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[MOM5212]柏U-18FW越川翔矢(3年)_努力し続ける背番号9の「マッスルストライカー」がスタメン抜擢に応えるゴールで連敗ストップの立役者に!

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柏レイソルU-18FW越川翔矢(3年=柏レイソルU-15出身)はスタメン起用に応えるゴールをゲット!

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.13 プレミアリーグEAST第13節 浦和ユース 0-4 柏U-18 埼玉スタジアム2002 第4グラウンド]

 レイソルの9番を背負っているからには、求められている仕事なんて十分すぎるほどにわかっている。狙う。スタメンで登場しても、途中からピッチに立っても、とにかく狙う。だって、もうその獲物を捕らえて、みんなが笑顔で駆け寄ってくる時の喜びを知ってしまっているのだから。

「これでリーグ戦のスタメンは3試合目なんですけど、結構自分の中でも思うところがあった中でのスタメンだったので、絶対にやってやろうという気持ちを持って試合に入れました。やっぱり頑張って練習してきて良かったなということは、今日改めて感じられましたね」

 2025年を戦う柏レイソルU-18(千葉)の背番号9を託された、フィジカル抜群のマッスルストライカー。FW越川翔矢(3年=柏レイソルU-15出身)が日々地道に、丁寧に、重ねてきた努力は、チームの勝利に貢献するゴールという最高の形で報われた。


 ホームで戦った前節の前橋育英高戦は、終盤に決勝点を献上して1-2で敗戦。これでリーグ戦は4連敗となった柏U-18。チームを率いる藤田優人監督は「4連敗していて、何かチームを大きく変えないといけない中で、何を基準に変えようかなと。そこで自分が一番大事にしているものを考えて、覚悟を持った選手を使いたいなと思いました」という中で、実に6人のスタメンを入れ替えて、今節に挑むことを決断する。

 前節は最終盤に差し掛かった後半45分からの登場。今シーズンはここまで9試合に出場している中で、初スタメンを勝ち獲ったのは第10節であり、キックオフの笛をピッチで聞いたのはわずかに2試合だったが、指揮官はこの日の一戦のスタメンリストに越川の名前を書き込む。

「絶対にシュートは打ちたいなと思っていましたし、絶対ゴールも決めようと思っていたんですけど、前半はなかなかうまく行かなかったですね」。前線で身体を張って、攻撃の基点創出に奔走する一方で、なかなかチャンスは巡ってこない。チームは前半28分にMF川本大善(3年)のゴールで先制したものの、9番は思うようなパフォーマンスが出せていない自分を感じていた。

 だが、後半のファーストプレーでスイッチが入る。まだ開始50秒あまり。MF五十嵐陵(1年)の縦パスは流れ掛けるも、懸命に追った越川はU-17日本代表にも選出されている、抜群の身体能力を誇る相手のセンターバックに競り勝ち、ボールキープからラストパス。五十嵐のシュートはわずかに枠を逸れたが、得意のフィジカル勝負から決定機を演出する。

 12分。「後半に入ってから、自分もそうですけど、みんな守備が良くて、前からハマるなという感覚がありました」と越川が振り返ったように、ここも高い位置からプレスの網を張り、右サイドでDF長南開史(1年)が鋭い出足でインターセプト。そのまま中央へパスを流し込む。

 人工芝で伸びた球足をいち速く予測し、マーカーと入れ替わると、越川の目の前にはもうGKとゴールだけ。「ちょっと相手が左から来ていたので、早く打っちゃおうと思って、アウトで打ちました」。右足のアウトサイドで蹴り込んだボールは、確実にゴールネットを捕獲する。

「なかなか試合に出れていないこともあったので、今までのゴールで一番嬉しかったです」。歓喜爆発。絶叫しながらピッチサイドに駆け寄ってくる9番は、彼と同じぐらい全速力で走ってきたチームメイトたちの輪の中に一瞬で飲み込まれていく。




「今シーズンは9番を付けながら、あまり試合にスタートで出られない時間が続いている中で、トレーニングも高いモチベーションでずっとやっていましたし、自主練も与えられた時間でしっかりやるような子で、あの喜び方を見ていると、みんなに認められているんだろうなという気はしますね。あれだけ喜ばれるということは、みんなに愛されているんでしょう」(藤田監督)

 次々と押し寄せる祝福の嵐の中で、「もうみんな来てくれて、それに応えるので全然休む暇がなくて、ちょっと酸欠になっちゃいました(笑)。でも、それも気持ち良かったですね」と振り返る越川は、この得点がラストプレーに。前節はスタメンだったFW澤井烈士(3年)にバトンを渡し、ピッチを後にする。



 さらに2点を追加した試合は、4-0で快勝。「やっと2点目という感じですけど、プレミアのゴールはやっぱり違いますね」と笑顔を見せる背番号9が叩き出した、今季リーグ戦2点目となった一発は、連敗を4でストップすることになった一戦の中で、大きな価値を持って輝いた。


 ゲームの中で発揮する高いフィジカルは、「自分はゴツくなるためにメチャクチャ筋トレを頑張っていて、身体の強さは売りでもあります」というだけあって、チーム内でも有数のレベル。サポーターから『ナイスゴール!筋肉!』と声が上がる一幕もあったが、本人も「サポーターの方たちにああ言ってもらうのは嬉しいですね」とも。その屈強な威容は、逞しさと頼もしさにあふれている。

 そんな越川に関して、藤田監督がこんなことを教えてくれた。「高校の筋トレルームを使用する時に、レイソルの選手も使用者として名前を書くんですけど、実は彼の名前がレイソルの中で圧倒的に一番多いらしいんです。それを学校の先生と話したときに聞きました。そうじゃないとあの身体にはならないですし、チームの練習がオフの月曜日にもやっているんですよ。そういった姿をみんなが見ているんじゃないですかね」。

 『筋肉は1日にして成らず』。きっとその努力はチームメイトの誰もが認めている。指揮官の話を聞くと、本人が“酸欠”になるぐらいに祝福され続けたゴール後の光景にも、合点が行くというわけだ。
 
 もちろんここまでの結果に満足しているわけではない。柏U-18の背番号9が持つ意味は、誰よりも強く実感している。「自分の中ではまだ物足りないなという感じですね。去年のモハ(ワッド・モハメッド・サディキ/FC琉球)だったり、一昨年のノブ(近野伸大/明治大)は2人ともプレミアで二桁ゴールを決めているので、焦りはあります」。改めて求めるのは、やはりゴール。何度でも、何度でも、その歓喜を引き寄せるだけだ。

「結果は水物ですけど、フォワードはゴールを挙げてナンボという気持ちは自分の中にあって、今日の点が次節にも繋がってくるなという感覚もありますね。次からもまずはフォワードなのでゴールを決めることと、前からのプレスも、味方に落とすポストプレーも頑張って、チームメイトに自分の力を還元していきたいです」。

 人知れず努力を重ねられる、太陽王子のマッスルストライカー。9番を背負っている意味は、ここからも結果で証明し続けるしかない。越川翔矢は自分を信じてくれる人たちのために、走り、飛び、戦い、ゴールという最高の歓喜を、仲間たちにもたらしていく。



(取材・文 土屋雅史)

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土屋雅史
Text by 土屋雅史

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