beacon

欧州でも認められたシュート力…上田綺世「彼らに比べてもあるほうだと認識されている」

このエントリーをはてなブックマークに追加

FW上田綺世

 2026年の北中米ワールドカップで世界一という目標を掲げる日本代表にとって、最初のステージとなるアジア2次予選。格下の相手は守りを固めてくることが想定される中、重要になるのはストライカーの仕事だ。

 今回の活動では3人のFWが招集されているが、特に期待がかかるのは今夏のフェイエノールト移籍でUEFAチャンピオンズリーグに初参戦しているFW上田綺世(フェイエノールト)。9月のドイツ戦(○4-1)でも先発起用されており、3年後に向けたエース候補として着実なステップを踏んでいる。

 規格外のシュート力は欧州でも通用している。合流初日のこの日、リカバリートレーニングのみの参加となった上田はウォーキングをしながらMF鎌田大地(ラツィオ)とMF久保建英(ソシエダ)と歓談。3人の話題は7日の欧州CLラツィオ戦での終盤のヘディングシーンだったようで、久保と鎌田があまりの滞空時間に及んだ空中戦を真似し、苦笑い混じりに驚きの言葉を投げかける姿も見られた。

 練習後の取材対応では、そうした上田の身体能力に関する質問も向けられ、上田は「シュートの威力とか迫力は彼らに比べてもあるほうだという認識はされている」と答えていた。

 そんな上田にとって今回の2次予選は、A代表のステージで自身の強みを発揮する絶好の機会だ。日本対策として引いて守ってくる相手を崩すのは容易ではないが、ボールを持つ時間が長くなれば、シュートに持ち込める回数も増えるはず。そうした中でストライカーとしてのクオリティーを発揮できれば、おのずと上田の良さもアピールできるであろう。

 もっとも、上田は2次予選の相手であっても、まずはイメージを固めずに臨もうと考えているようだ。「勢いを持って前から来る可能性もあるし、引いてくる可能性もある。いろんなことが想定できる。それもあくまでも想定なので、ピッチに入ってから情報を共有しないといけないし、柔軟に戦う必要があると思う」。さまざまな状況を想定した上で、ピッチ内で適切な振る舞いをできるような心構えをしている。

 もっとも、相手が引いてきた場合の想定も欠かさない。「相手を引き出さないといけないので、スペースを作るために動き出しのところもそうだし、クロスボールが増える可能性もあるので、高さのところを活かせればいい。常に準備して、事故でも1点取れれば状況は変わる。常に準備できればと思う」。守る相手を崩すのは難しいが、先制点を奪えれば相手は前に出ざるを得なくなる。自身がこじ開けることで、そうした展開に持ち込む構えだ。

 格下相手の大量得点にも期待は高まるが、上田自身は冷静だ。「FWの本質は点を取ってチームを勝たせることで、毎試合点を決めることだと思っているので、そこに近づければと思う」。まず求めるのはチームが勝つための一発。並居る欧州のストライカーとの戦いを通じて自信を深める日本の新エースが、まずはアジアの相手に格の違いを見せつける。

(取材・文 竹内達也)
竹内達也
Text by 竹内達也

「ゲキサカ」ショート動画

TOP