W杯出場決定後の“消化試合”も本大会ポット分けに影響…山本ND「一つも無駄にできない」

日本代表の森保一監督は13日、北中米W杯アジア最終予選のメンバー発表会見を行い、すでに王手をかけているW杯出場権獲得に向けて「これまで同様、目の前の一戦に向けて最善の準備をし、全力を尽くして戦う、一戦必勝の準備をしていきたい」と決意を語った。招集メンバーもこれまでの最終予選を戦ってきた25人を選出し、一戦必勝へのメッセージを込めた形だ。
日本代表は今回の最終予選で勝ち点16を積み上げており、2位以下を大きく引き離してC組首位を独走中。20日のバーレーン戦(埼玉)に勝利すれば、その時点で史上最速のW杯出場権獲得が決まり、引き分けでも他会場の結果次第でW杯出場が決まる可能性がある。
そうした中、森保監督は会見で「まずはバーレーン戦で勝ってW杯出場権を獲得できるように全力を尽くしたい」と次戦勝利への意気込みを強調。W杯出場権を早期に獲得することは「メリットしかない」とした上で「選手をより多く試すことができる、戦力となる選手たちを増やしていくことができる。戦術の部分でもシステム、試合中の戦い方等々、いろんなことを試しながら戦っていける」と今後の展望を口にした。
もっともバーレーン戦に勝利し、25日のサウジアラビア戦以降が“消化試合”となったとしても、W杯本大会を見据えれば勝ち続けたい理由がある。北中米W杯本大会の組み合わせ抽選会に大きく関わるFIFAランキングには、W杯予選など公式戦の戦績が大きく影響するためだ。
W杯の組み合わせ抽選会はFIFAランキングをもとにグループリーグのポット分けがなされ、レベルの近い同じポット同士は対戦しない仕組み。北中米W杯のグループリーグは12組4か国で行われるため、開催国アメリカ、カナダ、メキシコを含むFIFAランキング上位12か国がポット1が入り、続く12か国ずつがポット2以下に振り分けられる見込みだ。
日本は現在ポット2圏内のFIFAランキング15位につけており、さらにポイントを積み上げれば上位国の動向次第でポット1を狙える状況。そのためには結果係数の高い最終予選で勝ち点を積み上げ、さらに9月以降に組まれる親善試合で上位国を破っていく必要がある。その一方、FIFAランキングは下位に敗れると大幅なポイント減算となるため、結果係数が高いW杯予選でアジアの相手に敗れてポイントを落とすと、ポット3転落の可能性もあり得る状況だ。
そうした背景から、この日の会見冒頭では山本昌邦ナショナルチームダイレクター(ND)が「W杯の頂点を目指すまでの1試合1試合全てのゲームが重要なゲーム。ロードマップの中で非常に重要。3月、6月は公式戦ということでポイントが高いので、全てのゲームが重要になると考えている」と強調。W杯出場権獲得の“消化試合”にも一戦必勝で臨む意向を明言した。
「年末のW杯抽選会がどれだけ重要かということは皆さんもご存知だと思うが、ポット分けのどこにいるかが非常に重要な要素になる。その中で(ポイント加減の)係数が高いのが公式戦。アジア予選はスタートが早いためポイントがどんどん上がっているが、これからヨーロッパなどの予選が始まってくるとヨーロッパ勢が追い上げてくることが想定できる。ロードマップの中で一つも無駄にできないというところが年末までの全ての試合である。そのためにチーム力を上げていって最終目標に辿り着くことが大事。係数のところは細かく調べてどういったところに行けるかは現場サイドも議論してくれているし、(世界の)頂点を目指すという壮大な野望の中で緻密に、我々が目指すことを最大限準備していきたい」(山本ダイレクター)
こうした考え方に対して森保監督も「見通しを立てるというより、勝ち続けるという気持ちでいる」と強調する。「目の前の一戦のことを忘れてはいけないが、これからの成長も含めて戦っていきたい」と新戦力のテストには前向きな姿勢を見せつつも、「どことどう戦ったらどういうポイントになっていくかは深く考えず、勝ち続ければ自然とついてくるもの。チームが成長できるようにどこと戦っても力をつけられるように一戦一戦全力で戦っていきたい」と一戦必勝を誓った。
