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J3で脳震盪交代巡る競技規則適用ミス…JFA審判委はJリーグと交代用紙の“色”を再確認

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JFA審判委が説明

 日本サッカー協会(JFA)審判委員会は24日、都内でメディア向けレフェリーブリーフィングを開催した。J3第28節の大宮アルディージャギラヴァンツ北九州で発生した脳震盪による交代を巡る競技規則適用ミスについて、佐藤隆治JFA審判マネジャーはJリーグと協力しながら種類ごとに色分けされた交代用紙の再確認を行ったことを明らかにした。

 9月14日のこの試合では前半23分、北九州DF坂本翔が脳震盪疑いで交代した。今夏の競技規則改正で通常交代枠の「5人3回」と脳震盪による交代枠の「1人1回」に加え、脳震盪による交代が行われた際には相手チームに「1人1回」の理由を問わない追加交代枠が付与されることが新たに定められた。異なる種類の交代を同時に行う場合はそれぞれの交代回数が使用される。

 大宮に追加交代枠が付与される中、大宮は通常交代を「4人3回」実施。交代回数が上限に達したため、残るは追加交代枠の「1人1回」のみが可能な状況だった。ところが後半アディショナルタイム、大宮は追加交代としてMFアルトゥール・シルバに代えてMF中野克哉を投入すると同時に、通常交代でMF茂木力也に代えてDF知念哲矢も投入。本来は中野のみ交代出場できるところ、審判団は誤って4回目の通常交代となる知念も出場させてしまった。

 試合は3-0で大宮が勝利。Jリーグは4日後に「クラブ側が競技規則を誤認」して通常交代を申し出たことを伝えながら、競技規則の適用ミスが発生したことを報告。「当該試合は、競技規則の適用ミスが発生した時刻が94分であり、その後試合が行われた時間は約2分間。その間得点等の発生はなく重大な影響は及ぼしていないと判断し試合成立とすることが決定しました」と説明し、再試合などの対応は行われなかった。

 Jリーグでは交代の種類ごとに第4審判員に提出する交代用紙の色が分けられているが、佐藤マネジャーは「混乱を生ずる色だった」と述べて判別に支障をきたしかねないものだったことを示唆した。交代用紙の色やサイズなどは大会主催者が設定しており、アジアサッカー連盟(AFC)主催大会では追加交代用の色は用意されていないという。その中で「レフェリーが若干の色の違いとかというところで混乱を起こすかもしれない」とし、Jリーグへ交代用紙の色を改めて統一し直すように要請したようだ。

 その上で「レフェリーとしてはちゃんと確認する必要がある」と再発防止のため全審判員に事案を共有したことを述べて「当該チームだけでなく全チーム、審判員も」とJリーグ全体で脳震盪による交代ルールを再確認したことを示した。

(取材・文 加藤直岐)

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加藤直岐
Text by 加藤直岐

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