で、首位の流通経済大柏高(千葉)と2位のFC東京U-18(東京)が激突した無敗対決は、MF昇純希(3年)、FW大藤颯太(3年)、FW金子琉久(3年)とアタッカー陣がゴールを重ねた流経大柏が、FC東京U-18の反撃をMF菅原悠太(3年)の60メートルロングシュートの1点に抑え、3-1で勝利。開幕4試合で3勝1分けと好スタートを切っている。


「前半は流経らしいプレスや切り替え、足元の技術やアイデアが多く出たシーンがあったと思います」と流経大柏のキャプテンを務めるMF島谷義進(3年)が話し、「現段階では一番強い相手というところで、特にハイプレスに対してどういう風に剥がしていくかというところで、選手はそこまで嫌がっていなかったのかなと思います」とFC東京U-18を率いる佐藤由紀彦監督も語ったように、1位と2位が対峙した一戦はどちらもアグレッシブに立ち上がり、チャンスを作り合う。

 3分は流経大柏。DF増田大空(3年)が巧みな浮き球をギャップに落とし、受けた昇のシュートは枠を捉えるも、FC東京U-18GK渡邊麻舟(2年)がファインセーブ。6分はFC東京U-18。ボランチのMF田邊晴大(3年)のパスからFW尾谷ディヴァインチネドゥ(3年)が左サイドを抜け出し、枠へ収めたシュートは流経大柏GK藤田泰土(3年)が丁寧にキャッチ。16分もFC東京U-18。MF友松祐貴(2年)の縦パスから、ここも尾谷が左サイドを単騎で突破しながら打ち切ったシュートは、藤田が右足1本でビッグセーブ。両守護神の奮闘もあって、ゴールは生まれないものの、続くスリリングな展開。

 スコアが動いたのは20分。流経大柏は左CKを獲得すると、今季初スタメンのMF山元琉士(3年)が丁寧に中央へ。ルーズボールに反応した昇が得意の左足で叩いたボレーは、右スミのゴールネットへ吸い込まれる。「思ったより足先で当たらなくて、『ヤバっ!』と思ったんですけど、ボールが一直線にサイドネットに突き刺さったので、ラッキーだなと思いました」と正直に話した8番も、実はこの日が今季初スタメン。指揮官の起用に2人が応える格好で、まずはホームチームが1点をリードする。

 続いたのは20番のストライカー。42分。ルーズボールを巧みに収めた金子は、優しい浮き球を相手ディフェンスラインの裏へ。走った大藤はマーカーと競り合いながら、強引にシュートまで持ち込むと、ゴールに向かったボールはGKも弾き切れず、ゆっくりとゴール左スミへ転がり込む。「100点ではないですけど、今までの自分たちの中では最高な前半を過ごせたかなとは思います」(島谷)。流経大柏が2点のアドバンテージを握って、ハーフタイムに入った。


 先に動いたのは2点を追い掛けるFC東京U-18。「『1点獲ればゲーム的には持ってこれるんじゃないか。だから、落ち着いてちゃんと相手を見ながら崩していこう』と話しました」という佐藤監督は、後半開始からDF諏訪啓太(3年)を左サイドバックに投入し、MF高橋裕哉(3年)を左サイドハーフへ、友松を右サイドハーフへ、菅原を1トップ下へとそれぞれスライドさせ、攻守両面へのテコ入れを図る。

 追撃の一発はスーペルゴラッソ。雨の勢いが徐々に強まってきた後半15分。自陣でルーズボールを拾った菅原は、相手GKの位置を一瞬で確認すると、ゴールまで60メートル近くある場所から左足のロングシュートを決断。完璧に描かれた軌道はGKの頭上を越えて、ゴールネットへ到達する。トップチーム昇格を自身に課すレフティの才能、炸裂。2-1。たちまち点差は1点に。

