東洋大MF湯之前匡央「富山でステップアップというのが今の理想」決勝前日の“フライング発表”に大きな反響、古巣への思いも
東洋大の10番MF
[9.13 総理大臣杯決勝 東洋大1-0関西学院大 キューアンドエースタジアムみやぎ]
MF鍋島暖歩(4年=長崎U-18)の浮き球パスに絶妙なタイミングでエリア内に走り込んだMF湯之前匡央(4年=柏U-18/富山内定)だったが、頭に、そして足に当てることができなかった。しかしこれが奏功。そのまま抜けたボールはGK宮本流維(4年=名古屋U-18)のタイミングを外してゴール右隅に吸い込まれていった。
第一声で「触れなかったですね」と苦笑いを浮かべた湯之前。「結果的にはゴールになりましたけど、本来であれば自分が決めてという意識があったので」。ただ試合を通して右サイドからの果敢な仕掛け、さらに守備面でも関西学院大に左サイドから攻撃の形を作らせることもなかった。昨年度の大学選手権(インカレ)に続く連続日本一の達成に「自分たちの代でも日本一を獲れたというのは自信に繋がります」と充実感に浸った。
プロ内定選手として初めて臨む試合だった。26シーズンのカターレ富山への入団内定が発表になったのは決勝前日の12日。クラブが発表した17時より前にJリーグの登録選手の追加で富山入りが“フライング”で判明したこともあって、「かなりすごい反響があったのは感じています」と本人も驚くほどの関心を集めた。
その中にはJ2の富山入りを選択したことに驚きの声もみられた。東洋大の10番を託された今季の湯之前は、初出場した天皇杯の新潟戦、そして神戸戦でも得点を決める大活躍。名前を一気に全国区にした。
ただ一方で湯之前自身は「自分自身まだ何も成し遂げていない。プロでやれるかと言ったら自信を持ってイエスと言えるレベルにない」との見方をしていた。今春は古巣の柏の練習に参加したことがあったが、オファーが届くことはなかった。その事実が自らを冷静にさせていた。
「レイソルの強化部の方とも話しましたけど、一定の悔しさはありました。レイソルには行けないということになりましたけど、そこは素直に受け止めるしかない。またいつかあのクラブでという風に自分では常に思っているので、そこはレイソルにも感謝していますし、また認めてもらえるように努力していきたいなと思います」
そんな中で届いたのが富山からの熱心なオファーだった。「一番熱量を持ってオファーを頂いた。正直、大臣杯を待てば声をかけたいというJ1クラブがあるという情報があった。でもその時は大臣杯がどうなるか分からなかったし、特別指定の登録が昨日までだったので、そこは自分の中でどうしたいかを考えて、思い切って決めたという感じ。富山でステップアップというのが今の理想だと思っています」。
今後の予定はまだ決まっていないが、「特別指定で試合経験を積みたい」という思いを強くしている。富山は13日現在J2で自動降格圏の18位に低迷。「残留に力を貸してほしい」というクラブからの口説き文句もあったようだ。
重ねるのは昨年、新潟で特別指定選手として貢献した先輩の稲村隼翔(現セルティック)。「正直隼翔くんはすごいので、自分がそうなるかと言われると分からない。でもそこは意識しながら取り組んでいきたい」と思いを馳せる。
ただ東洋大としても来週からすぐに関東大学リーグの戦いが再開。前期を6位と出遅れており、湯之前も意識を向ける。「下位とも勝ち点差がない。自分たちの目標は関東リーグとインカレを獲ること。また一から積み上げていきたい」。チームの10番としての責任を受け止めながら、残りの半年をプロ内定の肩書を背負って過ごしていく。
(取材・文 児玉幸洋)
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MF鍋島暖歩(4年=長崎U-18)の浮き球パスに絶妙なタイミングでエリア内に走り込んだMF湯之前匡央(4年=柏U-18/富山内定)だったが、頭に、そして足に当てることができなかった。しかしこれが奏功。そのまま抜けたボールはGK宮本流維(4年=名古屋U-18)のタイミングを外してゴール右隅に吸い込まれていった。
第一声で「触れなかったですね」と苦笑いを浮かべた湯之前。「結果的にはゴールになりましたけど、本来であれば自分が決めてという意識があったので」。ただ試合を通して右サイドからの果敢な仕掛け、さらに守備面でも関西学院大に左サイドから攻撃の形を作らせることもなかった。昨年度の大学選手権(インカレ)に続く連続日本一の達成に「自分たちの代でも日本一を獲れたというのは自信に繋がります」と充実感に浸った。
プロ内定選手として初めて臨む試合だった。26シーズンのカターレ富山への入団内定が発表になったのは決勝前日の12日。クラブが発表した17時より前にJリーグの登録選手の追加で富山入りが“フライング”で判明したこともあって、「かなりすごい反響があったのは感じています」と本人も驚くほどの関心を集めた。
その中にはJ2の富山入りを選択したことに驚きの声もみられた。東洋大の10番を託された今季の湯之前は、初出場した天皇杯の新潟戦、そして神戸戦でも得点を決める大活躍。名前を一気に全国区にした。
ただ一方で湯之前自身は「自分自身まだ何も成し遂げていない。プロでやれるかと言ったら自信を持ってイエスと言えるレベルにない」との見方をしていた。今春は古巣の柏の練習に参加したことがあったが、オファーが届くことはなかった。その事実が自らを冷静にさせていた。
「レイソルの強化部の方とも話しましたけど、一定の悔しさはありました。レイソルには行けないということになりましたけど、そこは素直に受け止めるしかない。またいつかあのクラブでという風に自分では常に思っているので、そこはレイソルにも感謝していますし、また認めてもらえるように努力していきたいなと思います」
そんな中で届いたのが富山からの熱心なオファーだった。「一番熱量を持ってオファーを頂いた。正直、大臣杯を待てば声をかけたいというJ1クラブがあるという情報があった。でもその時は大臣杯がどうなるか分からなかったし、特別指定の登録が昨日までだったので、そこは自分の中でどうしたいかを考えて、思い切って決めたという感じ。富山でステップアップというのが今の理想だと思っています」。
今後の予定はまだ決まっていないが、「特別指定で試合経験を積みたい」という思いを強くしている。富山は13日現在J2で自動降格圏の18位に低迷。「残留に力を貸してほしい」というクラブからの口説き文句もあったようだ。
重ねるのは昨年、新潟で特別指定選手として貢献した先輩の稲村隼翔(現セルティック)。「正直隼翔くんはすごいので、自分がそうなるかと言われると分からない。でもそこは意識しながら取り組んでいきたい」と思いを馳せる。
ただ東洋大としても来週からすぐに関東大学リーグの戦いが再開。前期を6位と出遅れており、湯之前も意識を向ける。「下位とも勝ち点差がない。自分たちの目標は関東リーグとインカレを獲ること。また一から積み上げていきたい」。チームの10番としての責任を受け止めながら、残りの半年をプロ内定の肩書を背負って過ごしていく。
(取材・文 児玉幸洋)
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