J1→JFL→J3→J2と階段を上るかつてのスーパーサッカー少年、水戸MF津久井匠海の栄光と挫折「これからも自分を一番に信じて」
右サイドを突破するMF
[3.23 J2第6節 大宮2-0水戸 NACK]
右サイドで果敢に仕掛け続けた。さらには高い位置でボールを奪う場面もみられた。しかし水戸ホーリーホックは0-2で敗戦。右MFで先発した津久井匠海も「自分たちのやりたいことは出せたけど、あと一つのところで勝てないというのは、僕たちの現状。突き詰めてやらないと上にはいけないと思う」と険しい表情で振り返った。
栄光と挫折を繰り返しながら、今季はJ2の舞台で戦っている。埼玉県の強豪クラブチームであるクマガヤSCでプレーした中学時代は、3年時のクラブユースサッカー選手権(U-15)で得点王の活躍。当時から華のあるプレースタイルは印象的で、高校進学と同時に横浜F・マリノスユースに入団すると、2020年の夏にはクラブ史上初となる高校生でのプロ契約を勝ち取った。
しかしプロ入り後は厳しい現実と向き合う時間も長かった。トップ昇格した20シーズンを公式戦出場なしに終わると、翌年からはJFLのラインメール青森FCに期限付き移籍。2シーズンを過ごすと、23年からはJ3のアスルクラロ沼津に期限付き移籍。そして24シーズンには沼津に完全移籍となった。「自分がプロになったときに思い描いたルート」との違いに、自問自答を繰り返す日々を送った。
ただ着実に結果を積み上げてきたことも事実としてあった。特に同級生が大学4年生だった昨季、「次が大学から来る人と同じになると思って、勝負の一年だと思っていた」と気合を入れて臨んだシーズンで、J3で全38試合に出場。キャリアハイの9得点を決めて、個人昇格となるJ2水戸入りを果たした。
「自分がプロになったときに思い描いたルートとは違うルートだったけど、そこは全部自分の実力不足。ほかの人のせいとかは本当になくて、実力さえあれば活躍できると思っていた。辛い時期もありましたけど、自分のことは自分が一番信じていた。諦めることは簡単で、諦めたら自分のサッカー人生は終わっていたと思うけど、JFLからJ3、J2に来れたというのは、自分がやり続けた結果だと思っている。これからも自分をぶらさず、自分を一番信じてやっていきたい」
キャリア初となるJ2だが、開幕からスタメン出場を続けている。第2節の山形戦では貴重な決勝ゴールも決めた。これまでも攻撃的なポジションを複数こなしてきた津久井だが、今任される右サイドハーフにもやりがいを感じているという。「右サイドで唯一無二の存在になれるように、右サイドと言えば津久井と言われる存在になっていきたい」。かつては苦しめられたプレッシャーも今は楽しむ余裕があるとも話す。大人になったスーパーサッカー少年の逆襲はこれからだ。
(取材・文 児玉幸洋)
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●2025シーズンJリーグ特集
右サイドで果敢に仕掛け続けた。さらには高い位置でボールを奪う場面もみられた。しかし水戸ホーリーホックは0-2で敗戦。右MFで先発した津久井匠海も「自分たちのやりたいことは出せたけど、あと一つのところで勝てないというのは、僕たちの現状。突き詰めてやらないと上にはいけないと思う」と険しい表情で振り返った。
栄光と挫折を繰り返しながら、今季はJ2の舞台で戦っている。埼玉県の強豪クラブチームであるクマガヤSCでプレーした中学時代は、3年時のクラブユースサッカー選手権(U-15)で得点王の活躍。当時から華のあるプレースタイルは印象的で、高校進学と同時に横浜F・マリノスユースに入団すると、2020年の夏にはクラブ史上初となる高校生でのプロ契約を勝ち取った。
しかしプロ入り後は厳しい現実と向き合う時間も長かった。トップ昇格した20シーズンを公式戦出場なしに終わると、翌年からはJFLのラインメール青森FCに期限付き移籍。2シーズンを過ごすと、23年からはJ3のアスルクラロ沼津に期限付き移籍。そして24シーズンには沼津に完全移籍となった。「自分がプロになったときに思い描いたルート」との違いに、自問自答を繰り返す日々を送った。
ただ着実に結果を積み上げてきたことも事実としてあった。特に同級生が大学4年生だった昨季、「次が大学から来る人と同じになると思って、勝負の一年だと思っていた」と気合を入れて臨んだシーズンで、J3で全38試合に出場。キャリアハイの9得点を決めて、個人昇格となるJ2水戸入りを果たした。
「自分がプロになったときに思い描いたルートとは違うルートだったけど、そこは全部自分の実力不足。ほかの人のせいとかは本当になくて、実力さえあれば活躍できると思っていた。辛い時期もありましたけど、自分のことは自分が一番信じていた。諦めることは簡単で、諦めたら自分のサッカー人生は終わっていたと思うけど、JFLからJ3、J2に来れたというのは、自分がやり続けた結果だと思っている。これからも自分をぶらさず、自分を一番信じてやっていきたい」
キャリア初となるJ2だが、開幕からスタメン出場を続けている。第2節の山形戦では貴重な決勝ゴールも決めた。これまでも攻撃的なポジションを複数こなしてきた津久井だが、今任される右サイドハーフにもやりがいを感じているという。「右サイドで唯一無二の存在になれるように、右サイドと言えば津久井と言われる存在になっていきたい」。かつては苦しめられたプレッシャーも今は楽しむ余裕があるとも話す。大人になったスーパーサッカー少年の逆襲はこれからだ。
(取材・文 児玉幸洋)
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