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日本代表が“W杯優勝”を掲げる理由…森保監督がカタール大会後に感じた余韻、遠藤航が感じたリバプールとの共通点

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W杯優勝への思いを語る森保一監督

 ワールドカップ出場を決め、改めて世界一という目標に向かっていく。日本代表はW杯出場を決めたバーレーン戦から一夜明け、記者会見を実施。登壇したキャプテンのMF遠藤航(リバプール)は「前回(カタール)を経験した選手の雰囲気や、悔しさを出している選手との会話を聞いたときに、最終的にW杯優勝にしたほうがいいと思った」と目標を決めた経緯を語った。

 8大会連続8度目のW杯出場を決めた日本は、初のベスト8入り、そしてその先の頂点を見据える。遠藤は「目標設定はアスリートにとって大事で、高すぎても低すぎてもよくない」と説明。「いまのチームを見ると、W杯優勝を掲げることがベストだと思った」と適切なハードルであることを強調した。

 遠藤とともに登壇した森保一監督も、世界一という言葉に力を込める。理由のひとつに、2022年カタールW杯決勝トーナメント1回戦・クロアチア戦敗退後の余韻があったという。

「特に監督をさせてもらったカタールW杯のクロアチア戦の敗戦の後に、(上に)行けたなという思いと、選手たちにも行けたなという思いがあることを、試合が終わった後にすごく感じた」

「(クロアチア戦で)PK戦になってしまったところで、オープンプレーも、セットプレーも、PKも、もっともっと緻密に準備してやっていけば世界一になれると。選手たちの感覚や思いと、私が感じたところで、世界一を取れるチャンスがあると思うところがある」

 遠藤は世界屈指のビッグクラブであるリバプールで研鑽を積む。プレー面はもちろん、メンタル面でも大きな刺激を受けた。「選手たちはいい意味で毎試合勝って当たり前の雰囲気というか、そういうメンタリティの選手が揃っている」(遠藤)。それはリバプールと日本代表の共通している部分だという。

「勝利に対して一喜一憂しないこと、目標があって積み上げているところは、日本代表の雰囲気に似ている。自分が表現しているのもあるかもしれないし、タイトルを取るとか、成し遂げる意味では大事なメンタリティだと思う」

「それは細部にこだわるメンタリティがあるからで、細部で何をしなければいけないとかは、いいサイクルのなかで継続して結果を出し続けられるために欠かせないもの。そこはタイトルを獲得する上で欠かせないものになる。(日本代表も)誰が出ても結果を残している。そこも大事で、このチームは何ができるかを考えてやっていて、いいチームになっていると感じている」

 W杯出場を決めたものの最終予選は残り3試合もあり、今年夏にはE-1選手権も控える。その先には本大会までチームを強化する時間がある。遠藤は「結果を残すために、過程で一喜一憂しないこと」の大事さを語る。勝利は必須だが、課題が沸き出ることから目を背けてはいけない。「バーレーン戦も勝ったからOKではない。積み上げをW杯期間までやっていくことが大事。どんな結果が出ても優勝を掲げるメンタリティを持てるか。それはファンの皆さんも同じ」。日本サッカーを応援するすべての人にも同じ目線を求めていた。

 森保監督も「キャプテンが言ってくれて、さらにお願いしたいんですけど……」とキャプテンの意見に同調する。W杯優勝を成し遂げた強豪国に共通している必要不可欠な要素として、応援する人たちにより力強く関心を求めた。

「世界一になるために、競技力だけで行ければもちろん一番いい。自分たちも突き抜けた力を持ちたいが、これまでのW杯優勝国を見たときに、国中の関心事でないと優勝できないと感じている」

「共闘、応援していただくこと、日本中の関心事にしていただくことが、ピッチ上の選手たちのエネルギーになって、パフォーマンスに直結してくる。現地にいるサポーターだけでなく、メディアの皆さんを通して応援する人たちも、選手の力になる」

 関心を集めるということは、批判も受け入れるということ。「メディアの皆さんには批判でも構わない。より多くの方々に代表の試合を観ていただけるように、同心円の輪を広げていただきたい」。並大抵ではない目標を果たすために、世界と戦う多種多様な仲間を欲していた。

(取材・文 石川祐介)

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石川祐介
Text by 石川祐介

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