圧巻の60メートルロングシュートを沈めたFC東京U-18MF菅原悠太


 だが、ホームチームは冷静だった。「1失点はしてしまったんですけど、その後も『絶対に勝つ』という信念を持ってやっていました」と口にしたのはDF廣瀬煌(3年)。その廣瀬とDF大徳剛矢(2年)のセンターバックコンビを中心に堅陣を築きながら、途中交代で入ったMF安藤晃希(3年)の推進力もアクセントに、守り切るつもりは毛頭なし。アクセルを踏み込む瞬間を虎視眈々と狙い続ける。

 試合を決めたのはプレミアEASTの得点ランキングトップに立つ、流経大柏のナンバー18。1点差のままで迎えた28分。MF上田哲郎(3年)とのワンツーで中央を運んだ安藤がスルーパス。巧みなステップでマーカーを外した金子のシュートは左ポストを叩いたものの、跳ね返ったボールは行き先に再び金子の足元を選ぶ。

 新エースのシーズン4点目、チームのこの試合3点目で勝負あり。「今日は良かった!『今回はマジで魂が必要だよ』と話していた中で、もう絶対やってやるんだという気持ちも見えましたし、やっぱり気持ちの勝利でしょうね」と榎本監督も笑顔を浮かべた流経大柏が3-1で勝ち切って、注目の首位攻防戦を制する結果となった。

FW金子琉久(18番)は4ゴール目でプレミアEAST得点ランキングトップに立つ!


 スタメン抜擢にゴールという形で応えた、昇の言葉が印象深い。「試合前からみんな緊張していましたし、エノさん(榎本監督)も『首位攻防戦というのは“決勝”と変わらないから』と言っていて、みんなも去年は選手権の決勝で負けているのを目の当たりにしていたので、そこで“決勝”に対する熱い想いはみんなあったのかなと思います」。

 増田とのダブルキャプテンの一角を任されている島谷は、この試合の意味合いをもう少し詳しく説明する。「エノさんも試合前のミーティングで『今日は大一番だ』ということを言っていたので、それはチーム全体もわかっていたことですし、首位攻防戦ということで、勝てば頭1つ抜ける試合でしたけど、もともと順位は関係なく『1試合1試合を大切にしていく』というのが目標なので、このFC東京戦も大事に試合を戦えたかなと思います」。

『1位対2位』というわかりやすい構図は間違いなくモチベーションに繋がったが、もともとチームは目の前の1試合の価値を全員で共有し、開幕戦の浦和レッズユース戦から丁寧にゲームでの経験値を積み重ねてきた。榎本監督はそのことについて、より解像度の高いフレーズを口にする。

「この1位と2位の天王山は、この順位にいないとできないことで、ここで一番成長すると。でも、プレミアは毎試合が決勝ですから」。

 今節も決勝。次の試合も決勝。つまりは一戦必勝。そういうメンタルで90分間を戦うことでしか、このシビアなリーグで勝利を引き寄せることはできない。その結果として、ここまでの4試合で積み上げたのは3勝1分け、勝ち点10。廣瀬は「もう負ける気がしないんですよ」と言い切った。

 この日は初スタメンの山元と昇が好パフォーマンスを見せ、逆にベンチスタートとなった安藤が途中出場で得点に絡み、高いモチベーションを披露した。「『今日の試合はチャンスのヤツとピンチのヤツがいるよな』と。『じゃあそれぞれチャンスの時にどうするか、ピンチの時にどうするか、がわかっていればいいんだよ』と。今日は昇が活躍して、山元は100パーセントで頑張れるし、安藤も危機感を持ってやっていますし、そういう競争が選手を一番成長させるんです」(榎本監督)

 『4月の決勝』を無敗で乗り切り、ここから向かうのは『5月の決勝』。好調の根幹をなすのは、あくなき勝利の追求と活性化するハイレベルなポジション争い。今季の流経大柏も、流経大柏らしいチームになってきた。



(取材・文 土屋雅史)

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土屋雅史
Text by 土屋雅史

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