(取材・文 竹内達也)
●北中米W杯アジア最終予選特集
日本代表は今回の最終予選で勝ち点16を積み上げており、2位以下を大きく引き離してC組首位を独走中。20日のバーレーン戦(埼玉)に勝利すれば、その時点で史上最速のW杯出場権獲得が決まり、引き分けでも他会場の結果次第でW杯出場が決まる可能性がある。
そうした中、森保監督は会見で「まずはバーレーン戦で勝ってW杯出場権を獲得できるように全力を尽くしたい」と次戦勝利への意気込みを強調。W杯出場権を早期に獲得することは「メリットしかない」とした上で「選手をより多く試すことができる、戦力となる選手たちを増やしていくことができる。戦術の部分でもシステム、試合中の戦い方等々、いろんなことを試しながら戦っていける」と今後の展望を口にした。
もっともバーレーン戦に勝利し、25日のサウジアラビア戦以降が“消化試合”となったとしても、W杯本大会を見据えれば勝ち続けたい理由がある。北中米W杯本大会の組み合わせ抽選会に大きく関わるFIFAランキングには、W杯予選など公式戦の戦績が大きく影響するためだ。
W杯の組み合わせ抽選会はFIFAランキングをもとにグループリーグのポット分けがなされ、レベルの近い同じポット同士は対戦しない仕組み。北中米W杯のグループリーグは12組4か国で行われるため、開催国アメリカ、カナダ、メキシコを含むFIFAランキング上位12か国がポット1が入り、続く12か国ずつがポット2以下に振り分けられる見込みだ。
日本は現在ポット2圏内のFIFAランキング15位につけており、さらにポイントを積み上げれば上位国の動向次第でポット1を狙える状況。そのためには結果係数の高い最終予選で勝ち点を積み上げ、さらに9月以降に組まれる親善試合で上位国を破っていく必要がある。その一方、FIFAランキングは下位に敗れると大幅なポイント減算となるため、結果係数が高いW杯予選でアジアの相手に敗れてポイントを落とすと、ポット3転落の可能性もあり得る状況だ。
そうした背景から、この日の会見冒頭では山本昌邦ナショナルチームダイレクター(ND)が「W杯の頂点を目指すまでの1試合1試合全てのゲームが重要なゲーム。ロードマップの中で非常に重要。3月、6月は公式戦ということでポイントが高いので、全てのゲームが重要になると考えている」と強調。W杯出場権獲得の“消化試合”にも一戦必勝で臨む意向を明言した。
「年末のW杯抽選会がどれだけ重要かということは皆さんもご存知だと思うが、ポット分けのどこにいるかが非常に重要な要素になる。その中で(ポイント加減の)係数が高いのが公式戦。アジア予選はスタートが早いためポイントがどんどん上がっているが、これからヨーロッパなどの予選が始まってくるとヨーロッパ勢が追い上げてくることが想定できる。ロードマップの中で一つも無駄にできないというところが年末までの全ての試合である。そのためにチーム力を上げていって最終目標に辿り着くことが大事。係数のところは細かく調べてどういったところに行けるかは現場サイドも議論してくれているし、(世界の)頂点を目指すという壮大な野望の中で緻密に、我々が目指すことを最大限準備していきたい」(山本ダイレクター)
こうした考え方に対して森保監督も「見通しを立てるというより、勝ち続けるという気持ちでいる」と強調する。「目の前の一戦のことを忘れてはいけないが、これからの成長も含めて戦っていきたい」と新戦力のテストには前向きな姿勢を見せつつも、「どことどう戦ったらどういうポイントになっていくかは深く考えず、勝ち続ければ自然とついてくるもの。チームが成長できるようにどこと戦っても力をつけられるように一戦一戦全力で戦っていきたい」と一戦必勝を誓った。
(取材・文 竹内達也)
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