[MOM5334]仙台ユースFW古屋歩夢(3年)_「今日の試合は悔しさしかない」と反省も、違いを示して決勝点
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.12 プレミアリーグプレーオフ1回戦 阪南大高 0-1 仙台ユース 広島広域公園補助競技場]
思い通りの活躍ができず試合後は「悔しさの方が強い」と口にしたベガルタ仙台ユースのFW古屋歩夢(3年)だが、前線で見せたプレーは他の選手とは明らかに違っていた。
「3年続けてプレーオフに来ているのに、一度もプレミアリーグに上がれていない。最後、3年生の自分が3年で1、2年生に最高の舞台をプレゼントするためにこの1年間やってきました。それに自分たちがプレミアリーグに上がることができれば、仙台で待っている仲間たちもプリンス(リーグ東北)昇格戦に挑める。ダブル昇格を目指して、ずっと1年間やってきたので、そこは一番の目標にしていた」。そう振り返る古屋は、他の選手が負ければ終わりのトーナメント方式による緊張感から動きの硬さが見られる中でも、試合の立ち上がりから普段通りのプレーを披露する。
押し込まれる展開が続いた序盤に目立ったのはチームメイトがクリアしたボールを前線でおさめるプレーだ。中学時代に所属していたFC多摩ジュニアユースでは、2学年上に名古屋U-18からアルヘンティノス・ジュニアユースに進んだ貴田遼河が在籍。「貴田選手はおさめるプレーがずば抜けて上手かった。手の使い方は監督から『上手い選手のプレーを見て盗め』と言われていたので、意識していた」。
この日も先輩ストライカーから学んだポストプレーを存分に発揮する。「仲間が踏ん張って守ってくれたボールを簡単に失うことは、前の選手としてできない。おさめてから自分が仕掛けてゴールを決めたり、CKを取ったり、FWとしての役目をしっかり果たしていきたい」。そう振り返る古屋は前半19分には右サイドでのボールキープから左に展開し、MF浅尾涼太朗(3年)のチャンスを演出した。
もう一つ目立った力強くゴールに向かうプレーも古屋の真骨頂だ。「各学年に上手い選手がいて、ずっと見てきた」と話すように1歳上のFW増田陽太(川崎U-18→順天堂大)、1歳下のFW吉田湊海(鹿島ユース)の動きを参考にしながら、伸ばしてきたという。
25分には右サイドのスローインを繋いで受けると、自らゴール前まで持ち込んだが、シュートは枠の外。以降もチャンスを作りながらも1点は遠く、試合後は「前半から自分が何本もシュートを打っていた中、決めきっていれば後半はあれだけきつい展開になることはなかった」と反省を口にした。
ただ、無得点のまま終わらないのはストライカーとしての意地だろう。後半35分にはゴール前でボールを受けると力強くPA内に侵入したところを倒され、PKを獲得。「PKはリーグ戦でも5、6本蹴っているので、外す気はなかったです」と口にする古屋は冷静にゴールネットを揺らし、勝利を引き寄せた。「毎試合ハットトリックを目指してやっている試合なので、今日の試合は悔しさしかない」と口にするが、チームへの貢献度は大きかった。
1年生から出場機会をつかみ、2年目はプリンスリーグ東北で得点王。「今まで自分が2年ちょっとやってきたことがようやく出始めた」と口にする今年はクラブユースで決勝進出を果たし、自身のトップチーム昇格に繋げた。
ただ、決勝では鹿島ユースに0-3で完敗。「自分自身、何もできなかった。もっとやらなければいけないと夏が終わってからずっと考えていた」と振り返る古屋は、プレミア昇格を目標に自身の決定力アップと連携による崩しを意識してきたという。
仙台ユースでプレーするのも残り1試合。「失う物はない。ラストはハットトリックという目標を成し遂げて終わりたい」と意気込む生粋のストライカーは、後輩たちにプレミアリーグという晴れ舞台を残し、トップチームに進むつもりだ。
(取材・文 森田将義)
