3月プロ契約の名古屋U-18DF森壮一朗がプレミア今季初出場。「チャンスが与えられた時に最大限のプレーができるように準備したい」
[5.6 プレミアリーグWEST第6節 東福岡高 2-2 名古屋U-18 東福岡高G]
今年高校3年生となる17歳ながらも3月末に名古屋グランパストップチームとプロ契約を結んだのが、名古屋グランパスU-18のDF森壮一朗(3年)だ。春先からはトップチームに帯同し、4月16日に行われたYBCルヴァンカップのカターレ富山ではスタメンとしてプロデビュー。以降もトップチームに帯同していたが、出場機会は伸ばせず、6日に行われた東福岡高とのプレミアリーグWEST第6節では名古屋U-18の一員としてピッチに立つことになった。
「高校生ですけどプロ契約をして、トップチームの人と同じ生活をしているからには、もっと試合に絡んでいかないといけない。ルヴァンカップのカターレ富山戦で初めてスタメンで出場させてもらいながら、チャンスを掴み切れなかったのは自分の実力不足だと思う」。
森は悔しさを滲ませながらも前を向いていた。「ベンチにも入れない状況が続く中、腐ったら終わりだなと思っていました。高校生で、まだこうして試合に出られるのはトップチームにいる他の選手とは違う強み。ここでもう1回コンディション上げて、試合勘を掴みたい。チャンスが与えられた時に最大限のプレーができるように準備したい」。
カテゴリーを落としてのプレーになったが、試合感覚を取り戻すため、自らの存在を示すためにはプレミアリーグは格好の舞台。トップチーム同様に3-4-2-1のシステムを採用するU-18でも、右ウイングバックに入った森は思い切りの良さを生かした攻撃参加を披露する。
見せ場は試合開始早々に訪れ、前半3分には中盤でボールを奪ったMF恒吉良真(2年)のスルーパスに反応。受けた勢いのままゴール前に入っていったが、並走したDFに阻まれ、シュートは打てない。
以降も中盤の選手が前向きにボールを受けた際は、ゴール前へのアクションを欠かせなかったが、ファーストプレーのインパクトが強かった影響もあり、思い通りのプレーができない。森はこう口にする。「相手は5バックで人に対して対応し、自分のアクションに対してマンマークで付いてきていた。それに自分が前半の最初に背後を取ったシーンを機に相手が背後を意識するようになった」。
東福岡の守備陣は背後を取られないように森との距離を取って対応。そうした相手との距離感を逆手に取り、足元でボールを受けても周りとの関係性が良くなかったため、ボールを失う場面も見られた。U-18復帰初戦となった試合は決して満足のいくプレーができたとは言えず、試合後は「自分の良さを消された中で、どれだけ修正して、逆手に取って自分がどれだけ良いプレーができるかが今後の課題です」と口にした。
昨年は3バックの真ん中を託される機会が多かった。守備的なポジションならどこでもこなせるユーティリティー性が売りの選手ではあるが、今後は「自分のストロングが一番出せる場所」という右SBに近い、3バックの右やウイングバックでの起用が予想される。
「前へのアクションは自分の中で意識しているところで、トップの選手たちは見えているので自分が動き出したらパスを出してくれる」。そう口にする森が参考にしているのはトップチームで同じ役割を担う原輝綺。「原輝綺君はタイプもプレースタイル的にも少し似ているかなと思う」と続ける一方で、違いも痛感しているという。
「輝綺君は相手や味方のポジションを見て、自分のポジションを変えることができる。プレーの器用さは全く違うと感じていて、組むウイングバック、CBによって自分のポジションを変える姿を見ていると起用だなって思う。それに止める、蹴るの技術や判断は凄く勉強になるので、プレーをよく見て勉強しています」。
プロの壁に戸惑いながらも成長を続ける森が将来的に見据えるのは、ワールドカップへの出場だ。そのためには海外でのプレーが大事だと考えているが、まずは高校からお世話になっているチームで存在感を示さなければいけない。「グランパスの顔になりたい。グランパスといえば森壮一朗と言われる存在になるのが目標です」。そう口にする森は与えられた舞台とポジションで圧倒的な存在感を見せつけるつもりだ。
(取材・文 森田将義)
