「ロス五輪への推薦状」第22回:久々のボランチでMF佐野海舟のような効果的な守備。リーダーシップも兼ね備える岡山学芸館の2年生MF吉岡大和
2028年ロサンゼルス五輪まであと3年。ロサンゼルス五輪男子サッカー競技への出場資格を持つ2005年生まれ以降の「ロス五輪世代」において、年代別日本代表未招集の注目選手たちをユース取材ライターの森田将義記者がピックアップ
中国総体(中国高校選手権)で初優勝を果たした岡山学芸館高の中でも、ひときわ目を惹くプレーを繰り返していたのがボランチのMF吉岡大和(2年)。決して派手なプレーをするタイプではないが、危ないシーンになると何度も目に飛び込んでくる。
チームが攻撃から守備に切り替わると、素早くファーストディフェンダーとしてプレスをかける。相手がロングボールを入れてくれば落下点に入り、ヘディングで跳ね返すだけでなく、セカンドボールをきっちり自らのものにする。効果的な守備を繰り返す彼の動きは、米子北高時代のMF佐野海舟(マインツ/ドイツ)を見ていた時の感覚に近い。チームが潤滑に機能するために欠かせないタイプの選手だ。
元々はファジアーノ岡山U-12でキャプテンを務めていた実力者。そのままU-15に昇格することもできたが、施設の良さと高校生のすぐ傍でプレーできる点に魅力を感じ、強化が始まった岡山学芸館清秀中の1期生としてプレーする道を選択した。
附属中学でプレーするメリットを生かし、中学1年生から高校生に交じって練習参加。中学3年の6月には岡山学芸館高の一員として県1部リーグでスタメン出場も果たした。当時について吉岡は「高校のスピード感に慣れているので、同級生よりも良い状態から高校生活がスタートできたのは大きかった」と振り返る。
ただ、高校に進学した当初は外部から加わった有名街クラブ出身選手に気後れし、持ち味を発揮できなかった。1年生の中でも一番下のカテゴリーからのスタートとなったが、チームメイトと打ち解けてからは持ち味であるダイレクトプレーを発揮できるようになったという。
この頃からプレースタイルも大きく変わっていく。元々は中盤から攻撃を組み立てるプレーメーカータイプの選手。「中学の頃は全く守備をしていなかったけど、それだと高校で通用しないと思った」(吉岡)。そこからは相手がどんな動きをするのか予測し、ボールホルダーに対して全力で奪いに行くようになったという。
180cmの身長や足の長さといった身体的な特徴を含め、守備職人としての適性はあったのだろう。瞬く間に鋭い読みを生かしたボールハントとセカンドボールの回収力が彼の武器となり、インターハイ予選が終わった6月からはAチームに昇格。9月半ばに行なわれたプリンスリーグ第13節からはボランチとしてスタメンに定着していった。
高校に入ってから取り組んできた両足ジャンプでのヘディング練習の成果もあり、競り合いの強さも増していった結果、12月のプレミアリーグプレーオフと選手権はCBとしてもプレー。2年目を迎えた今年も最終ラインでのプレーが続いていたが、DF田中大翔(3年)の台頭もあり、この中国総体からは本職のボランチとして起用されている。
試合を重ねるうちに本来持っていた配球感覚を取り戻し、立正大淞南高との決勝ではシンプルにボールをはたきながら、時折大きな展開を入れることで3列目からゲームをコントール。試合後は「CBも楽しかったのですが、久しぶりにボランチに入ったら凄くサッカーが楽しかった」と本職でのプレーに笑みを浮かべていたが、CBの経験は決して無駄ではない。失点に直結するポジションを務めたことで、これまで以上に守備の予測力がアップ。後ろからボランチの動きを見ていたことで、ボールを奪う際のポジショニングも良くなった。
高原良明監督がそうした守備力とともに評価するのは精神面の強さだ。「2年生ですけどメンタル的にもすごく落ち着いているし、リーダーシップが発揮できる。3年生が相手であっても関係なしに先輩を呼び捨てにして指示が出せる。あとはより攻撃的にどんどんドライブしながらミドルシュートを打っていけると面白いボランチになれると思う」。
目標とする岡山学芸館初の高卒プロや日の丸を狙えるだけのポテンシャルを秘めた選手であるのは間違いない。そのための1歩として、自身2度目の全国大会となるインターハイで、その名を多くの人に知らしめる。