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[12.12 プレミアリーグプレーオフ1回戦 阪南大高 0-1 仙台ユース 広島広域公園補助競技場]
思い通りの活躍ができず試合後は「悔しさの方が強い」と口にしたベガルタ仙台ユースのFW古屋歩夢(3年)だが、前線で見せたプレーは他の選手とは明らかに違っていた。
「3年続けてプレーオフに来ているのに、一度もプレミアリーグに上がれていない。最後、3年生の自分が3年で1、2年生に最高の舞台をプレゼントするためにこの1年間やってきました。それに自分たちがプレミアリーグに上がることができれば、仙台で待っている仲間たちもプリンス(リーグ東北)昇格戦に挑める。ダブル昇格を目指して、ずっと1年間やってきたので、そこは一番の目標にしていた」。そう振り返る古屋は、他の選手が負ければ終わりのトーナメント方式による緊張感から動きの硬さが見られる中でも、試合の立ち上がりから普段通りのプレーを披露する。
押し込まれる展開が続いた序盤に目立ったのはチームメイトがクリアしたボールを前線でおさめるプレーだ。中学時代に所属していたFC多摩ジュニアユースでは、2学年上に名古屋U-18からアルヘンティノス・ジュニアユースに進んだ貴田遼河が在籍。「貴田選手はおさめるプレーがずば抜けて上手かった。手の使い方は監督から『上手い選手のプレーを見て盗め』と言われていたので、意識していた」。
この日も先輩ストライカーから学んだポストプレーを存分に発揮する。「仲間が踏ん張って守ってくれたボールを簡単に失うことは、前の選手としてできない。おさめてから自分が仕掛けてゴールを決めたり、CKを取ったり、FWとしての役目をしっかり果たしていきたい」。そう振り返る古屋は前半19分には右サイドでのボールキープから左に展開し、MF浅尾涼太朗(3年)のチャンスを演出した。
もう一つ目立った力強くゴールに向かうプレーも古屋の真骨頂だ。「各学年に上手い選手がいて、ずっと見てきた」と話すように1歳上のFW増田陽太(川崎U-18→順天堂大)、1歳下のFW吉田湊海(鹿島ユース)の動きを参考にしながら、伸ばしてきたという。
25分には右サイドのスローインを繋いで受けると、自らゴール前まで持ち込んだが、シュートは枠の外。以降もチャンスを作りながらも1点は遠く、試合後は「前半から自分が何本もシュートを打っていた中、決めきっていれば後半はあれだけきつい展開になることはなかった」と反省を口にした。
ただ、無得点のまま終わらないのはストライカーとしての意地だろう。後半35分にはゴール前でボールを受けると力強くPA内に侵入したところを倒され、PKを獲得。「PKはリーグ戦でも5、6本蹴っているので、外す気はなかったです」と口にする古屋は冷静にゴールネットを揺らし、勝利を引き寄せた。「毎試合ハットトリックを目指してやっている試合なので、今日の試合は悔しさしかない」と口にするが、チームへの貢献度は大きかった。
1年生から出場機会をつかみ、2年目はプリンスリーグ東北で得点王。「今まで自分が2年ちょっとやってきたことがようやく出始めた」と口にする今年はクラブユースで決勝進出を果たし、自身のトップチーム昇格に繋げた。
ただ、決勝では鹿島ユースに0-3で完敗。「自分自身、何もできなかった。もっとやらなければいけないと夏が終わってからずっと考えていた」と振り返る古屋は、プレミア昇格を目標に自身の決定力アップと連携による崩しを意識してきたという。
仙台ユースでプレーするのも残り1試合。「失う物はない。ラストはハットトリックという目標を成し遂げて終わりたい」と意気込む生粋のストライカーは、後輩たちにプレミアリーグという晴れ舞台を残し、トップチームに進むつもりだ。
(取材・文 森田将義)
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