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再開急ぐためにボール追いかける執念…高橋仁胡(C大阪)が見せた日の丸の意地「もっと命懸けていかなあかん」

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DF高橋仁胡

[2.26 U20アジア杯準決勝 U-20日本 0-2 U-20オーストラリア 深セン]

 途中出場で気を吐いた。U-20日本代表DF高橋仁胡(C大阪)は0-1で迎えた後半21分から出場。しかし1分後に失点を喫すると、そのまま試合終了の笛を聞いた。「相手に攻められていたなかで、おれらはチームとして守れていた。だけど最後2点目が入った」と悔しさをにじませた。

 オーストラリアに対して劣勢に立たされ続けた日本は、サイドを起点とした攻撃を仕掛けるために、左に高橋、右にDF梅木怜を投入した。中盤の選手と連係しながら、両選手はサイドの深い位置まで進入。クロス攻撃で何度かチャンスを作った。しかし1点も返すことができずに試合終了を迎えた。

 負ければ終了というシチュエーションで気迫を見せた。相手のファウルでプレーが止まると、ボールはピッチ遠方に転がっていく。1秒でもプレーを再開させたい高橋は、全力疾走でボールを追いかけ、リスタート位置にボールを戻した。「ラスト30分だったので、この状況だとこのメンバーでやるのが最後だった」。終わりたくない一心が高橋の背中を押した。

「日本代表としての気持ちがある。おれは最後までできることをやって、できるだけ早くプレーしたかったから、ボールを探しに行った」。先発8人変更、すでにU-20W杯の切符は獲得済み、2点ビハインドと、さまざまな心理的要因があったのかもしれない。試合に入り切れていない選手もいたなか、高橋は目の前のボールを全力で追いかけ、勝利への欲望を発していた。

 高橋は2年前のU20アジア杯も経験。そのときもベスト4で敗れていた。U-20W杯出場だけではなく、アジア制覇も強く願っていた。

「今回、自分の目標はアジアカップで勝つことだった。前もこんな感じで帰っちゃった。その気持ちも残っている。ここまで来て、もうちょっと行きたかったなって」。

 半年後にも高橋にとって2年ぶりの挑戦が待つ。前回のU-20W杯では、高橋の父の故郷でもあるアルゼンチンで戦いに臨んだが、グループリーグ敗退。2年前の、そして今回の悔しさを晴らすつもりだ。「W杯に行ったらもっともっとライバルがおる。デュエルとかもっと命懸けていかなあかんと思う」と力を込めた。

(取材・文 石川祐介)

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石川祐介
Text by 石川祐介

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