(取材・文 森田将義)
●全国高校総体2025特集
▶高校サッカーの最新情報はポッドキャストでも配信中
中国総体(中国高校選手権)で初優勝を果たした岡山学芸館高の中でも、ひときわ目を惹くプレーを繰り返していたのがボランチのMF吉岡大和(2年)。決して派手なプレーをするタイプではないが、危ないシーンになると何度も目に飛び込んでくる。
チームが攻撃から守備に切り替わると、素早くファーストディフェンダーとしてプレスをかける。相手がロングボールを入れてくれば落下点に入り、ヘディングで跳ね返すだけでなく、セカンドボールをきっちり自らのものにする。効果的な守備を繰り返す彼の動きは、米子北高時代のMF佐野海舟(マインツ/ドイツ)を見ていた時の感覚に近い。チームが潤滑に機能するために欠かせないタイプの選手だ。
元々はファジアーノ岡山U-12でキャプテンを務めていた実力者。そのままU-15に昇格することもできたが、施設の良さと高校生のすぐ傍でプレーできる点に魅力を感じ、強化が始まった岡山学芸館清秀中の1期生としてプレーする道を選択した。
附属中学でプレーするメリットを生かし、中学1年生から高校生に交じって練習参加。中学3年の6月には岡山学芸館高の一員として県1部リーグでスタメン出場も果たした。当時について吉岡は「高校のスピード感に慣れているので、同級生よりも良い状態から高校生活がスタートできたのは大きかった」と振り返る。
ただ、高校に進学した当初は外部から加わった有名街クラブ出身選手に気後れし、持ち味を発揮できなかった。1年生の中でも一番下のカテゴリーからのスタートとなったが、チームメイトと打ち解けてからは持ち味であるダイレクトプレーを発揮できるようになったという。
この頃からプレースタイルも大きく変わっていく。元々は中盤から攻撃を組み立てるプレーメーカータイプの選手。「中学の頃は全く守備をしていなかったけど、それだと高校で通用しないと思った」(吉岡)。そこからは相手がどんな動きをするのか予測し、ボールホルダーに対して全力で奪いに行くようになったという。
180cmの身長や足の長さといった身体的な特徴を含め、守備職人としての適性はあったのだろう。瞬く間に鋭い読みを生かしたボールハントとセカンドボールの回収力が彼の武器となり、インターハイ予選が終わった6月からはAチームに昇格。9月半ばに行なわれたプリンスリーグ第13節からはボランチとしてスタメンに定着していった。
高校に入ってから取り組んできた両足ジャンプでのヘディング練習の成果もあり、競り合いの強さも増していった結果、12月のプレミアリーグプレーオフと選手権はCBとしてもプレー。2年目を迎えた今年も最終ラインでのプレーが続いていたが、DF田中大翔(3年)の台頭もあり、この中国総体からは本職のボランチとして起用されている。
試合を重ねるうちに本来持っていた配球感覚を取り戻し、立正大淞南高との決勝ではシンプルにボールをはたきながら、時折大きな展開を入れることで3列目からゲームをコントール。試合後は「CBも楽しかったのですが、久しぶりにボランチに入ったら凄くサッカーが楽しかった」と本職でのプレーに笑みを浮かべていたが、CBの経験は決して無駄ではない。失点に直結するポジションを務めたことで、これまで以上に守備の予測力がアップ。後ろからボランチの動きを見ていたことで、ボールを奪う際のポジショニングも良くなった。
高原良明監督がそうした守備力とともに評価するのは精神面の強さだ。「2年生ですけどメンタル的にもすごく落ち着いているし、リーダーシップが発揮できる。3年生が相手であっても関係なしに先輩を呼び捨てにして指示が出せる。あとはより攻撃的にどんどんドライブしながらミドルシュートを打っていけると面白いボランチになれると思う」。
目標とする岡山学芸館初の高卒プロや日の丸を狙えるだけのポテンシャルを秘めた選手であるのは間違いない。そのための1歩として、自身2度目の全国大会となるインターハイで、その名を多くの人に知らしめる。
(取材・文 森田将義)
●全国高校総体2025特集
▶高校サッカーの最新情報はポッドキャストでも配信中