●高円宮杯プレミアリーグ2025特集
▶ゲキサカでは高校サッカーの最新情報を伝えるポッドキャスト番組も配信中
今年高校3年生となる17歳ながらも3月末に名古屋グランパストップチームとプロ契約を結んだのが、名古屋グランパスU-18のDF森壮一朗(3年)だ。春先からはトップチームに帯同し、4月16日に行われたYBCルヴァンカップのカターレ富山ではスタメンとしてプロデビュー。以降もトップチームに帯同していたが、出場機会は伸ばせず、6日に行われた東福岡高とのプレミアリーグWEST第6節では名古屋U-18の一員としてピッチに立つことになった。
「高校生ですけどプロ契約をして、トップチームの人と同じ生活をしているからには、もっと試合に絡んでいかないといけない。ルヴァンカップのカターレ富山戦で初めてスタメンで出場させてもらいながら、チャンスを掴み切れなかったのは自分の実力不足だと思う」。
森は悔しさを滲ませながらも前を向いていた。「ベンチにも入れない状況が続く中、腐ったら終わりだなと思っていました。高校生で、まだこうして試合に出られるのはトップチームにいる他の選手とは違う強み。ここでもう1回コンディション上げて、試合勘を掴みたい。チャンスが与えられた時に最大限のプレーができるように準備したい」。
カテゴリーを落としてのプレーになったが、試合感覚を取り戻すため、自らの存在を示すためにはプレミアリーグは格好の舞台。トップチーム同様に3-4-2-1のシステムを採用するU-18でも、右ウイングバックに入った森は思い切りの良さを生かした攻撃参加を披露する。
見せ場は試合開始早々に訪れ、前半3分には中盤でボールを奪ったMF恒吉良真(2年)のスルーパスに反応。受けた勢いのままゴール前に入っていったが、並走したDFに阻まれ、シュートは打てない。
以降も中盤の選手が前向きにボールを受けた際は、ゴール前へのアクションを欠かせなかったが、ファーストプレーのインパクトが強かった影響もあり、思い通りのプレーができない。森はこう口にする。「相手は5バックで人に対して対応し、自分のアクションに対してマンマークで付いてきていた。それに自分が前半の最初に背後を取ったシーンを機に相手が背後を意識するようになった」。
東福岡の守備陣は背後を取られないように森との距離を取って対応。そうした相手との距離感を逆手に取り、足元でボールを受けても周りとの関係性が良くなかったため、ボールを失う場面も見られた。U-18復帰初戦となった試合は決して満足のいくプレーができたとは言えず、試合後は「自分の良さを消された中で、どれだけ修正して、逆手に取って自分がどれだけ良いプレーができるかが今後の課題です」と口にした。
昨年は3バックの真ん中を託される機会が多かった。守備的なポジションならどこでもこなせるユーティリティー性が売りの選手ではあるが、今後は「自分のストロングが一番出せる場所」という右SBに近い、3バックの右やウイングバックでの起用が予想される。
「前へのアクションは自分の中で意識しているところで、トップの選手たちは見えているので自分が動き出したらパスを出してくれる」。そう口にする森が参考にしているのはトップチームで同じ役割を担う原輝綺。「原輝綺君はタイプもプレースタイル的にも少し似ているかなと思う」と続ける一方で、違いも痛感しているという。
「輝綺君は相手や味方のポジションを見て、自分のポジションを変えることができる。プレーの器用さは全く違うと感じていて、組むウイングバック、CBによって自分のポジションを変える姿を見ていると起用だなって思う。それに止める、蹴るの技術や判断は凄く勉強になるので、プレーをよく見て勉強しています」。
プロの壁に戸惑いながらも成長を続ける森が将来的に見据えるのは、ワールドカップへの出場だ。そのためには海外でのプレーが大事だと考えているが、まずは高校からお世話になっているチームで存在感を示さなければいけない。「グランパスの顔になりたい。グランパスといえば森壮一朗と言われる存在になるのが目標です」。そう口にする森は与えられた舞台とポジションで圧倒的な存在感を見せつけるつもりだ。
(取材・文 森田将義)
●高円宮杯プレミアリーグ2025特集
▶ゲキサカでは高校サッカーの最新情報を伝えるポッドキャスト番組も配信中



