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得点王へ。FC多摩のMF吉田湊海は「苦しいときにハットトリックできる選手に」

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FC多摩ジュニアユースのU-15日本代表MF吉田湊海が全国大会準決勝でハットトリック

[8.23 日本クラブユース選手権(U-15)準決勝 FC多摩JY 4-3 鹿島JY 帯広の森陸上競技場]

 準決勝まで8得点。FC多摩ジュニアユースのU-15日本代表MF吉田湊海(3年)は、鹿島アントラーズジュニアユースとの対戦になった準決勝でも、その地力の高さを見せ付けた。

 まずは前半36分、こぼれ球を押し込む形で先制点を奪う。「あれはこぼれてきたのを入れただけ」と謙遜するが、ファーサイドにしっかり詰めていたからこそのゴール。さらに後半に入ると、2-1となっていた20分、ショートカウンターから好ポジションを取ってMF松本瑛太(3年)のパスを引き出すと、ワンタッチシュートで鹿島GK瀬出井柚希(3年)の守りを破って2点目のゴールを奪う。

 そして最後は33分、再び松本のアシストから、「コースが見えたので思い切り打った」という強烈な右足シュートを突き刺し、ハットトリックを達成してみせた。その後は鹿島の猛反撃で1点差に詰め寄られたため、この最後の1点が決勝点ともなった。

「自分が点を取ることが一番チームを助けられること。苦しい試合のときに、ハットトリックできる選手になるのが自分の目標だった」

 多摩のエース、得点源として相手の厳しいマークにもあったが、それをモノともせずにチャンスで決め切ってハットトリック。まさに目標とする選手像のとおりの暴れっぷりだった。

「ゴールへ向かう姿勢、得点力、フィジカルとか気持ちは誰にも負けない自信がある」と語る逸材は、今年U-15日本代表のメンバーとして国際大会も経験。「代表で行ってみて、『世界って広いんだ』と感じた」と、上には上がいることも感じつつ、あらためてサッカー選手としての夢を大きく持った。

 代表では「食事とか睡眠の大切さや、そのためのやり方を教えてもらったので、帰ってからすぐに採り入れて実行しています」と、ピッチ外での学びも即座に実践。パフォーマンスのさらなる向上に繋げている。

 今大会はここまでチームを引っ張り上げる活躍ぶりだが、ここで満足する様子もない。決勝に向けては「街クラブ対決になったので、絶対に負けられない」とした上で、「最後は自分が点を取ってチームを勝たせて優勝できるようにしたい」と、あらためて闘志を燃やした。

(取材・文 川端暁彦)
第38回日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会特集
川端暁彦
Text by 川端暁彦

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